正社員と非正規雇用労働者

あえて厚生労働省の表現を使って「非正規雇用労働者」と書いてみましたが、通称「非正規」、つまり有期雇用、パート雇用、派遣労働の総称として、ここでは「非正規」と表記します。

正社員と非正規のどちらが良いか?

労働者が分からみて正社員が良いのなら、経営者から見れば非正規の方が良くなる。だから、労働者は正社員になりたがって、経営者は正社員を切って非正規を雇いたがる。

正社員は福利厚生や退職金(福利厚生に含まれるが)があるために、安定していて定年後も安泰と思われていますが、それは優秀な人材を簡単に雇えない時代の話。

各企業では新しい技術がどんどん開発されていて、それに長ける人材は自社で教育しなければならなかった時代は過ぎ去って、今はスキルが陳腐化(恒久化)しています。

さらに大企業が必死で身を削るものですから、スキルフルな人材がそこら中に溢れています。

それならば、何も経験がない新人を教育して定年まで雇い続けるより、必要な業務に必要なスキルを携えた人材を臨機応変に雇い入れることは至極当然のことであります。

もし、正社員が一生定年まで就業を保証するものであるのなら、まったく時代錯誤の労働形態になってしまったと言えるでしょう。

ですからこれから日本の社会が目指すべきは、(当人的には)安定した正社員を増やすことではなく、必要なスキルを必要なときに供給する非正規だけで回していける体制ではないでしょうか?

本当の経営層だけが一生忠誠を誓う正社員であり、実務レベルはすべて非正規というのが正しい姿でしょう。

そうなれば同一労働同一賃金が実現できますし、生涯教育の必要性も当然になるでしょう。労働生産性も自ずと向上することでしょう。

さて問題は、この方針が企業経営者の短期的なコストカットの目的だけに使われないようにすることです。

政府が必要な施策をタイムリーに繰り出すことによって、日本に活力をもう一度取り戻したいものです。

電力は文明の証

大雪による停電の発生地域の方々には心からお見舞い申しあげます。

インフラの電気・ガス・水道は、そのどれかが欠けても生活に大きな支障をきたしますが、その中で電力は広域に渡って影響が出ます。

日本に限らずUSでも寒波によって大規模な停電が起こっているようですが、雪やアイスストームによって送電の鉄塔が倒壊すると、広い範囲で停電が続き復旧に時間がかかるため、州を越えて電力がある地域に移動して復旧を待つこともあるようです。

日本では、高品質で安定した電力供給によって工場生産を支えている側面がありましたが、近年の工場の海外流出によってあまり話題にならないようになりました。

10年ほど前にインドに行ったときに、ホテルの電気が頻繁に止まる事があり、不安定なネットワークも相まって、日本の電力インフラの優秀さを痛感したものです。

インフラはいったん普及した後も維持するためのメンテナンスが欠かせません。経済が好調なときはインフラの負担も苦になりませんが、経済が傾いてくるとインフラのメインテナンスが手薄になって生活に影響が出始めます。

東京都で新築住宅に太陽光発電を義務付けたそうですが、電力供給システムは数十年単位で計画しなければならないものです。

個人の住宅設備が、そのような大規模なシステムの一部を構成するだけの信頼性を長期に渡って保証することができるのでしょうか?

大雪や台風で住宅の太陽光発電が故障したときに、個人が修繕費を負担できないために電力システムが逼迫するような事態は避けたいものです。

はだかの王様

11年に渡って企業を統治した経営者が、ハレンチな醜態を公にさらされたとのこと。

会社の経費で、会社の施設で、コンパニオンと混浴を楽しんでいたとは、とんだ裸の王様です!

定年後の役人が一般企業に天下るとろくなことがありません。

そんな年老いた役人の現役時代の人脈に頼らないと成り立たない企業ならば、ゾンビ企業と言わざるを得ないでしょう。

しかもニュースになるのは、大概輝かしい経歴を持ったエリートと呼ばれた人であることが多いです。

開成高校から東大を出たのならもっと人格者であってしかるべきですが、しっかりした人格が形成されない学歴にはあまり意味がないような気がします。

年間1億円以上の報酬を得ていたということですから、少なからず本業にも貢献していたのでしょうが、それにしてもあまりにもやっていることがブサイクすぎる!

日本だけに限ったことではないかもしれませんが、コネや人脈といった過去の遺産に頼るとろくなことがありません。

今現在どのような職務能力があるかを判断するのに、過去の実績や人脈しか評価できないから、学歴社会やコネ入社、学歴フィルター、世襲制議員などがまかり通ってしまうのでしょう。

CTスキャンで体の状態を隅々まで透視できるように、カメラの前に立つだけでその人の能力や癖を見透かす技術が早くできないものでしょうか?

日本の労働生産性が低い理由

日本生産性本部が発表した労働生産性の国際比較で、OECD加盟国38カ国中日本は27位で、順位は1970年以来最低だったということです。

時間当たりや一人当たりの順位は27~29位とほぼ同じですが、製造業だけ見ると18位まで順位をあげます。製造業の衰退が叫ばれていますが、まだ製造業の方が他の産業よりマシということでしょうか。

ただし製造業のランキングは2000年はOECDでトップだったそうですから、かなり順位を下げているのは確かです。

よく新聞などで日本の労働生産性が低い原因を書いた記事がありますが、少子化や晩婚化のような一般的な社会問題と結びつけて論じられることが多いようです。確かにそれらも生産性を下げている一因かもしれません。

しかし、長年日本の企業にいて感じるのは、そもそも日本の企業の誰も(経営者も労働者も)労働生産性を上げようと思っていないのです。

企業の業績は、売上であったり利益であったり株価であったり、会社四季報に羅列されている数値を見れば分かりますが、それらは株で儲けようとする人たちが使う指標です。

株が上がるか下がるかを判断するための指標は必要ですが、企業を従業員と社会のために成長させていくために使える指標ではありません。少なくとも数十年単位で成長する企業かどうかは分かりません。

それ故に、株価や短期的な利益にしか眼中にない経営者は労働生産性には目もくれず、労働者をこき使う方向に進んだ結果、労働生産性が低いまま半世紀が過ぎてしまったのではないかと思います。

無駄な会議、無駄な資料、忖度の限りを尽くした根回し、日本の古来からの悪習慣の塊です。企業はまだマシで、国や地方の機関の労働生産性はないに等しい(何も価値を創出していない)かもしれません。

創業者が経営する企業の業績が良いと言われます。短期的な株価を上げることより、企業の存続や社会貢献に対する姿勢が違うように思います。

日本の経営者がお金や地位や名誉に目がくらんでしまったのが、労働生産性が上がらない大きな理由の一つだと思います。

銀行と生体認証

最近、銀行のATMでキャッシュカードの生体認証を廃止するというニュースがありました。

ATMで現金を下ろしたり振込をする際に、暗証番号以外に指紋や静脈パターンによる生体認証が必要なICカードがありましたが、今後これらの生体認証を廃止していくそうです。

世の中はセキュリティがますます厳しく管理されていき、あらゆるログインには二重認証が当たり前のように要求されるようになりました。

ところが最もセキュリティに厳格と思われてきた銀行が、時代に逆行して生体認証を止めるというのですから、よほど止める合理的な理由があるのでしょう。今後のあらゆる認証システムに大きく影響を与える変化かもしれません。

そもそもキャッシュカードの生体認証は30年ぐらい歴史がありますが、いまだに統一した手法が確立されておらず、各社各様の取り組みでばらばらでした。おそらくどの方法も決定的な利点も欠点もなかったのでしょう。

確かに手の指紋や静脈での認証は、本人でもなかなかパスしないことも多く、使い勝手が決して良いとは言えません。

何らかの改善は必要でしょうが、一気に廃止してしまうとはいささか性急かとも思うのですが、どんどん有人銀行店舗が閉鎖されて生体認証の登録を行う窓口を維持できないと言うのが、実は銀行の本音だったりするかもしれません。

窓口を維持するコストほどは、生体認証の効果がなかったのか?

生体認証の廃止によってキャッシュカードの被害が増えたとしても、保険か何かで補填するほうが窓口維持のコストより安いという判斷でしょうか。

近所のATMでは係の人が常に無人店舗のATMにいて、オレオレ詐欺の類の被害を防ぐべく啓蒙のティッシュペーパーを配布したり、声がけをして犯罪を未然に防ぐために努力をされています。

オレオレ詐欺には生体認証は効果ありませんから、本人がどうかを確認するだけでなく、本人のATMを使う意思を確認できるような生体+意思認証が今後必要になってくるのかもしれません。