世の中はすべて善人ばかり?

唐突ですが、自分で自分のことを悪人と思っている人って、どのぐらいいるでしょうか?

おそらくみんな「自分は良い人だ」と、「模範的で善良な国民だ」と思っているのではないでしょうか?

ところが、街を歩くとタバコの吸い殻が落ちていたり、犬のフンが落ちていたりして、「何とマナーの悪い人が多いんだ!」と怒りがこみ上げるわけです。

電車に乗ったら、濡れた傘を人に押し付けて来る人、リュックのストラップやポニーテールをムチのように振り回して人の顔をひっぱたく人、靴で人の足を踏んでも無言の人、平気で電車内で通話している人。

悪人で溢れかえっています。では、この人達は自分を悪人だと認識しているでしょうか?

タバコの吸い殻を道にポイ捨てするときに、昨日は2本吸ったけど今日は1本で我慢したので朝から良いことをしたと思っていたり、電車に乗っているときに不可抗力で電話がかかってきたけれど、要件だけ手短に話したので周りの人を気遣う優しい良い人だと思っていたり、、、

だからみんな自分を善人だと思ってしまうのですね!

「武士の情け」ってやつですか? 「少しばかりは許してやろう」みたいな。

人の財布を盗って、お札を全部取らずに1枚だけ残して「武士の情けじゃ」と言いながら財布を捨てていく盗人が、自分は心の優しい善人だと思っている?

「五十歩百歩」、「目くそ鼻くそを笑う」。

本当は目くそも鼻くそも汚いものではなくて美しいということか?

国民年金「保険」?

また年金の話になりますが、国民年金の掛け金を65歳まで払い続ける改正案が出されています。

国民年金を支払ための資金が足りないために、年金の支払いを5年間長く払うことが、厚生年金からの補填も含めて検討されています。

この2つの改正案は、案と呼べるほどアイディアがなく、誰でも思いつく安直な方法で、考えてひねり出した感がまったくないのが残念!

そもそも65歳まで払い続けると言っても、65歳まで働けるとは限らず、働きたくても職場がないとか健康上無理と言う人も多いでしょう。

国民年金は「保険」と言っていますが、通常の火災保険や生命保険はもしものときのために備えるもの。大多数の健全な人が少数の不幸な人のために積み立てていたお金を分配するからこそ成り立つ制度です。

年金は払い込んだ人がもれなく受け取るという、全く保険制度とは相容れない仕組みです。年金受取年齢以前に亡くなったとしても遺族年金で支払われます。

やはり保険ではなく貯金であって、自分で老後の生活費を貯金できない人のために、国が預かって貯金をしているに過ぎません。金利が高くて物価の上昇以上に増えているときはいいのですが、そうでなくなった途端に安全に運用できず役に立たない制度になります。

会社が退職金をやめて、確定拠出年金に切り替えるのは、目の前のお金は保証できても将来のお金は保証できない世の中になった証です。

国民年金と厚生年金と共済組合を含めて、今、国民全員に残ったお金を清算して配ったとしたら、いったいいくらになるのか? 試しにねんきん定期便に計算結果を掲載したら、大パニックになりそうな予感がします。

これまでも散々ずさんな年金管理がニュースになってきましたが、そろそろとどめを刺すときが来たのかもしれません。