大阪万博の建売プレハブパビリオン

大阪で開催される万博のパビリオン建設が遅れている対策として、協会がプレハブによる建物を建売形式で用意して、開催時期に間に合わせようというアイディアが出ているそうです。

プレハブや建売と言うとなんとなく安っぽいイメージがありますが、工期を短縮したり建築費を抑えるには確実な方法かもしれません。

それに比べると、1970年の大阪万博のパビリオンは見ごたえがありました。

参加した国々や企業がパビリオンにメッセージ性を持たせて、それ自体が展示物としての意味がありました。

  • 大きなテントドームのアメリカ館
  • そそり立つ赤い塔のソ連館
  • 桜の花びらをかたどった日本館
  • 丸太を縦に並べたブリティッシュコロンビア州館
  • キューブを組み合わせて未来の住宅を試みたタカラビューティリオン館
  • 一本支柱で耐震性を高めたクボタ館
  • エアチューブを組み合わせて耐風性を実証した富士グループ館
  • 最初から解体時のダイナマイトの設置を考慮した住友童話館(?)

などなど、近未来的な建築物が目白押しで、パビリオンを見るだけでワクワクしたものです。

その後の国内開催博覧会は、つくば科学博や大阪花博、愛知の愛・地球博などのパビリオンは、かなり小規模になってしまい、意匠的には変わったものがあったとしても、建築物としての価値はあまりなかったように思います。

今回プレハブパビリオンと聞くだけで、陳腐な建物が並んでいる様子を想像してしまいます。

せっかく未来のショーケースになる万博ですから、プレハブ建築であってもプレハブに見えない、素晴らしい外観と豊かな空間を短工期と低コストで実現して、日本の建築技術を世界に見せてもらいたいものです。

ディズニーリゾートの相次ぐ値上げ

東京ディズニーリゾートの入場料金と、優先搭乗のためのオプションの値上げが相次いでいるようです。

日本に限ったことではなく、本場のUSでも値上げが続いており、4人家族で訪れると1日で15万円もかかってしまうという試算が紹介されていました。

そろそろ家計的には年間計画で予算を組んでおかなければ、そうやすやすと出かけることができなくなってきました。

近いうちに金融機関からから、「学資保険」改め「ディズニー積立預金」なるものが発売されるかも知れません。

通常の経済活動なら料金が高くなれば利用者が減るので、自然と一定水準の金額に落ち着くのですが、ディズニーランドの希少価値が変わらないばかりか年ごとに際立ってきていますから、少々の料金改定では人気が陰ることはないのでしょう。

USJにあるハリーポッターに関しては、豊島園が様変わりして同様のアトラクションを提供し始めたので、それを目的にUSJに来園していたお客さんは減るのでしょうが、ディズニーのブランド力は他の追従を許しませんから、暫くの間は料金の上昇を甘んじて受け入れるしかなさそうです。

ただ。そろそろUSでは中流家庭がディズニーランドを訪れることが困難になってきているようですから、日本でも数年後には価格に見合わないと考えられる時期が来るでしょう。

非日常を味わえる場所は限られていますから、それを目指して高い料金に甘んじるのも良いのですが、もっと日本には魅力があるアトラクションがたくさんありますから、ディズニーと違ったファンタジーを探すのもよいのかも知れません。

混雑時の日傘

最近の強烈な日差しを避けるために、日傘を差す方が増えて来ましたが、駅のホームでの使用に注意が必要だと「まいどなニュース」に掲載されています。

電車通過時の風で飛ばされる可能性や、混雑した時間帯での他人を突く危険性が指摘されています。

この手の話は、原因を作る人が被害の程度を軽く見ている事が多いところに問題があります。

「目には目を」で仕返しをするわけにも行かず、気づかないのか気づかないふりをしているのか。

傘の骨で顔や目を突かれた経験がある方は、かなり多いのではないでしょうか?

雨の日の雨傘は誰でも同じように開いていることが多いので、傘同士がぶつかることはあっても大したことにはならないのですが、日傘は一部の人しか開いていないため、接触すなわち顔面直撃になる可能性が高くなります。

日傘メーカーもそのぐらい考えても良さそうなものですが、相変わらず十分危険な先端をもった日傘がほとんどのようです。

これは使う人の責任で人に危害が加わらないように注意するべきなのですが、自分のお肌は気になっても、他人目を突くのはお構いなしなのはどうでしょうか?

雨が多い日本なのにまともに傘一つ差せないのは、民度の低さでしょうか?

日傘メーカーは、もう少し傘の利用者を啓蒙するような注意書きを添付するなり、危険性がない骨を採用するなり、企業努力が少し足りないような気がします。

いっそのこと、傘を開いたら見えるように「私は人混みでは傘を開きません!」とプリントした傘を、販売してもらいたいところです。

複雑なものには罠がある!

だいたい世の中の複雑になっているものには罠があります。

本質を見抜けないように複雑な仕組みにしておくと、罠に気づかれずに人を騙すことができます。

もし、あなたが他人を騙そうとして、簡単に見抜ける罠を仕掛けますか? もし地面に罠を仕掛けるなら、葉っぱや土でカモフラージュしますよね。

ですから世の中で複雑だなと思うものには、簡単に見抜けないようにしているだけのことが多いです。

例えば税金の話。

確定申告をしてみれば分かりますが、たかだか数枚のエクセルの表があれば結果が出る程度のことですが、それを如何にも複雑なもののように見せて、税理士の先生でなければすべてを理解できないぐらいに複雑で高等なもののように見せかけています。実際はいくつかの算数の式の組み合わせに過ぎません。

もちろんその計算の根拠になる数式を決めるためには、経済学や社会学、歴史や産業の仕組みが関わっているのでしょうが、税金の話に落とし込んだら後は加減乗除だけで解決します。

それに年金問題。

これはやはりその年齢にならなければ真剣に考えることもありませんから、サラリーマンなら定年が間近にならないと年金額を気にすることもないでしょうし、ねんきん定期便も他人事のように思う人が多いのではないでしょうか?

これもやたら複雑になっていますが、色々な例外や後から追加された制度などでごちゃごちゃになっているだけで、やはり算数の問題に過ぎません。

でも複雑で分かりにくくしておかないと、問題が起こったときになぜだなぜだと非難轟々になりますから、できるだけ理解できる人を少なくするために、日本人の知能程度を考慮して十分に分かりにくくしておく必要があるのでしょう。

最近色々と問題を起こしているマイナンバーカードにしても、戸籍や健康保険の制度を古いまま、複雑なままでデジタル化を無理やり取り込もうとするから、無駄な労力が発生する割には先に進まない訳で、まず戸籍や健康保険制度をデジタル化に対応できるように前処理をしてから、マイナンバーカードに統合する必要があったと思います。

すべての戸籍で使われている漢字を、新しい文字コードを振ってフォントも作ってデジタル化するなんて、それはデジタル化ではなくデジタルでアナログを無理やり表現しているだけ!

「デジタイズ」には「サンプリング」という処理が必要ですから、まず元のデータをサンプリングするところから始めるべきでしょう。

このようなことは十分理解している人が、省庁や開発メンバーにもいたと思います。しかし、流れに任せてしまった方が楽だという大勢の考えが、現状を招いたのではないかと思います。

複雑は仕組み、複雑な社会は国民への挑戦だと思って、絡まった糸を解きほぐすように我慢強く、生き抜いていくことが必要なのでしょう。

メーカー指定価格の成否

パナソニックが商品の小売価格を、販売店ではなくメーカーが指定する取り組みを2020年から始めているらしいです。

安売り競争になると、メーカーだけでなく販売店も顧客も不幸になるという理屈らしいです。

これは白物家電に限らず、新型が出るたびに新機能で購買意欲を持たせて高い値段でも買いたくなるように仕向けるこれまでのやり方をやめて、一切値引きができなくしてモデル末期の値崩れを防ぐことができれば、無駄な機能を追加して新型を次々開発する必要がなくなるということらしいです。

顧客にとっても、新機能が追加され続けてかえって使いづらい製品になるより、必要なものが安定した価格で提供され続ける方がよいだろうということでしょう。

製品の長寿命化や販売店の無駄な競争によるストレスも緩和できるだろうということです。

これを聞いて思い出したのは、1980年代のUSの家電事情です。

当時、シアーズなどの白物家電を扱う店に行くと、当時の日本に比べて比較にならないぐらい安い冷蔵庫や洗濯機が並んでいました。

日本で言うところの10Kgぐらいの容量の洗濯機が3万円、同じ容量の乾燥機が1万5千円。冷蔵庫は水道管直結の自動製氷機付きで3万円ぐらいでした。

シアーズ以外にはそれほど大型家電を扱う店はなく、あったとしてもほぼ同じ値段でした。

給湯器に至っては1万5千円ぐらいで、製品ごとの機能に違いはなく店によっても値段は変わりません。いわゆる競争がない状態というのでしょうか? 確かに機能や価格で比較しても違いがなければ、どの製品をどのお店で買っても同じです。

パナソニックが目指す家電の売り方は、普遍的で最低の機能の機種をモデルチャンジせずに何十年も売り続けて、その間故障してもいつまでも部品が手に入り、必要ならば個人でも修理が可能な製品を作り続けることにほかなりません。

パナソニックはそんなことを目指しているのでしょうか? 

もっと昔に、まだパナソニックが家電のトップで、価格統制力を持っていた頃でさえダイエーの販売力に打ち勝てなかったのです。

いまや中国製の製品が溢れてきていて、価格を決めることができるとしたら最低価格で勝負できる中華メーカーしかありません。

もしパナソニックがまだ日本メーカーの優位性が残っていると信じて高価格を維持しようとしたら、大塚家具の二の舞いになるのは目に見えています。

それどころか、以前に比べて家電量販店に置けるパナソニックの存在が、薄くなってきているようにさえ感じます。

他の家電メーカーが次々と中国資本に乗っ取られています。

パナソニックの家電部門が、中国企業に切り売りされる日も近いのでしょうか?