女子の理系に関する話題

最近の新聞のニュースで、大学の理系学部で女子の特別枠を設けるという話があります。

私立大学だけでなく国立大学でも同様の話が相次いでいて、理系立国を再び目指すためにはできることは何でもやると行ったところなのでしょう。

これまた性差別だとかという議論が沸き起こるわけですが、少子化によってこれまで男子校・女子校と分けていた学校で男女共学に切り替えるところがありますが、それと逆行するように見えるかもしれません。

理系の志望者を増やすために特別な措置を取るのは仕方がないことかもしれませんが、そもそも理系に進みたい女子は特別枠がなくても理系に進むでしょうから、理系全体の女子率は大きく変わらないような気がします。

それより理系女子の特別枠を設けた大学では、女子が少ないために男子にも人気がなかったことが少しでも改善されれば、女子男子にかかわらず理系大学の人気が高まることに期待しているのでしょうか?

一方別のニュースでは、女子は理数系(算数と理科)が苦手と思い込んでいるが、実際の諸学校のテストの得点を見ると、女子と男子で顕著な差はなかったと言っています。

算数や理科のテストと行っても、小学校レベルのテストは暗記をすればできる問題も多いですから、理科系の素養が必ずしも反映されている訳ではないしょう。このニュースには、何か無理やり女子を理系に進ませようとしている裏心を感じてしまいます。

実際今の小学校や中学校の教育は、決してその教科を楽しく学べるような授業ばかりではありません。

特に小学校教育は、教師が好きでなく教え方もよく分かっていない教科を、無理やり分かったふりをして教え込まそうとしますから、理解を深めることより暗記中心になりがちです。

ぜひ、女子の特別枠を設けるという表向きの修正だけでなく、教育レベルの引き上げにつながるような施策を検討してもらいたいものです。

夏休みの課題の所有権

インフォシークニュースに産経ニュースの出典として「夏休みの課題は誰のもの?」という記事が掲載されています。

兵庫県の公立中学校での課題であった夏休みの自由研究で、生徒から提出された作品の返還請求に対して学校側が紛失したため、その作品の所有権を争った裁判が一審二審と右往左往しているそうです。

右往左往というのは、一審の地裁では生徒の所有権が認められたものの、二審の高裁では学校側に所有権があるとなって、現在は最高裁で争われているということです。

これほど基本的と思われる生徒が制作した作品の所有権に、裁判所の判断があっちやこっちやと判断しあぐねている様子は滑稽であります。

まあないことでしょうが、その生徒の作品が実はとても価値が高いものになったとしたら、地裁判決の2万円の損害賠償どころの話ではありません。

よく似た話としては、青色ダイオードで有名になった企業における発明・特許の報酬問題がありますが、最近では一定の報酬を社員に与えるだけで、特許そのものの所有権は企業に属するというのが一般的になったようです。

特許の場合は、それを得るための企業側の費用や援助が相応に考慮されるでしょうし、特許申請の折に事前に社員と企業が契約を結ぶことが習慣になっていますが、学校の個人作品の価値が重要視されなかったこともあって、作品の所有権を議論することもなかったのでしょう。

ただ中学生の作品といっても、将来はどんな価値を持つか分かりません。学校教育における所有権の根本的な考え方が、今回の最高裁の判決で明らかになるのを待つことにいたしましょう。