いじめはあって当然

宝塚歌劇での団員死亡によって劇団内のいじめやパワハラ、そして企業として過剰労働などの問題が発覚しています。

ジャニーズ事務所の問題と同じく、以前から上級生によるパワハラなどが何回か報道されてきましたが、一向に改善されないまま無視され続けてきた経緯があります。

パワハラやいじめについて、外部調査として法律事務所が認められなかったという結論を出しましたが、いじめはあって当然で、それをどう管理して抑え込むかが組織運営のノウハウです。

よく私立中学受験の説明会で、当校には「いじめはございません」と断言する学校関係者がおられますが、それはいじめを見て見ぬふりをしているか、よほど観察力がないかのいずれかです。

復数の人が集まれば必ず格差が生まれ、その結果僻みやいじめが自然に発生するものです。

そこから発生するパワーを今に別のものに向けるように指導するのが学校の役割であって、いじめがないと断言するのは教育として全くの素人と言うしかありません。

宝塚歌劇に関しては、これまで数十年来様々な報道がされてきましたが、いじめや叱咤激励の類は最低でも必要悪、普通はあって当然という扱いでした。

踏切や鉄橋で走りすぎる阪急電車に音楽学校の生徒たちが一礼をするという儀式は、何も電車の安全を願って運転士や車掌さんにお礼しているのではなく、もしかして乗っているかもしれない歌劇団の年長者にお辞儀をしているです。

軍隊の儀式以外の何物でもなく、現代としては異常です。

流石にこの儀式は最近ではなくなったみたいですが、いまだにいたるところで軍隊調の儀式が残っているところが伝統と言えるでしょう。

ただ、ジャニーズ事務所の場合も宝塚歌劇の場合でも、そのような噂は何十年も前からある訳で、それにもかかわらず若い人が入所・入団するところに問題があります。

最初はそのきらびやかな芸能界に憧れて盲目になっていて、気づいたときにはもう引き返せないということなのでしょうか?

この問題は、調査を担当した法律事務所と阪急電鉄の関係が明らかになったために、さらに泥沼化していきそうです。

阪急という企業グループは、関西地盤でチヤホヤされて放漫な経営をしてきたために、つけ入られる隙が多いです。

阪急と阪神が合体させられた事件もそうでしたが、危険管理能力にかけているきらいがあります。

ぜひ、今回の事件に向き合って、伝統に甘んじることなく改革に踏み切って、本当に清く正しい歌劇にしてもらいたいものです。

東北大学は裏切らないで欲しい!

世間では、ビッグモーターやジャニーズの過去の行為が明らかになるに従って、呆れるばかりの醜態を晒しています。

一部の企業で、しかもあまり程度が良いという噂が昔からなかった企業がやることですから、やっぱり悪さをやっていたのだなと、ある意味納得するところもあるわけです。

しかし、国際卓越研究大学に国内で唯一選定された東北大学で、いくつか綻びが報告されるようになってきました。

「一定の条件を満たしたときに認定する」という条件付きで選定されたこともあり、不備を指摘する告発などが増える可能性があるのかもしれません。

東京大学や京都大学を抑えての選定ということで一躍注目されましたが、10年雇用後の雇い止めが報告されたり、大学改革の看板である「テニュアトラック制度」がハリボテであったりと、足を引っ張るようなニュースが続いています。

何事にも競争相手がある事ゆえ、多少の大風呂敷はしかたがないのかもしれませんが、いかにもインチキが常習化している中古車販売業や芸能事務所とは違い、最高学府でアカデミックな国立大学でインチキ臭い話を聞くと、「東北大学、お前もか!」と言いたくなります。

条件付きで国際卓越研究大学に選定されたために、悪いニュースをぶちまけて引きずり落とそうと他の大学関係者が企んでいるとしたら、それはそれで恐ろしい話です。

昔は格式と品があって決して民を裏切らない組織や老舗企業があったように思いますが、法曹界、政治家、企業で目を背けたくなるような悪事が続いています。

競争が激しくなってくるとただルールを守っていては勝てないので、ギリギリのグレーゾーンでの勝負にならざるを得ないのでしょう。

しかし、社会が進歩するには、不安や恐怖を取り除いて、誰もが安心して暮らせるようにならなければならないと思います。

学術の分野で不安を感じる行為があると、学術の成果の信憑性にも疑問が生じます。

せめて学術の世界だけは、嘘や騙しから隔離されていてもらいたいものです。