在職老齢年金の考え方

厚生年金をもらいながら同時に働いて給与ももらった場合、合計金額が月48万円を超えると、超えた金額に応じて年金が減額されます。

これは厚生年金に加入しながら働いて給与を受け取る場合だけですから、働いても厚生年金に加入しない(厚生年金保険料を払わない)場合は関係ありません。

しかし、最近はあらゆる業界で厚生年金加入が条件になっていることが多く、この制限にかからないように給与を制限して働く人もいるようです。

一定の金額以上に収入があれば、生活の糧になる年金を減らすというのは、理にかなっているようで、かなっていないようでよく分からない制度です。

年金が生活に最低限必要な金額を、保険として保障するのですから理にかなっているのですが、配偶者の収入によって健康保険や年金の加入が求められるために、仕事を制限するのと同じで、人手不足で高齢者の雇用を勧めるに当たって障害ともなるルールです。

年金を正規に受け取るのは権利で、仕事に応じた給与を受け取るのも権利です。

合計が48万円以上になったら給与が減額されるというのがあり得ない(それなら働く時間を減らす)ですから、年金を減額するのも権利を奪っていることにほかなりません。

年金の支出を減らしたいのなら、48万円を超えた部分については将来に持ち越すのが妥当でしょう。

一生懸命働いたために月48万円を超えても、年金額も含めてそれだけ働いた報酬ですから、そこに手を付けると仕事と報酬の関係性が崩れてしまいます。

自由経済においてあってはならないことで、配偶者の給与制限や年金の所得制限は、最低限の給与を保障する社会主義的な仕組みでしか説明できないでしょう。

人手不足であらゆる手が足りない状況が進むにつれて、就業時間を制限するこれらの制度は早急に廃止するべきだと思います。

熊の習性を知らない

秋田県と北海道で頻繁に人家を襲う熊。

今年の山での樹の実が凶作だということが、人家に熊が下りてくる理由とされています。

特定の熊が人間の食べ物の味を覚えて、人間を襲うことを覚えてしまったのだとしたら、やはりその特定の味を覚えた熊は殺処分にしなければならないでしょう。

しかし、最初に食べ物の味を覚えさせたのは人間ですから、そこを絶たねければ冬眠するほど寒くなるまでこの被害は続くでしょう。

あるいは最近の温暖化に伴ってそれほど深い冬眠をしなくなった野生動物がいるそうですから、冬になっても熊の被害は続く可能性もあります。

USの国立公園、例えばヨセミテ国立公園に行きますと、とにかく熊が一旦味を覚えたら繰り返し襲うのが習性なので、絶対に公園内に駐車する車の中には食べ物、飲み物を一切残さないように注意されます。

車をいくら施錠したとしても、匂いがしたものなら熊は何が何でも車を破壊してまで中に入り匂いの先のものを食べるそうで、実際に過去に被害にあった動画をホテルの部屋などで観られるようになっています。

またホテルにチェックインするときには、車に食べ物を放置していないことを念押しされ、さらに宣言書にサインをさせられます。

秋田県では畑を荒らされていることから、食べ物を屋外に放置することはどうしようもありませんが、山に入った人が残したおにぎりやピザを食べた熊が、人を襲うようになることは避けたいものです。

北海道の観光道路では、どう見ても車から餌をやっているようにしか見えない動画もありますから、サファリパークと一緒に考えてはいけません。

熊が食べられるようなものを熊の生息地から排除したり、危険な山への一切の立ち入りを禁止するなど、徹底的な対策が必要なのではないでしょうか?

ライドシェアって白タクのこと?

タクシードライバーの不足によって、都市部での移動手段が逼迫していることを受けて、ライドシェアが検討されています。

ライドシェアというから、てっきりタクシーに同じ方向の乗客が一緒に乗るのかと思ったら、悪評高い白タクのことでした。

菅元総理もライドシェアの推進派だそうですが、USでの実用例を真似て日本でも同様の取り組みを行おうと言うことらしいです。

確かに、京都などの観光地に押し寄せるインバウンド客によるタクシーの需要を満たすには、既存のタクシー会社の企業努力だけでは十分でなく、制度的な改善が必要なのでしょうが、USで成功していることと同じことを日本で実現できるかといえば、なかなか難しいように思います。

そもそも自動車の運転に関しては、USと日本では道路事情や法規の完成度合いが違います。たとえ自動運転がUSで実用化されても、日本で同じレベルに到達するには技術的なハードルがいくつもあるでしょう。

ウーバーイーツが目立つようになった時に、自転車やバイクの危険な運転が問題になりましたが、同様の問題が起こることを危惧します。

タクシードライバーがどれほど優れているかよく分かりませんが、少なくとも2種免許を取得していますから、それなりに安全基準を満たしているものと思います。

ライドシェアと行っても、これまでの実用例からタクシー会社に所属して、講習の受講や報告義務が課せられることになると思いますが、これらがあまり厳格だとタクシー運転手の養成をしているのと同じですし、ゆるすぎるとタクシーが怖くて乗れなくなり業界が崩壊する可能性もあります。

なかなかさじ加減が難しそうですが、ライドシェアなどというUSから来た制度を真似るのではなく、2種免許やタクシー業界の慣習に風穴を開けるところから始めて、日本のタクシー業界の問題点を改善していく方が良いのではないでしょうか?

そもそもこれまで素人だった人が急に他人のリクエスト通りに運転できるわけではなく、それなりに運転できる人は選ばれるでしょう。

観光客の足を確保するのは大事ですが、町中の安全を最優先して解決していただきたいものです。

日本人の給与が低い理由の一つ

日本人の給与が、世界的に最低レベルであると言われてすでに久しくなりました。

90年代初頭には日本人の給与が高いために国際競争力がないと言われ、どんどん海外に生産拠点を移転して行ったお蔭で、国内の技術も移転されて別の理由で国際競争力が下がり、給与も下がってすっかり逆転してしまいました。

日本円の為替レートが90円を切っていた頃と比べると、現在の150円なら4割給与が下がって見えますから、円の価値が下がったことが給与低下の理由の1つであることは明らかです。

しかし、相変わらず国内の収益には偏りがあって、本来価値のないものにお金を費やす傾向があるように思います。

例えば国際競争力がなく、特許や特効薬の排出が殆どない製薬業界の給与が高いのは、健康保険の仕組みや業界の発言力に支えられていますし、日本特有の業界と言われる商社が相変わらず高い給与を得ているのも、全体の給与を下げている理由ではないでしょうか?

芸能界やテレビ局の高給も、本来の価値の創造の観点からはそれほど価値がある産業とは言えず、それらが唯一生き残った輸出産業である自動車業界の給与より高い妥当性があるとは思えません。

日本は、いわゆる社会主義的に値段が決まってしまう傾向が強く、業界の癒着や政治への圧力が強い影響力を持っています。

本来の市場経済は、開放的な競争があって妥当な価格や産業の収益に結びつくわけですが、どうも日本は資本主義が定着しているとは言えないようです。

社会主義国における給与が低いのは、充実した社会福祉によって相殺されるわけですが、日本は給与が低いからと言って特段社会福祉が充実しているとは言えず、社会主義と自由経済の悪い特徴が目立っているようです。

何事も競争原理だけで解決できるものではないでしょうが、競争原理が働かないのに国際的に給与を比較しても意味がありません。

一度歪んだ産業構造を見直すことが必要ではないでしょうか?

秋田の熊はかわいそうか?

秋田で被害をもたらした熊を駆除したことで、熊が可哀想と非難の電話が役所に殺到しているらしいです。

野生の動物が人の里に出てきて農作物に被害が出ているだけならまだしも、多くの人が襲われている現状では殺処分も致し方がないことのように思えますが、それでも動物愛護的な考えで殺さずに済ます方法を選ぶべきだと考える人がいるのでしょう。

より良い解決方法があるのなら検討するべきでしょうから、アイディアを出し合うことは良いかもしれませんが、現状では殺処分以外の良策は見当たらないということでしょう。

どうも日本では熊はクマゴロウやプーさんのイメージで考える人が多いようで、愛玩動物のような感覚を引きずっている人が多いようです。

北米のグリズリーならいかにも凶暴なイメージがありますが、それも映画でそのように取り上げられていたからで、どうも日本人にはオオカミは怖いイメージが合っても、熊はぬいぐるみのように思ってしまうのでしょうか?

実際に被害にあった人でなければ、熊の恐怖を語れないのかもしれませんが、猿なら山に追い返すことができても、熊はそう簡単には行かないようです。

それより怖いのは、熊は一度味をしめると繰り返す習性がありますから、ゴミを漁って食べ物があることを覚えればゴミ漁りを繰り返し、人間と戦って勝てることと人肉が食用に耐えることを覚えれば、繰り返し人間を襲うようになります。

つまり熊に餌を与えたり熊の行動範囲に食べ物を放置する事が、如何に危険なことであるかを気づいていない人が多いのではないかと思います。

つまり、猿やイノシシと、熊は対策がまったく違うことを、もっと国民に徹底して理解させることがまっさきに必要なことだと思います。

以前北海道の観光道路で車に寄ってくる熊が報道されていましたが、おそらく車から餌をやった人がいたのでしょう。このような無知な行動によって熊の活動範囲がどんどん人の生活圏に近づいて来たのでしょう。

日本各地で熊の被害が出ていますから、少なくとも都道府県単位で熊に対する知識を広め、正しい熊への対処方法を示し、長期的な熊対策を策定するべきでしょう。

いつまでも熊と戦ったニュースが出ることは異常です。できるだけ早く熊の被害が収束することを願います。