外国人の確定申告

確定申告の時期になって、新聞などのニュースでも税金の相談窓口の風景がよく出てくるようになりました。

2003年ぐらいから始まった「確定申告書作成コーナー」も、当初はボロボロのシステムでしたが、年を追うごとに改善されてきて、最近では申し分のない機能を提供できるようになりました。

e-Taxと名前も変わって、今後は電子申請を標準化しようという動きが見られますが、ここで一つ疑問があります。

「外国人はこのシステムを使うと楽に申請ができるのか?」と。

これほど国税庁が威信をかけて作り上げたシステムで、もう20年以上も稼働しているのですから、多言語対応はかなり進んでいるものと期待して調べてみると、英語や中国語版のマニュアルらしい資料はあるのですが、システム本体は日本語のみのようです。

日本の居住している外国人からもれなく税を徴収しようと言うのに、相変わらずお粗末な状況と言わざるを得ません。英語と中国語、韓国語あたりはとっくにサポートされているべきでしょう。

その英語版のマニュアルには、日本語のe-Taxの画面コピーがあって「このボタンを押せ」と英語で使い方を書いているのですが、そのボタンには日本語の「作成」と書かれていて、それを「絵」として適切に区別して押せと強制するのは、少し無理があるのではないでしょうか?

せめてボタンに番号かアルファベットの記号でも振って、それを示す程度の配慮は早急に必要でしょう。

最近は電車の駅に番号が振られていて、そもそも外国人が駅名を区別できない前提になっています。もし外国人に積極的に税を払って欲しいのなら、今すぐにでも対応しなければならないと思います。

国際化は放っておいても始まりません。払いたくなるような優秀なシステムを期待します。

LINEの情報漏洩

LINEからまた従業員の情報が漏れたとのニュース。

誰もがすでに諦めていることかもしれませんが、LINEというシステム自体の信頼性の向上が見込めないことは感づいているでしょう。いくら問題が発覚するたびに、これからは外部から監視しますといったところで体質が変化するとは思えません。

コロナ禍で在宅勤務が広まり始めた頃、電話会議システムのZOOMでセキュリティ上の問題があったとき、それ以外の同様のシステムがここぞとばかり攻勢をかけてきて、既存のZOOMのシェアを奪い合ったことがありました。

結果としてZOOMもその後大きな問題を起こすこともなく、TemasやらMeetsやらSlackなどのシステムの共存してシェアを分かち合っているようです。

一方のLINEは、幾多のトラブルが発覚しながら余り改善されている兆しがなく、通常ならとっくに世間から見捨てられるはずですが、他に代替できるシステムが存在していないことをいいことに、特にシェアを木にすることもなく安泰を続けているように見えます。

日本語版が整備されていない海外製の通信手段の導入には抵抗があるとしても、機動力がある企業ならLINEはに類似のシステムを国産で作り上げることもできそうな気がしますが、儲かる絵が描けないからか、LINEは一強がずっと続いたままです。

政府が音頭を取って、政府機関や地方公共団体向けのシステム構築でも促せば良いように思いますが、それはそれでマイナンバーカードのような危険なシステムが出来上がってしまう予感があります。

ただ、これほど簡単に機密情報が漏れっぱなしのシステムを、政府や地方公共団体の基幹業務に使用し続けると言おうのは問題が大きすぎるような気がします。

せめて2~3年かかっても良いですから、安全なコミュニケーションツールを構築する機運が出てきても良いのではないでしょうか?