EV(電気自動車)の火災

オランダの公海上で自動車運搬船が火災を起こしたというニュース。

少し前には千葉県で輸入車のディーラーでEVが数台焼失したというニュースもありましたから、電気自動車の安全性について不安に思う人も多いのではないでしょうか?

アウディはこれまでも数回のEV車の火災対策を施していて、これでもか、これでもかと対策を講じてきたのですが、それでもまだ火災を起こす危険性が残されているのでしょう。

思い出してみれば、リチウムイオン電池が普及し始めた90年代に、数多くの携帯電話やMP3プレーヤーなどが火を噴く事故が相次いだことがありましたが、EV車になって電池の規模が大きくなったために、甚大な被害が発生するようになってきました。

電動アシスト自転車でさえ燃えさかると手を付けられなくなり、しかも水をかけて温度を下げる消火方法が有効でないため、燃え尽きるまで手の施しようがないということを、改めて気付かされました。

住宅の駐車場に停めたEV車が燃えだすと、すぐ横にある建物にも火が燃え移って、自動車と住宅を一気に失ってしまうという事態も想定されますから、EV車に対する火災保険を通常の自動車保険とは別に掛ける必要があるでしょう。

それでなくてもリチウムイオン電池の廃棄方法には問題があり、自治体なども回収をしないために、中国製などの安価なバッテリーを購入したがために、家庭にいつ破裂するかわからないリチウムイオン電池を多数抱えている人も多いのではないでしょうか?

そのうち古くなったリチウムイオン電池からの出火が原因で、日本のあちこちで住宅の火災が頻発するようになるかも知れません。

早く安全なリチウムイオン電池の廃棄方法を確立して、片っ端から古くなった電池を処分していかなければならない時期が来ているのではないでしょうか?

メーカーがドライブレコーダーを標準装備しない理由

最近は、事故のたびにドライブレコーダーの記録が精査され、事故の原因を探ったり他の事故の報道に画像が使用されることが増えて、ドライブレコーダーが必須アイテムになった感があります。

それほど記録を取ることに意味があるなら、とっくに自動車メーカーが標準仕様として装備していても不思議ではありませんが、今だに後付のオプションになっている場合が多いようです。

ドライブレコーダーと聞けば、同じ響きのものにフライトレコーダーがあります。

飛行機の各機器の状況や速度、高度や無線通信の会話を記録していて、墜落事故が起こればまずフライトレコーダーを回収して解析することが常になっています。

航空機事故は、自然環境によって起こることもありますが、航空機自体の欠陥や操縦士のミスが引き起こすことが多いので、フライトレコーダーから事故の原因を調査した場合、航空機メーカーの責任がはっきりするケースがあります。

現在のドライブレコーダーは、映像と音声だけを記録するに過ぎませんが、車に標準装備するとすれば、当然自動車の状態、例えばエンジン回転数やブレーキペダルの踏み圧、ハンドルの切り角やランプの点灯状態など、運転状況を記録することが求められるでしょう。

今よりコストアップする要因になりますし、自動車の設計ミスを如実に示す兆候も記録されることもあるでしょう。

長らくオートマティックの操作ミスと言われていた始動直後の急激なバック事故や、アクセルとブレーキを間違えたとされる事故が相次いでいましたが、それらがドライブレコーダーの標準化によって運転者のミスなのか、自動車メーカーの設計ミスなのかが記録されてしまいます。

自動車メーカーとしては、これまで適当に運転者の責になっていた事故の責任を負わされる可能性があります。

だからメーカー標準品として、ドライブレコーダーを付けたくないわけですね。

しかし、これほど注目を浴びて装着率が高くなっていますから、これからは標準装備化が否応なしに進められることでしょう。

自動車メーカーは、製品の品質データーが自動的に集められる機会と覚悟して、積極的に装備の充実を図っていただきたいものです。

リチウムイオン電池はリサイクルできない!

ちょっと前に東京の街なかで、電動アシスト自転車が燃え上がっているニュースがありました。

日常生活に溶け込んでいるリチウムイオン電池が、ひょっとしたことから火花が出ると、あっという間に燃え上がってしまうことを思い知らしめた事件でした。

これまでにもノートパソコンの電池が燃え上がる事件はたくさんありましたが、さらにワイヤレス機器が増えていますから、リチウムイオン電池の利用はますます増えていることでしょう。

更に、BEVと称して大容量のリチウムイオン電池を搭載した自動車が増えてきていますから、リチウムイオン電池の消費量はうなぎのぼりで、さぞかし大量の使い古したリチウムイオン電池の再生処理工場が繁盛しているのでしょう。

と思いきや、リチウムイオン電池の回収をしても結局焼却するしかなく、その結果リチウムなどの希少金属を回収するどころか、廃棄物として処理するしかないらしいです。

使用中でさえ火花が散ったら処置できない危険物ですから、安全に分解して再使用できる状態でリチウムなどを取り出すことは困難だということでしょう。

もちろん再資源化ができる方法を探ることはしているのでしょうが、現実的には焼却処理が基本だということのようです。

さらに悪いことに、回収するにも電池メーカーが主体となっていて、得体の知れないサードパーティ製の電池は回収さえしてもらえないらしく、かと言って生ゴミで排出するとどこで火を吹くか分からないという厄介者!

よくこんな危険で省資源でない製品を世の中に出したなと、今更ながら開発者の先見性のなさに呆れます。

製品として世界に供給するのなら、回収や再資源化まで考えて地球環境に対する影響を考慮するべきで、開発時にSDGsという考えが未発達だったとしても、すでにニッケルカドミウム電池が2次電池として環境問題を抱えていたのですから、もう少し賢く開発するべきでした。

さて、各家庭で眠っている使用済みの、しかも劣化した太ってしまったリチウムイオン電池はどうしましょうか?

あと数年もすれば、劣化して爆発するリチウムイオン電池による火災や汚染が、日常茶飯事になるかも知れません。

とりあえず今できることは、安定した再資源化の方法が実用化されるまで、これ以上リチウムイオン電池を使う製品を増やさないように、心がけるしかありません。(すでに遅かったかも知れないけど。)

スーパーコンピューターの日常度

スーパーコンピューターと言えば、「一番でなければなりませんか?」で一躍一般に親しみのある存在になりました。

確かに富士通の京や富岳が世界一になったのですが、世界一だからといって世界中から注文が殺到したとい言う話はなく、世界一になって「注目はされど、注文が来ず」と言ったところでしょうか。

以前、富士通に長く勤めた人と仕事で一緒になった時、富士通のCMOS技術によるスーパーコンピューターは、社内でも特殊な部隊で営業に目標があるわけではなく、利益度外視でやっている看板みたいなものだと言われていたことを思い出します。

スーパーコンピューターといえば、最近では新型コロナ禍のくしゃみ飛沫のシミュレーションが有名になりました。

これによってマスクの有効性が国民に知れ渡り、その後のマスク生活が定着するきっかけになりました。しかし、飛沫の軌跡についてはそれまでの常識を大きく外れることはなく、思っていたとおりに結果だったという印象があります。

くしゃみのシミュレーションをスーパーコンピュータで実行するというと、さぞかし理論的な計算に基づくものと想像してしまいますが、(実際は知りませんが)おそらく数多くの前提条件(Assumptions)が用意されていて、身長や肺活量、気温や気圧、口から出る呼気の初速度、鼻の穴の大きさ、口の中の唾液量、部屋の中の空気の流れ等、設定によって結果が大きく変化するような条件がたくさんあって、とんでもない結果が出たときはそれらを調整して、当たり外れのないような結果が出るようにしていたのではないかと勘ぐってしまいます。

最近では台風の進路を、世界中の研究機関が予測して地図上に軌跡を描いていますが、あまり突拍子もない結果はなく、概ね傾向が似ているのは、シミュレーションの精度がどれもよくて似たような結果になってしまうのかも知れませんし、突拍子もない方角に行かないようにパラメーターの設定で押さえつけているのかも知れません。

要するにスーパーコンピューターで予測をしても、あまりにも奇抜な結果には、世間が拒否をしてしまうのでしょう。ある程度根拠がありながら、奇抜すぎない結果が望まれているのです。

くしゃみの飛沫もそうですが、昔から予想していたのと同じ結果だとしても、スーパーコンピューターで予想が正しかったことが証明されるところに意義があるのでしょう。

「それでも地球は回っている!」みたいな常識を覆す新発見があっても、常識に沿った結果が出るように条件をいじってしまい、スーパーコンピューターから世紀の新発見が生まれるのは意外と難しいような気がします。

くしゃみ飛沫のシミュレーションのように、日常の出来事を証明していくことも地味ですが必要なことなのかも知れません。

ハードディスクに穴を開けてもダメ!

HDDの破片が3mmあればデータを再現できるいうニュース。

破片が3mmということは3mm角ぐらいのHDDの破片があれば、そこに記録されていたデータが再現できるというお話。

パソコンの世代が代わるたびに古いパソコンが処分されるのですが、ハードディスクのデータを消すのが面倒な場合、HDDの筐体にドリルで穴を開ければOKみたいな認識の方も多いかと思います。

確かにそのハードディスクドライブで読もうとすれば、ヘッドが正常に、つまりジャンボジェットが地上スレスレを飛ぶぐらいにヘッドが磁気面をなぞることができなくなれば、読み取りはできないというのが少し前までの常識でしたが、今はディスク面の破片が3mm各程度あれば読み取ることが可能だということらしいです。

もちろんそんな芸当が安くできるわけがありませんから、価値のあるデータを盗む目的があるような人と盗む価値のあるデータの場合に限るでしょうが、この手の犯罪も生産性が日増しに上がっていきますから、廃棄処分になったHDDはすべてこの手法で読み取られると考えたほうが良いかも知れません。

となると、やはり磁気面に0と1を何回も書きなぐることを繰り返すのが、一番安全なような気がします。

しかし、大量に廃棄ディスクが発生するデータセンターでは、そんなに何度も書きなぐる暇はないでしょうから、いきおいディスクのシュレッダーを施すのでしょうが、3mm以下にするとなると難しいのかも知れません。

個人で使っているパソコンの場合は、それほどまとまったデータがあるわけではありませんが、マイナンバーカードのように国家に集中するようなデータの場合は、ハードディスクの破片に何万人分の健康保険証番号が記録されているかも知れません。

データセンターのサーバの廃棄処理は、以前からいい加減な手続きがまかり通っていましたから、厳重な罰則を含む法律で規制をするべきでしょう。

マイナンバーカードのように1枚で何でも情報を集めてしまうと、今後色々な情報が漏れて犯罪に利用されることが頻発する可能性があります。

マイナンバーカードを普及させるに当たって、デイスクの3mm破片でも情報漏洩が起こらないという証拠を示す必要がありそうです。