OKストアの進撃

昨日はOKストアの関西初出店のニュースが、TVで盛んに報じられていました。

関東圏で人気のスーパーの関西進出は、地域間格差が昔に比べて減ってきたとは言うものの、文化や食生活に密着した食品スーパーにとってはハードルが高いようです。

私も単身赴任で横浜に住んでいたときには、最寄りのOKストアのストアを毎週利用していましたが、新鮮な商品が相対的に低価格で販売されていることを実感していましたので、関西でも充分に対抗できる競争力を持っているでしょう。

特売を設けないという売り方は、米国ではウォールマートが実践していて、「エブリディロープライス」が合言葉になっています。

広告を打たずにセール品もなく、しかしどれでもいつでも付近の店より安いということを売りにしています。

日本でもウォールマートの息が掛かっった西友が、最近までELPと称して同じ戦略を展開していましたが、米国ほど浸透していなかったようです。

実際に他店と比べて毎日安いと感じられるかが勝負になりそうです。

セール品に目がない関西人に、どこまでエブリディロープライスが刺さるか、これは見ものです。

自動運転と人間の技量

日本で2例目のレベル4の自動運転バスが、東京の複合施設で実用化されたそうです。

特定の目的で人が集まりバスの運行が注目されるような場所では、完全自動運転が可能になりつつあるようです。

東京オリンピックのときは、監視員が添乗していながら接触事故が起こってしまいましたが、その後安全面も改善されたのでしょうか? 今回は人の手を介さない完全自動運転を行うようです。

普段何の気無しに利用している公共交通も、よく見るとバスの運転や電車の運転はかなり高度な技量が必要で。その運転手になるにはかなりの訓練と技量が必要なことが分かります。

そんな高度な仕事が機械に任せられるのかという疑問が生じると同時に、もうそのような技量を持った人が少なくなってきたのかと思ってしまいます。

たまに乗る路線バスの運転手が、周りの交通や乗客の安全や運賃計算に気を使いながら運行されているのを見ると、これは誰にでもできるものではないなと感心することが多々あります。

自動運転は人手不足解消が目的の一つでしょうが、実際に運転手の能力のある人材を探すことが困難になってきているのではないでしょうか?

路線バスに限らず、夜間を通して走り続ける流通でも、トラック運転手はもうなかなか適した人材がいなくなってきたのではないかと思います。

人手不足ではなく人材不足です。

何事も仕事をするには誰でもよいわけではなくて、それぞれに必要な技量や心構えが必要になります。高度な知能が必要な仕事もあれば、肉体的な能力を要する仕事もあります。

しかし、現代人は知能も肉体もどちらも衰えてきているのではないでしょうか?

AIや高度な機械化によって楽になるのはよいのですが、人間が衰えていくのはまずいのではないかと思います。

これからは人間の能力を維持するために、筋力と知力トレーニングを欠かせなくなるかもしれません。

平均年収1割増だと!

まあ他人のことですからどうでも良いのですが、伊藤忠商事が社員の年収を平均1割増額するというニュースです。

同業他社の基準と同じレベルに引き上げて、名実ともにトップグループ入を目指すというところでしょうか?

総合商社は、長年学生の人気業種として君臨していますが、最近台頭してきたコンサルタント業界と優秀な人材の取り合いになっているということで、年収を学生に魅力的なものにする意図があるのでしょう。(それだけではないでしょうが。)

しかし、年収を平均で1割も一気に増額できるとは製造業などでは簡単にできることではなく、コンサルタントや商社が如何にボロ儲けをしているのかとか勘ぐらずにはおられません。

商社が設けすぎているから日本の製造業が落ち込んでいるというのは、普通に考えれば確かなことで、世界に打って出る企業力がなかった昭和の初期なら商社の力が強大であることは必要だったでしょうが、今になっても商社が強力でなければ立ちいかない日本の産業構造というのはどうなんでしょうか?

コンサルタントにしても同様で、プロとしての社長や経営者がいるにも関わらず、大金を払ってコンサルタントを雇うとは、社長のポケットマネーで払うならいざ知らず、会社の経費で払うのだったら社長の給料はいらんだろうと思っているのは私だけでしょうか?

古今東西、無駄な仕事には大金が転がり込んできて、一番底辺でしかし一番欠かせない仕事にはお金が回ってきません。

それをうまく回すのが経済や政治だと思うのですが、、、

人材が足りないのは人が足りないのではない!

最近は、特にIT関連の人材や半導体関連技術者の人材不足が問題になっています。

半導体の技術者は2000年になった頃はたくさんいたはずですが、企業や政府が技術を理解せずないがしろにしたおかげで、すっかり技術者の数は減ってしまい、それと同時に継承されるべき技術も中国に吸い取られたか、あるいは消滅してしまいました。

またAIや深層学習などの分野が注目されている割にはその分野の専門家も足りておらず、一部の人材に企業が群がって実力以上の賃金をかけた争奪戦になっています。

一方、仕事がなくてしかたなく労働集約的な仕事に着き、昔の日雇い労働に近い低賃金で苦しむ人達も多いわけです。

つまり人材が足りないといっても、特定のスキルを持った人が圧倒的に足りないということが起こっているのですが、これを少子化と結びつけて人口減少問題にすり替えて議論している事が多々あります。

業務にふさわしい人材がいないのは教育が悪いからで、社会が必要とする教育ができていないのは小学校から大学に至る教育制度の問題であって、少子化を解決して人口を維持すれば解決する問題ではありません。

人口減少については、海外からの移民による解決を目指そうとする人たちもいますが、果たして期待された人材としての移民が期待できるでしょうか?

IT人材に関しては、1980年代には既に将来不足することが唱えられていて、それから40年以上経っているわけですが、その間ソフトウェアの教育終了者が増えてきた兆しはありません。

80年代から全国で大学が新設や拡張が行われてきましたが、どう見ても社会が求める人材を養成してきたのではなく、単に大学に集まるお金に亡者どもが群がっているに過ぎません。

どうして40年前に気づいている社会の要請に、教育機関が応えられないのでしょうか?

そろそろ日本もアメリカ合衆国の真似をして、ギャンブルのようなマネーゲームに興じることは止めて、社会の変革を見据えた進歩を遂げてもらいたいものです。

「姫路城~大阪城100Kmウォーク」の問題

姫路城から大阪城までの100Kmを歩く競技が、10月26日と10月27日にかけて開催されます。

エキスパートクラスを称する最難関は24時間の時間制限があり、平均時速4.2Kmで歩ききらなければなりません。

徒歩で4.2Kmというと簡単なように思いますが、グロスとなると歩行時はその1.5倍らいの速度を出さなければならないでしょう。

チャレンジクラスは制限時間が26時間となり、こちらの方が楽かと思えばそれほど楽になるとは思えません。そもそも24時間とか26時間連続して屋外で活動をすること自体が困難です。

ましてや途中で睡眠を取るともなれば、あっという間に2~3時間が過ぎてしまい、歩行速度を上げなければ時間内のゴールは難しくなります。

もちろんクローズドされたコースでなく、交通制限もできないオープンコースですから、交通ルールの遵守は絶対に守らなければなりませんが、100Kmコースの定員が1500人という規模ですから、安全にどこまで配慮できるが疑わしいところです。

このような競技と日常の要素が合わさったイベントには危険が伴います。一般のコースを通ることから、安全は個人責任でと主催者は逃げるのが常です。

参加者は競技に参加しているつもりで多少の無理は許されると考えがちですが、主催者は日常の交通法規遵守を守ることを前提にしています。

神戸ではこれと似たようなイベントとして六甲山縦走というのがあり、毎年2回行われていていますが特に目立った事故は近年お目にかかったことがありません。

それなりの経験者が、マナーを守っていれば安全が確保されるということでしょう。

また、長時間かけて長距離を走るブルベという自転車の認定競技がありますが、こちらも最短で200Kmを13.5時間で走破するという点で似ています。

一般の道路を通常の交通法規を守って走行するのが前提なので今回のイベントと似ていますが、安全には十分すぎるぐらい配慮しています。

それに比べると今回のイベントは、「途中でリタイヤする方はどうぞご自由に」というスタンスが強く感じられます。

参加資格もありませんし、歩くだけなら誰でも参加可という気楽なイベントのように見せていますが、24時間ぶっ続けで歩くことがどれほど過酷かをもっと周知するべきでしょう。

また、この手のイベントで気になるのは、かかった経費に比べて参加費が以上に高いということです。しかも運営にボランティアを募集しています。

なんか経費がかかる運営のちから仕事はボランティアにやらせておいて、参加費だけ主催者側がたんまり儲けようとしている魂胆が見え透いています。

どうして旅行会社がこのようなスポーツインベントの主催者になる必要があるのでしょうか?別に旅行の手配をするわけでもないのですから、小遣い稼ぎと思われてもしかたありません。

このような金儲けのネタを提供するのではなく、人々の健康や生活を豊かにするために長く続けられるイベントを育てていただきたいものです。