USBメモリーの功罪

はっきり言ってUSBメモリーは失敗作でした。

なくても良かった、なければ良かったというほど酷い製品でした。

データを無セキュリティで持ち歩くという愚かなことを、利便性と言う名の怠惰な行動で正当化したIT史上トップクラスの過ちでした。

私はコンピューター製造業にいた頃、USBメモリーが普及し始めた頃にすぐに社内持ち込みが禁止されましたから、お客様がUSBメモリーを持ち出してファイルのコピーを依頼されたときはたまげました。

確かにそれまでにもフィロッピーディスクという持ち運びができる外部メモリーがありましたが、時代がまだセキュリティに目覚めていない時代でした。しかも容量が小さかった!

しかし、USBメモリーは価値のある情報を盗めるほど容量がありました。

その後、セキュリティキー付きのUSBメモリーが登場しましたが、そんなめんどくさいキーを有効化する人はほとんどいませんでした。

結局USBメモリーメモリーは、不用意にデータを持ち出す人々に愛用され、数々の機密情報の意図しない開示に結びついたのです。

その被害金額がいくらかは誰も計算しないでの分かりませんが、とにかくUSBメモリーがITの分野で不用意なデータの持ち出しを奨励したデバイスであることに疑いはありません。

そんなことを言えば、SDカードのCFカードも同じじゃないかと言う方がおられるかもしれませんが、中のデータが違います。

とにかく、今手元にUSBメモリーをお持ちの方は、まずその中のデータを削除するか暗号化するかしてから、寝るようにしていただきたいものです。(寝るんかい?)

20代には通じないIT用語

「20代には通じない『パソコン・IT用語』死語ランキング」なるものが発表されたらしいですが、なんと1位は「フロッピーディスク」だったそうです。

大差をつけて一位だったそうですが、ディスケットなら知っているなんてことはないでしょうね。(ない、ない!)

80年代からパソコンが普及し始めて、現在までの間に様々な技術が登場しては、後から新しい技術に置き換えられることを繰り返しましたから、今となっては懐かしかったり忘れ去ってしまった技術もたくさんあるでしょう。

フロッピーディスクにしても、初期のパソコンはメモリー容量が貧弱だったために、フロッピーディスクが主記憶装置みたいなものだったので、データだけでなくOSやプログラムもフロッピーディスクに入れていましたから、当時は誰でも大事に保管していたものです。

今でもたまに研究所などで、装置の起動ディスクに5インチのフロッピーが使われていたりして、起動できなくなったときに原因を調べたら、フロッピーディスクがすり減って磁気面が透けて見えるほどになっていたという話もあります。(経験者)

いわゆるメディアというのは普遍的なものが望ましいわけですが、実際は技術の進歩によって真っ先に作り変えられる運命にあります。

VHSやベータのビデオテープに記録していたものが、暫く経つうちにビデオデッキの生産が終了していて、再生すらできない状況になってしまった方も多いのではないでしょうか?

最近になってやっとDVDに焼き直して観てみたら、画質が悪すぎて見るに耐えなかったということもあります。

昔のカセットテープや写真フィルムも、大事にしまっておいても再生できませんし、無理やりデジタイズをしても結局見なかったりします。

フロッピーディスクのように現行技術もいずれ捨てられ忘れられるでしょう。

時の移り変わりとはなんと無情なことなのでしょう!