水のうは効果あるの?

オリンピックが終わった途端、多くの台風に見舞われている日本列島ですが、警視庁が「下水の逆流に水のうを用意しておくように」とアドバイスしています。

大量の雨で下水があふれる光景をよくニュースで見ることがあります。マンホールが浮き上がってあふれているだけでなく、マンホールの蓋がどこかに言ってしまって、不用意に歩いていると下水管に落ち込んでしまうといった事態も心配です。

さらにあふれた下水が、自宅のトイレに逆流したり、風呂の排水溝からあふれる事があると警告しています。

そこで丈夫なビニール袋に水を入れたものを、トイレや風呂の排水溝に置いて逆流を防止しようというのですが、効果があるのでしょうか?

よく土のうを積んで浸水を防ぐ様子を見ることがありますが、確かに土は水よりかなり重いので水をせき止めることができるでしょう。

しかし、水の逆流をくい止めるのに同じ重さの水をビニール袋に入れても、ほとんど効果がないように思います。

そもそも下水を駆け上がって来ている水は、上にある水をしたから持ち上げるほどの水圧がかかっているわけですから、その上にビニール袋に入った水のかたまりを少しばかり置いたところで効果があるとは思えません。

警視庁が広報しているのですから嘘ではないと思いたいですが、以前水をせき止めようとしてビニール袋に水を入れて置いたところ、水の流れと一緒に流れていた経験があるだけでに(あるんかい?)、水の入ったビニール袋では荷が軽すぎるような気がします。

警視庁も自信があるのなら実証実験の動画を公開してくれないものでしょうか?

本当に日本が30年で落ちぶれたのか?

よくニュースで、「最近の30年間で日本の世界での存在感が急速に失われてしまった。日本を何とかしなければならない」という警鐘を促す記事を見かけます。

そこで指摘されるのは、30年前の世界企業の時価総額ランキングで、過去に日本企業はランキング上位の半数以上を占めていたのに、今やトヨタ自動車以外の企業は一層されてしまい、替わりにUSのIT連携企業が軒並み上位に進出しているというのです。

確かにこの30年で大きく金儲けのスキームが変化して、以前のように銀行や石油会社、電気製造業などが儲かる企業の代表ではなくなってしまいました。

ですが、それらの企業が何もサボっていたわけではなく、今でも過去最高益を計上している企業もたくさんあります。

ただ、今の株式市場で人気があるIT企業を創出できなかったのは問題ですが、それも今はUSだけが突出しているだけで、他の国々でもその分野で企業を創出してきた訳ではありません。

日本が落ちぶれたというより、今はUSのIT企業が飛び抜けてうまく取りまわった時代だというべきでしょう。

日本でもIT関連では出遅れ感がありますが、最近の日本のベンチャー企業はそれなりに新しい分野を切り開きつつありますから、その後の企業運営を大胆に進めることによって大きく飛躍することは可能でしょう。

製造業が隆盛を極めた頃、日本人は手先が器用だから良い製品を作ることができるという理由がまことしやかに唱えられていました。

今や日本人が手先が器用だという人はいないと思いますが、勢いに乗って唱えられると、根拠がなくても信じてしまうものです。

今、US発のIT関連では業界が隆盛を極めていたとしても、別にアメリカ合衆国が想像力豊かな人材が豊富だからそうなったのではなく、ただ単に「時代の流れでそうなっただけ」というのが正しいような気がします。

昔の栄光にすがったり、過去の30年間を悲観するのはやめて、これからの30年を見据えた新しい日本を目指したいものです。