自動車にそんな重装備必要ですか?

最近、賃金が上がらないのに物価が上がって、生活がどんどん苦しくなっていると言う話をよく聞きます。

確かに輸入関税が下がったというので、フランス産のワインの値段が下がるかと期待していても、結局関税の値下げ分は反映されずに、円安の影響だけが反映されて値上げされてしまいました。

値上げはなんだかんだ理由をつけて正当化される傾向があります。

ところで、高くなったと言えば自動車です。

よく安全装備が充実したためことが、自動車価格の上昇の理由に挙げられることがありますが、それならば電化製品、例えば液晶テレビなどは大画面になっている割には、価格はかえって安くなっていたりします。

そのために国内の電機メーカーが青色吐息で、以前の繁栄は見る影もありません。

これは大変不思議なことですが、中国や韓国の価格競争に巻き込まれた結果だとしたら、経済競争に負けたとして諦めるしかないでしょう。

ところで、自動車の高機能な装備って、本当に必要ですか?

百歩譲って地図が読めない人にカーナビは必需品だとして、クルーズコントロールや車線逸脱警報、トラクションコントロールやヒルでセントコントロールなど、ほとんど装備されていることを知らない人も多いのではないでしょうか?

もっと言えば、エアコンがあればパワーウィンドーはいらないと思いますし、パワードアーや雨滴センサーワイパーは完全な贅沢品です。

さらにABSも使うことはほとんどなく、これがないと安心して車が運転できないというスピード狂はクルマに乗るべきではありません。

そもそもオートマティックになってから、自動車の車速に対応できない程度の運動神経の持ち主が車を運転するようになったのが大問題です。

いっそこれらの装備をなくした車がどこかのメーカーから出てきて、それでも十分だというユーザーが増えてくれば、これまで当たり前だと思っていた装備が、実はほとんど活用する機会がない過剰なものだったと気づくのでしょう。

安全のための装備は、もっと安く手に入るのではないでしょうか?

国策半導体会社の行方

日本の主だった産業の会社が共同で設立し、日本政府も大金を投入しようとしている国策半導体会社「ラピダス」。

北海道に新工場を建設して、かつて半導体技術で世界を席巻した日本の技術を再びという目論見でしょう。

何より半導体生産では台湾のTSMCは圧倒していて、難しい半導体は任せておけば良いという風潮だったので、国内の半導体メーカーがどんどん生産から撤退してもお構いなしだったのですが、急に「中国が台湾を併合したらどうする?」となって、米国も日本も自国生産拠点の整備を急いで始めたということでしょう。

半導体を「産業のコメ」と呼んだのはかなり昔のことになりますが、半導体がなければ話が始まらない産業は多岐に及びます。

国内の自動車産業を守ろうとしても、半導体の供給を中国に頼ることになってしまっては足元からすくわれてしまいます。今になって「産業のコメ」という言葉の重要性に気づいたということでしょうか?

しかし、2nmのテクノロジーを米国から調達して生産に特化するようですが、日本企業はここのところ最新半導体技術から遠ざかっていますから、人材や品質管理体制を整えるのは容易ではなさそうです。

国産航空機の頓挫のようなことにならないように、注意深くしかし大胆に突き進んでもらいたいものです。

最近の半導体関連のニュースでは、九州のTSMC関連の新設工場も話題ですが、生産設備の話ばかりで設計技術に関する話題がありません。

製造にはそれなりの技術が必要ですが、さらに設計には付加価値を付けるためのノウハウが含まれますから、そろそろ設計に関するニュースを聞きたいところです。

半導体設計に関してもここ20年ぐらいは撤退の話ばかりでしたから、すでにかなりの技術が失われているかも知れませんが、ラピダスの最新の製造技術が活かせるように、世界で勝負できる設計技術を生み出してもらいたいものです。