日本製自動車が韓国製に負け?

ついに韓国の賃金が日本を追い抜いたらしいです。

賃金比較には為替やなにやらいろいろ考慮することはあるでしょうが、そんな細かい話ではなく、90年代は日本の3分の1と言われていましたから、ここ30年の間に3倍もの差を追いつかれてしまったわけです。

韓国が経済的に世界を席巻しているわけでもありませんから、日本の低迷ぶりが悲惨なレベルであるということでしょう。

CarWawというイギリス発の車に関する情報を発信しているYouTubeチャンネルがあります。

そこでBest SUVと題して、ヒュンダイ、キア、とともにホンダのヴェゼルと日産のキャッシュカイを比較した動画がありました。

値段も韓国製の方が少しばかり高いです。正に国民の賃金と同じ!

それでも日本車の評価が高ければ良いのですが、細かい評価を見てもルックスを見ても日本車は韓国車に見劣りがします。

結果はキアの勝ち!

このチャンネルは、比較的正直に新車の評価をするのが有名です。日本のチャンネルは、やたらドイツ車ばかり褒める事が多いですが、CarWawは結構ガチで評価をしていて信頼性が高いと思います。

これは韓国車に限らず、30年前のシュコダが今やフォルクスワーゲンとほぼ同じ出来栄えですから、日本車が30年前と同じ程度なら見劣りして当然です。

海外の自動車産業は日本人が考えている以上に進歩しています。(日本人が寝ている間に!)

キアは30年前はトラックしか作っていなかったように思いますが、今や日本車を脅かす存在になりました。

このままではトヨタ以外の日本車の国際的な競争力は、技術面でも資本面でも勝ち目はありません。

日本は今更になって半導体にテコ入れをしようとしていますが、稼ぎ頭と思われていた自動車産業も放ったらかしにしている間に、トヨタ以外は携帯電話と同様のガラパゴス状態です。

すでに手遅れの半導体にテコ入れする前に、早い目にテコ入れしなければならないのではないでしょうか?

これからのEV専用車

トヨタが、躍進凄まじいテスラの車両を分析して、電気自動車(EV)はやはり既存の車の作り変えではなく、専用の車体を一から作り直さなければ太刀打ちできないと判断したそうです。

テスラも最初の頃は、金持ちの道楽に過ぎないスポーツカーのイメージがあって、量産車を開発するメーカーには見えなかったのですが、テスラ3ぐらいから価格に見合うだけの圧倒的なパフォーマンスを示し、車としての性能も実用に即したものになってきて、世間のテスラを見る目も変わってきたように思います。

おそらく、その頃からベンツやその他の自動車会社から引き抜いたエンジニアが設計に加わったのでしょう。車の基本性能を高めるための設計を忠実に行なった結果、これまでのどのエンジン車やハイブリッド車では叶わない性能を持つ高性能車になったようです。

どうしてもこれまでの自動車メーカーがEVを作る場合、社内の常識や既存の設計や部品の流用によってコストを下げようとします。

しかし、そんな中途半端なコスト削減より、一からやり直したほうがもっと大きな削減が可能で、過去のしがらみがなく性能を追求することができると判断したのでしょう。

ハイブリッドは、トヨタが特許を開示したこともあってか、海外メーカーでも盛んに採用されてきましたが、一方でEVに特化したモデルの開発も進んでおり、これから普及機を迎えるEVで覇権を取るにはこれから数年が勝負どころとなりそうです。

テスラは、性能を重視した設計でスポーツカーのような車を揃えていて、それなりの価格でも性能が良ければ買いたいという購買層に絞った販売戦略のようです。

しかし、世界中の人がすべて高性能車を欲しいわけではなく、安全性、低価格、高寿命など車に期待する性能は様々です。

過去にも日本車は、低燃費や耐久性で世界をリードしてきましたから、日本のメーカーが培ってきたこれらの設計技術は、EVになっても十分に活かすことができるでしょう。

また、最近の車は各種電子機器によって、駆動系がコントロールされて、エンターテインメントも含めてかつて日本が得意だった分野の技術が、これまで以上に詰め込まれています。

今こそ、日本の自動車メーカーや電機メーカー、精密機械メーカーなど世界一流の技術を持ち寄って、テスラを超える、あるいはテスラと並ぶ別の価値観を持ったEVを創出してもらいたいものです。