ガスコンロの交換

昔は家庭の設備の中でコンロと言えば、最も単純で壊れにくいものでした。まあ水道栓と同じぐらい頑丈だったのではなかろうかと。

しかし、ご多分に漏れず昨今は電子化が進んでまいりまして、タイマーや温度センサーが装備されてくると他の家電並みに壊れやすくなってきました。

というわけで、我が家の10年選手のガスコンロも、温度センサーの異常で着火できないバーナーが出てまいりまして、特にガス機器の故障は危険な事故が発生する可能性がありますから、比較的速やかに交換する決心がつくわけです。

ですが色々新しい機種を調べてみますと、10年前よりさらに高度な機能が付け加わっておりまして、外観はほとんど同じでも機能と価格に大きな差があったりします。

その新しい機能というのも、炊飯機能だったりケーキを焼く機能だったり、まだ全体を把握できておりませんが、炊飯器やオーブンでしかできなかったような機能がてんこ盛りになっています。

つまりガスコンロの進撃状態になっているのですが、当然オーブンレンジもガスト電気の両方のエネルギーを駆使して調理器の王様の地位を目指していますし、炊飯器も米だけでなくおかゆやシチューやこれまたケーキまでもが守備範囲になっています。

つまりそのどれか一つの調理器具があれば、少しの工夫でほとんどの料理に対応できるようになっているのです。

昔SFで見た全自動調理器も近づいているように思いつつ、新しいガスコンロの点火方法が分からず説明書を読み始めるのでした。

国策半導体会社はおそらく失敗する

政府が投資して新しい半導体設計会社「ラピダス」を作るというお話。

50年ぐらい前にコンピューターでも同じことをやって、うまく行った記憶がある人が言い出したのでしょうか? (本当にそれがうまく行ったかどうかは、今更分からないですが、、、)

国内の半導体メーカーが危うくなったときから、何度も国の支援で半導体企業の再生を試みてきましたが、誰の目から見ても税金の無駄遣いだったのではないでしょうか?

いくら税金を投入してテコ入れしても、それまでに半導体企業で失敗した経営できない人たちに任せても同じ轍を踏むだけ。

それこそ一気に異なる分野の人材をトップに据え付けて、例えば日航の復活に貢献した稲盛氏のような大胆な人事を行わなければならないでしょう。

そもそも、台湾TSMCを誘致して工場を作っている最中に、さらに別の半導体設計会社を作ってそれにも投資をすると言います。

TSMC、つまりファウンドリーは製造会社で、他社が設計したマスクレイアウトを受け取って半導体チップの製造を請け負う企業であり、かたや今回話題の「ラピダス」はマスクレイアウトを作る半導体設計会社です。

これら2つを同時の分野で世界に打って出るには、20年遅かったように思います。手に負えなくなった日本メーカーのメモリーやロジックチップ部門を合体させたときにしておくべきだったでしょう。しかも投資金額が小さい。

特にラピダスに出資参加する企業は、昔の半導体企業懇親会だったSTARCと同じノリで参加しているとしか思えません。とりあえず乗り遅れないように参加費だけ払っておこうと。

半導体設計はいわば企業の秘密の塊ですから、1つの企業ですべての企業の設計を引き受けるということにはならないでしょうが、おそらく高騰する半導体設計ツール、例えば何億もするCadneceやSynopsysのツールを共同で所有すれば安くなるという算段が、今回の提携の本音のような気がします。

まあ今後の追加投資と本気になるかどうかで成否が決まるでしょうけど、投資額も本気度も十分だとは思えません。「ばらまき」の一つで終わらなければいいのですが。