バッハIOC会長の任期延長問題

任期が切れるIOC会長のバッハ氏を、オリンピック憲章を変えてまで再任するべきだという意見が出されているらしいです。再任の意見を出しているのはアフリカの一部の国々のようです。

根拠もなく疑うのは良くないかもしれませんが、これだけ不祥事が相次いでいるIOCですから疑わない訳には参りません。

そもそも利害を被る当事者が勝手に変えられるルールではルールの意味がなく、当事者が勝手なことをしないように予め決めたものがルールです。

世界の事情が大きく異なって、ルールを制定したときの前提がそぐわなくなったのなら、ルールを変えることも必要かもしれませんが、時の会長が自分の立場を維持したいからと言ってルールを変えていては、何のためのルールだったのか分からなくなります。

どうも首長や社長、会長のたぐいは、誰からも評価されないために自己評価で満点を付ける傾向があって、自分が続けることが正義のような錯覚に陥りやすいです。

特に周りにイエスマンを揃えていると、誰も反対しませんから図に乗りやすくなります。

バッハIOC会長は東京オリンピックのときも散々問題を起こしていて、金の亡者というレッテルが貼られているはずですが、その金を使って弱小国の代表を丸め込むのに長けていると考えてしまいます。

ぜひともルールはルール。バッハ会長がたとえ優れていたとしてもルールを変更する条件にはなりません。

まさにバッハ会長のような人物を、いつまでものさばらさないためにあるルールです。

ルールを変える正統派理由がない限り、決して安易なルール変更はしないことを願います。

80年代のアメリカと今の日本は似ている

80年代のアメリカ(合衆国)は悲惨でした。

経済的にも政治的にもまったく良いところがなく、50年代、60年代に謳歌した経済の優等生のような面影はまったく消え失せていて、政治家も企業もやることなすことすべてが裏目。

街にはボディーに穴が開いた車が煙を吐きながら右往左往し、ヒッピーとも浮浪者とも区別がつかない若者がたむろしていました。

当時、アメリカで唯一光っていたのは自動車産業でした。

いくら落ちぶれかけていたとは言え、御三家と言われたGM、フォード、クライスラーはアメリカの繁栄と富の象徴だったのです。

しかし、そのアメリカ製の車は品質が悪く、ドアのノブはすぐ外れるし、エンジンはすぐ止まるし、ディーラーのメインテナンスはお粗末だし、自動車保険の支払いは渋り倒して、自動車産業自体が過去の栄光にすがるだけで倒れかけていました。

今の日本を見てみると、トヨタ以外に世界で戦える自働車メーカはなく、車検やメインテナンスはでたらめで、おまけに自動車保険は穴だらけ。

まさに80年代のアメリカをそのまま映しているように見えます。

アメリカも、当時学生が集っただけのサークルだったアップルやグーグルが、その後時流に乗って世界の富を独占する存在になりましたから、それと同じように日本もスタートアップと呼ばれる企業が成長することを期待しますが、期待するだけでは思うように成長しない可能性があります。

是非とも、国家の運命を賭けて近い将来の日本を背負っていけるような有望な企業を探り当てて、国家を上げて支援できるような施策を繰り広げていただきたいものです。