ChatGPTと占い師

ChatGPTについて、全く知らないか試したことがないという経営者が大半を占めたとのこと。どうして会社の先頭に立つ経営者が、社会や技術の先端のことに興味がないままで済まされるのか甚だ疑問です。

まあそのような経営者が多いから日本が傾いてきたのでしょう。海外でも同様の経営者がいたら企業や社会は傾くのでしょうか?

最近ChatGPTの繰り出す文章に触れていると、かつて知っていた人にとても似ていると感じました。それが誰かと考えて気付いたのが、2つ上ぐらいの上司、つまり課長の上の次長ぐらいの人に多かったかなと。

ChatGPTばりの論調の名手です。

世間を知ったかのように広い見識を持っているように見えて、実は実体験に基づくものはほとんどなく、人からの聞き伝えをつなぎ合わせただけの薄っぺらい論理。

既成事実を並べているだけなので反論する余地がなく、如何にも正論を語っているように見えますが、新たな知恵やアイディアは微塵もないので話す内容に価値がありません。

このような人が何となく分かっている人のように見えてしまって、知らない間に出世してしまうのです。

で、この類の人は自分の考えがありませんから、人から批判されることもなく、しかし何となくデキる人という立ち位置に着けるのです。

これは正に占い師と同じで、全く世界を掌握しているわけでもないのに、人の言葉尻だけを繰り返して語るだけで、なぜか人の将来をお見通しであるかのように見えてしまうのです。

ChatGPTの本質はインターネットのまとめサイト!

しかし、これは「知能」とは違うと思います。

それを人工的な言葉としてまとめるアルゴリズムが、これまでにない人工的な感覚を醸し出しているだけで、そこに人工知能と呼べるべき知恵やアイディアはありません。

まあ、まとめサイトの情報とオリジナルアイディアを区別できないのですから、ChatGPTに知能を感じる人がいても不思議ではありませんが、まとめサイトを読んで「なんでも知っている賢い人が書いているのだな」と感心しているのと同じではないでしょうか?

そう考えればテレビで引っ張りだこで博学多識の池上彰さんも同じで、いろいろな知識が頭の中に溜め込まれているからこそ、いろいろな状況で正しいような回答をとっさに出すことができるのでしょう。

知識と知能は違う!

人口知能と言えるには、まだ乗り越えなければならない壁があるように思います。

いつからシステム部門を外注するようになったか?

いくつかの企業で働くようになって驚いたことの一つに、インターネットの利用があります。

インターネットというと「インター」と付いているから何となく「インターナル」をイメージして内側にあって安全なもののように感じませんか?

しかし、実際は完全な「アウト」ですから、そこに何が潜んでいるか全く分かりません。

以前いた企業では、社内のメールは専用回線でやり取りしていたので、VPNで安心して社内のメールをやり取りしている企業は大丈夫なのかと思ったことがあります。

メーラーも無料で使えるアプリケーションを自由に使っていて、それでは社内の機密を守れるはずがないと思ったものでした。

それがベンチャーや中小企業がやっているならまだしも、世界に名だたる電機メーカーやコンピューターメーカーでさえそのような体制ですから、日本企業の企業機密がダダ漏れでも仕方がないなと。

更に最近になって、企業のシステムをAWSのクラウド上で構築する動きに加えて、政府のシステムもAWSに乗っけるという大胆さ!

国内に有力なクラウドサプライヤーがいないから、仕方がないというのは分からなくはないですが、それならクラウド以外の方法を選ぶべきですし、LINEを使った公共システムの計画に至っては、政府はセキュリティについて何も考えていないのだなと逆に納得してしまいます。

コンピューターを使ったシステムが生活に深く入り込んで、それほど普段意識をするものではなくなってきているのは確かですが、それだけ生活を脅かす機密漏洩が起こりやすくなっているのですから、データの管理体制はクラウド任せにせず、二重三重に厳重な監視ができるようなシステムを組んでもらいたいものです。