AIは知ったかぶり(3)知ったかぶりの理由

昔、同僚に知ったかぶりで有名な人がいました。

会社員をやっていると、年に何回かは会社の制度上の手続きで分からないことに直面することがあり、経験がありそうな周りの人に聞くことがありました。

そうした際にその知ったかぶりの同僚は、正しそうな答えを自信満々に言うものですから、特に急いでいるときはその答えに従って手続きをしてしまうのです。

ところが、正しそうな答えは間違っていることが多々ありますから、職場内で騒動に発展するわけです。

ある時、彼になぜ知ったかぶりして正しくない答えを言いふらすのか訪ねたことがありました。

すると彼いわく、社会人になった職場の先輩から、何を聞かれても「わかりません」だけは言うなと指導されたというのです。

彼の最初の職場が何の仕事だったかまでは覚えていませんが、わからないと安易に答えることを良しとせず、自分でできるだけ考えさせようという指導の一環だったのかもしれません。

しかし、そもそも彼が知ったかぶりだと分かっているのですから、聞いた答えを鵜呑みにした方も問題ですが、最近のAIのに対する評価に通ずるものがあるように思います。

これは天気予報にも似たようなことがあって、「明日の天気はわかりません」とは言いません。

ひどいときは、「明日は晴れのち曇り、ところによっては雨か雷雨があるでしょう」などと言われたときには、天気予報は無力です。

最近は予報の確度も同時に表示することもありますから、当たらなかったときも仕方がないと諦めやすいです。

しかし、天気なら晴れと曇りと雨ぐらいしかありませんが、AIに相談する時の回答は広範囲に及ぶでしょうから、全部の可能性を羅列するわけにも行きません。

AIに質問するときは知ったかぶりと会話していると、腹をくくることが必要なのでしょう。

“1150-550=500″はアバウトすぎる!

All Aboutニュースに「そんな裏技のような計算を!?」とにかく硬貨を減らしたい日本人の「お釣り文化」に外国人の反応は?」という記事が掲載されています。

日本人のお釣りの計算が速いことに、外国人が驚いているというお話です。

例えば、550円の支払いに際して客側が1150円を差し出した目的を店員は瞬時に察知し、きっちり500円玉をお釣りとして渡します。この一瞬のやりとりに、日本人の計算力が垣間見えます。 

若干の違和感が、、、

本当に1150円を出したとしたら、お釣りは600円でなければ客が損をします。(All Aboutと断っているのですから、アバウトなのでしょう。)

少し前なら、日本人は小学校で散々計算ドリルで鍛えられていると日本人固有の自己満足で終わっていた事でしょう。

しかし、最近はどこでも支払いは機械が担当することが多いですから、このような人手による対応はあまり見なくなってしまいました。

そもそも外国ではお釣りの小銭を減らしたいがために、550円の商品に1000円札以外のお金を差し出すような面倒なことはしません。

ですから、550円に対して1050円を出したとしても、50円は余分だから最初に突き返してから、商品金額にお釣りを足していきながら合計が1000円になるまで足し算を続けます。

そうです外国人、特にUSの人は足し算しかできません。

こうなってくると、合理的なのがどちらなのかという議論が重要で、計算が得意かどいうかではないような気がしてきます。

日本人だけが計算が得意だと自慢気に語っていますが、USの人たちからして見れば、日本人は「合理的でないアホなのか?」と思っているのかもしれません。

今や世界中の人の考えがSNSを通じて駆け巡っていますから、この議論についてそのうち結論が出るのかもしれません。

それまではあまり日本人は頭が良いと早合点しない方が良いのかもしれません。

アルバニアにAIの閣僚誕生

意外と早かったですね。

AIが適している職業の一つが政治家です。収賄や汚職やハラスメントの巣窟である政治の分野に、AIが適用されるのは時間の問題だと思っていましたが、個人的な予想より数年早かったです。

汚職にまみれたアルバニアだからこそなのでしょうが、政治の世界はどこの\国も似たりよったりでしょうから、今後水平展開が進むかどうかが注目されます。

何もAIの判断をそのまま実行する必要ななく、政策の参考にするだけでよいのでしょうが、人間関係のしがらみやコネクションに影響されないAIは、最も合理的な判断に導く道具として欠かせなくなるかもしれません。

政治に向いていることが実装されれば、次は問題が多い裁判や検察への適用が望まれます。

いわゆる非論理的な判断がまかり通っている分野には、ぜひとも採用をどんどん進めて行けば良いと思います。

もし、AIの判断を凌駕する決断を人間ができたならば、そちらを採用すればよいわけです。

AI閣僚を誰かがコントロールできたら困ったことですが、AI閣僚の判断を監視するAIを別組織に運営させるなど、対策が今後の課題となるでしょう。

今のアルバニアの政治がどれだけひどく、AI閣僚によってどれだけ改善するか分かりませんが、他の国々に対する信頼を勝ち得ることができたとき、政治の常識が変わるかもしれません。