国民年金「保険」?

また年金の話になりますが、国民年金の掛け金を65歳まで払い続ける改正案が出されています。

国民年金を支払ための資金が足りないために、年金の支払いを5年間長く払うことが、厚生年金からの補填も含めて検討されています。

この2つの改正案は、案と呼べるほどアイディアがなく、誰でも思いつく安直な方法で、考えてひねり出した感がまったくないのが残念!

そもそも65歳まで払い続けると言っても、65歳まで働けるとは限らず、働きたくても職場がないとか健康上無理と言う人も多いでしょう。

国民年金は「保険」と言っていますが、通常の火災保険や生命保険はもしものときのために備えるもの。大多数の健全な人が少数の不幸な人のために積み立てていたお金を分配するからこそ成り立つ制度です。

年金は払い込んだ人がもれなく受け取るという、全く保険制度とは相容れない仕組みです。年金受取年齢以前に亡くなったとしても遺族年金で支払われます。

やはり保険ではなく貯金であって、自分で老後の生活費を貯金できない人のために、国が預かって貯金をしているに過ぎません。金利が高くて物価の上昇以上に増えているときはいいのですが、そうでなくなった途端に安全に運用できず役に立たない制度になります。

会社が退職金をやめて、確定拠出年金に切り替えるのは、目の前のお金は保証できても将来のお金は保証できない世の中になった証です。

国民年金と厚生年金と共済組合を含めて、今、国民全員に残ったお金を清算して配ったとしたら、いったいいくらになるのか? 試しにねんきん定期便に計算結果を掲載したら、大パニックになりそうな予感がします。

これまでも散々ずさんな年金管理がニュースになってきましたが、そろそろとどめを刺すときが来たのかもしれません。

「政治家はいずれネコやゴキブリに置き換えられる」

とまあ少しばかり過激なタイトルですが、PRESIDENT Onlineに

「政治家はいずれネコやゴキブリに置き換えられる」イェール大学助教授・成田悠輔の"政治家不要論"

という記事が掲載されています。詳しくはそちらの記事を参照していただくとして、まったくもってそのとおりだと思います。

記事の中で指摘されていることを私なりに要約すると、

  • 民主主義が崩壊している。
  • 近年選挙率が低下する一方なのは、国民が政治を見限っているからである。(そこまで断言はしていない。)
  • 民意を表現するデータを集めて、アルゴリズムで政策を決定する。
  • 政治家は人間である必要がない。

まあ、ざっとこんな感じでしょうか。

そもそも、選挙が国家運営や政治家の活動と「疎」にしか結合していないがゆえに、国民はごく限られた範囲内の選択肢しか与えられておらず、不本意な施策、勝手を極める政治家の所作を指を加えて眺めることしかできないのが現状です。

だいたい、人間に国民を公正に統治することなど、過去の歴史を見てもほとんどないと言っても良いぐらいで、歴史の授業で「昔の社会はひどかった」と教え続けられてきましたが、今も変わらないかもっとひどくなっているかもしれません。

人間は政治家に限らず権力者になってしまうと、権力を維持するために仲間内や親族で周りを固めて、反発分子を切っていく傾向があります。これは昔から変わらず普遍的です。

だから、民主主義も社会主義も一部の人間のためにだめになってしまうのでしょう。

まあ、AIが統治する国家ができたとしたら、SF映画でよくあるAIの暴走や、AIに自我が芽生えてしまって政治家と同じく我欲に突き進むかもしれませんが、、、