検索と生成AI

何十年も前から人口頭脳という言葉はありましたが、SFかどこかで研究しているのだろうと言う程度の理解でしたが、数年前から現実の世界に取り入れられるようになって、いわゆるコンピューター業界が揺らぎ始めました。

大学生がレポート制作に使うと、その破綻ない文章処理能力と自然な文体に、教員は生成AIが作ったかどうか判断できなくなりました。

これが詐欺に使われると、これまでは日本語の稚拙な文章ですぐに偽物と判断できたのですが、文章だけでは本物と見分けがつかなくなって厄介な問題になっています。

最初のうちはまだまだ回答にばらつきがあったり、間違ったことを主張してきたり、その完成度に疑問を持ってまだまだ実用化には程遠いなどという意見もありましたが、1週間経てば別の新しいモデルが供用されるぐらい急速に進歩してきており、人間が行ってきたかなりの能力を追い越すのは時間の問題というより、すでにかなりの部分で抜かされております。

とは言っても、生成AIのモデルはインターネット上に存在する情報をかき集めているわけですから、確かにその中には誤った情報もたくさんあって、それ故に生成AIが間違うことも当然と言えば当然なわけです。

でここから本題になるのですが、基本的にインターネット上に構築されたウェブサイトは、おそらく検索サイトから誘導されてブラウザーで人間が直接見るわけですが、生成AIは検索とサイト閲覧の工程をすっ飛ばして結果だけを人々に回答することになります。

これはこれからの動向に依るところですが、検索より生成AIによるインターネットの情報収集が大勢を占めるようになってくると、ウェブサイトの作り方も変わらざるを得なくなります。

以前なら検索サイトの上位に表示される秘訣(SEO)などが流行りましたが、生成AIの受けが良いサイトの作り方というのが必要になってくるでしょう。

そこで問題になるのは、広告をどうやって差し込むかということです。

そこにもはや広告を入れる余地がなければ、生成AIの使用料という形で徴収することが考えられますが、その場合はサイトの制作者はどうやって広告料を手に入れるのでしょう?

生成AIがインターネットビジネスの根底から変えてしまうかもしれません。

生成AIでなくなる職業

折につけてAIが話題になりますが、相変わらず日本ではまがい物扱いをされて、なかなか実業務での採用に至らないケースが多いようです。

「初物は信用ならん!」という老害があいも変わらずはびこっているようで、その有効性の検証や効果的な運用方法を考えるという取り組みをしないで、食わず嫌いのまま時代遅れになってしまう経営者が多いのでしょう。

まあ、日本国内だけならどこも真剣にAIを採用しないでしょうから、どんぐりの背比べで差がつかないように見えるのでしょうが、うさぎのように跳躍していく世界企業から見ればのろい亀であることには違いありません。

昔話ならうさぎは油断して休憩するのですが、最近のうさぎは休憩をする時もAIを動かし続けますから、差が広がるばかりです。

まあ、差が広がりすぎて見えなくなってしまえば、どれだけ遅れているのかさえ分からなくなりますから、これはほぼ「デジタル鎖国」と言えるでしょう。

最近までAIによって消えてしまう職業に、スーパーのレジ打ちやトラックの運転手などが挙げられていましたが、実際はAIによって高給取りのコンサルタントが真っ先に消えてしまうのは疑う余地もありません。

その次は、コンサルタントに自分の本来の仕事を任せていた社長でしょうか? コンサルタントも社長も人間である必要はありませんから。

会長は業界人との付き合いが必要ですから、人間でなければなりません。AIは飲み食いができませんから。

意外とスーパーのレジ打ちやトラックの運転手は、職業としてしぶとく残ってしまうような気がします。思ったより全て機械化するのにお金がかかりそうです。

それに比べてデシジョンメーキングなんてデジタルだけで完結します。

コンサルタントと社長がいなくなれば、企業としてもこれまで高い経費を払ってきましたから、一番経費削減には有効でしょう。

真っ先に抹殺されるのは、無駄に高い経費からということです。

コンサルタントと社長の皆様は、どうぞお気をつけて!

予約が必要というのなら

2025年大阪万博が開催されて異習慣もすぎると、いろいろと会場の不備について指摘が出てまいります。

その一つが「行列なしに見られる」と言いながらも予約なしでも見られますと宣伝するあたりが、「どっちやねん!」とツッコミを期待しているのではないかと思ってしまいます。

個人所有のスマホに頼った予約システムも中途半端な印象がありますが、予約すれば並ばなくてもスムーズに見て回れますというのなら、予約システムの完備と、予約したら必ず拝観できることをコミットしなければ意味がありません。

意気込みが足りない!

ところで予約すれば並ばなくても良いと豪語するなら、以下のようなシステムが用意されるべきでした。

  1. 入場券の予約するときに、希望をChatGPT的に入力する。
    • 万博で何がしたいか?
    • 1日でどれだけのパビリオンを見て回りたいか?
    • 1日の予算?
    • 同行メンバーとその属性?
  2. 入場券の予約と同時に以下の予約を完了する。
    • すべてのおすすめのパビリオンの予約と時間設定
    • それに合わせた昼食場所の予約やメニューの紹介
    • 各パビリオンを効率的に回るルートの案内
    • 現地での時間管理と実際のナビゲーション

予約すれば並ばないというからには、これぐらいできるシステムを用意するべきでしょう。何も未来ではなく、数年前から実用化されている技術を適当に組み合わせればできます。

このシステムが構築できないところに、日本企業の開発力の無さ、インターネットやクラウドシステムの技術力の無さがにじみ出ています。

今回の万博で非常に残念なところです。

日本のシステム開発技術が、USや中国に劣っているのが如実に現れていると思います。またとない機会である万博で、このような技術を紹介できないにも関わらず、「予約すれば、、、」というキャッチフレーズを不用意に出してしまうところに、日本の技術の危うさを感じます。

今回の万博は開催前のゴタゴタが多すぎて、開催さえできればそれでオッケーみたいな風潮が政治と行政に満ちあふれています。

お荷物の埋立地の利用方法が見つかったというので安堵したのかもしれませんが、開催するには万博としての体裁を整えてもらいたかったという印象を強く感じました。

スマートシティとは?

皆さん、スマートシティってどの程度、理解と期待をされておられるでしょうか?

最近、仕事上の必要性からスマートシティに関するソフトウェアを調査しているのですが、その肝となるのがFIWAREです。

フューチャー・インターネット・ウェア(Future Internet Ware)という、分かりやすいと言えば聞こえは良いですが、昔から「フューチャー~」というものにはろくな物がありませんでしたから、あまり大きな期待は禁物です。

都市の機能をITによってスマートに解決するということのようですが、都市の機能って何でしょうか?

最近の話題だと下水道の老朽化の問題がありますが、ITでは到底解決できない大問題が地方自治体には溢れています。

スマートシティを目指すには、これらの問題を解決する方が重要だと思うのですが、それはさて置いて(さて置く訳には行きませんが)、一方でスマートシティを目指す活動が日本に限らずEUを中心に盛んになってきております。

その根底には、GAFAによって世界中のデータが牛耳られているのに対抗して、EUがデータ管理の覇者を目指すという目論見があるようです。

確かに今は何でもググればたいてい必要なデータを探すことができますから、データを牛耳られてその恩恵は一部の巨大IT企業のものになっているのは確かです。

しかし、都市とスマート化してそこからデータを吸い上げたとして、Googleが香竹したデータベースに比較して価値のあるものになるでしょうか?

地方自治体で活用が進められているのは、地方の自然災害や災害発生時の避難に関するデータの収集で、それらは公共事業としては価値があるかもしれませんが、そこにいくら投資したところでなにか価値を生み出して人類が幸せになるとは思えません。

単に意味がなく捨てることもできない大量のデータを保持するために、巨大なデータセンターのリソースに税金を費やして、一部のIT企業を潤すだけに終わってしまうように思えます。

FIWAREをの実証実験を4年間に渡って行ったらしいですが、結果としてデータの提供が十分でなく、また提供されたデータを流通して活用することはできなかったそうです。

何事も最初から成果が出るとは限りませんから、まだまだこれから改善できる可能性は否定できませんが、ただ単にデータを提供してもらってデータベースを開放すれば、人が喜んで自然に集まって来るというのは幻想であるということを理解すべきでしょう。

スマートシティの筋書きを、しっかりと考え直す時期に来ていると思います。

災害をハイテクでサポートできるか?

日本に住んでいて、日本は安全な国だと思っている方が大半だと思います。

しかし治安はともかく、災害に関するリスクは世界の中でも結構高いようです。

そこで災害を想定した避難訓練が各地で実施されているのですが、その中で最近流行のスマホとAIを使った避難ナビゲーションなるものが注目されています。

最近ニュースで見たのですが、デジタル放送中のテレビ画面に災害状況が表示され、地域ごとにアレンジされた適切な避難場所が指示されるらしいです。

またリアルタイムな避難指示がスマホやタブレットから出されるので、それを見ながら指定された避難場所に家族が集まるという仕組みです。

確かに阪神大震災のときに、被災した家屋にいた家族がどこの避難所にいるのか、近所の人に教えてもらって避難所になっていた幼稚園で再開できたという話を聞いていますから、災害後に家族が居場所を探すときに、何らかのシステムで情報が共有できれば良いのは確かです。

しかし、家でテレビを視聴していて、災害時にテレビ放送が継続して電気も止まらない想定では、そもそも避難する必要がないかもしれません。

電気やガスのインフラや、通信網が十分使える状態を想定した避難訓練もある程度意味があるのかもしれませんが、少なくとも阪神大震災のときにはせいぜいラジオしか情報を得る手段がなかったのですから、携帯電波が機能する前提の非常時システムは意味をなさない可能性が高いのではないでしょうか?

確かに近年は通信網の整備やスマホの進歩にゆだねられる事が多いので、何か新しいことを考えようとすると、どうしてもスマホや携帯電波網に頼らざるを得ないのかもしれません。

しかし、災害時に一番障害になるのはインフラの崩壊です。

電気、ガス、水道がない状態で如何に生活を続けることができるかを考えなければ、いつものように何でもスマホが答えを出してくれると考えてはいけません。

できるだけ原始的で、乾電池数本で可能な程度のローテクで構築することが、災害時のシステムに求められているのではないでしょうか?