2人乗りベビーカーと路線バス

双子用のベビーカーで路線バスに乗ろうとして苦労しているというお話。

数年ごとに炎上する話題ですが、決定的な結論が出ないまま忘れ去られてしまいます。

いくつかの路線バスでベビーカー利用の案内を確認したところ、最近の低床設計のバスや広い搭乗口によって、乗車可能となっているところが多いようです。

共通した基本ルールは以下のようなものでした。

  • ベビーカーを利用しながらの乗降や、ベビーカーのベルトなどによる固定と乗車中の安全は、乗客の責任で行う。
  • 運転手はベビーカーの固定位置のバス座席を畳むことと、ベルトなどの固定器具の使用方法の案内は行う。

赤ちゃんが乗ったベビーカーを他人が扱うことは、安全上の責任が伴います。ましてや複雑な構造のベビーカーだと変に触るだけで事故につながります。保育士などの資格があれば可能かもしれませんが、それをバス運転手の業務とするのは無理があります。

乗り合わせた乗客が親切心で手伝うのはあってもいいですが、何かあったときの責任は当然負うことになります。例えばバスが急停車したときに、手伝った人が留めたベルトが外れて赤ちゃんが怪我をしたら責任は免れません。

つまり、ベビーカーを使用して赤ちゃんをバスに乗せるには、それなりの労力、おそらく赤ちゃん1人か2人なら、大人2~3人が付き添わなければ安全なバスの乗車は無理だということです。

これを社会のインフラとして準備するとしたら、介護保険のように育児保険みたいな制度を作って利用するしかないように思います。

周りに負担をかけても誰もが許してくれるほどには、まだ世間は豊かではないのかもしれません。

国民年金「保険」?

また年金の話になりますが、国民年金の掛け金を65歳まで払い続ける改正案が出されています。

国民年金を支払ための資金が足りないために、年金の支払いを5年間長く払うことが、厚生年金からの補填も含めて検討されています。

この2つの改正案は、案と呼べるほどアイディアがなく、誰でも思いつく安直な方法で、考えてひねり出した感がまったくないのが残念!

そもそも65歳まで払い続けると言っても、65歳まで働けるとは限らず、働きたくても職場がないとか健康上無理と言う人も多いでしょう。

国民年金は「保険」と言っていますが、通常の火災保険や生命保険はもしものときのために備えるもの。大多数の健全な人が少数の不幸な人のために積み立てていたお金を分配するからこそ成り立つ制度です。

年金は払い込んだ人がもれなく受け取るという、全く保険制度とは相容れない仕組みです。年金受取年齢以前に亡くなったとしても遺族年金で支払われます。

やはり保険ではなく貯金であって、自分で老後の生活費を貯金できない人のために、国が預かって貯金をしているに過ぎません。金利が高くて物価の上昇以上に増えているときはいいのですが、そうでなくなった途端に安全に運用できず役に立たない制度になります。

会社が退職金をやめて、確定拠出年金に切り替えるのは、目の前のお金は保証できても将来のお金は保証できない世の中になった証です。

国民年金と厚生年金と共済組合を含めて、今、国民全員に残ったお金を清算して配ったとしたら、いったいいくらになるのか? 試しにねんきん定期便に計算結果を掲載したら、大パニックになりそうな予感がします。

これまでも散々ずさんな年金管理がニュースになってきましたが、そろそろとどめを刺すときが来たのかもしれません。