AIは知ったかぶり(1)年末調整

AIが将来、人間の仕事を奪うという話がだんだん現実的人っていて、これまでテクノロジーで犠牲になってきたブルーカラーだけでなく、ホワイトカラーにも矛先が向いてきました。

ただ最近のニュースを見ていると、人間の能力が低下してきているのではないかと思えるような事件も多く、AIのや自動化をもっと早く進めないと人間の生活に支障が出てくるのではないかと思ってしまいます。

時に年末調整の時期が来て手当の過払を払い戻すことになり、それによる所得税額の計算を複数年に渡ってやろうとしたのです。

ところが、事の複雑さにうんざりして、これはAIに任せるに限ると各種控除や税率の計算を任せてみたのでした。

そもそも所得税の計算が複雑になっているのは、今年、来年と続く所得税制の変更が原因なのですが、毎年控除額が変わったり、扶養控除がなくなったりと、以前からの常識が通用しなくなっております。

GeminiとChatGPTを並行して試してみたのですが、こちらの条件を入れた文章をうまく読み取って、複数年の控除額や税率をうまく組み合わせて、表形式で結果を出してくれます。

あっという間に比較して計算結果を出してくれるものですから、これからはAIにすべてお任せだなと思ったところ、今年から施行された控除額を誤って計算している箇所があります。

この点を指摘すると、AIは「うっかりしておりました」とすぐに訂正した結果を表示してくれるのですが、再び確認すると子供の扶養控除が以前のように引かれています。

どうもAIはそれらしく速く計算することは得意なのですが、正しく計算することは苦手のようです。

人間でも、何でも知っているような顔をして得意顔で説明するも、肝心なところで抜けている人っていますよね。

まさにそれです!

雑談する相手としては良いのかもしれませんが、明らかに正解がある問題の答えを導き出すには、まだあまり期待してはいけないようです。

複雑な問題を理解して、その答えを迅速に導き出すのは見事ですが、あくまで正確性はいとわない、おおらかな態度が必要なようです。

テクノロジー軽視の日本

日本のテクノロジー関連の貿易収支が、数十兆円いや数百兆円の赤字だというニュースがあります。

日本がいくら自動車などの製品を一生懸命作って輸出しても、USの巨大IT企業に支払う利用料が巨額で、トランプ氏が言っているほどUSの赤字は厳しくないのです。

スマートホンがアップルとグーグル、パソコンがマイクロソフトと、誰でも容易にUSに貢いで事に気づきます。

自動車のような最終工業製品なら、それを買わない人は貢がないわけですが、スマートホンやパソコンのOSとなると、産業だけでなく普段の生活からビッタリ沼にはまり込んでいますから、否応なしにUSに貢まくっているということでしょう。

それを受けて、よくなぜ日本がテクノロジーの開発でUSに負けているのかという疑問が出てきて、やれ理系をもっと増やせなどという方向に議論が向きがちですが、おそらく理系の優越などはそれほど影響せず、投資の考え方や政治的戦略などが決定的に違うことが影響しているのだと思います。

とくに最近の企業経営は株主重視が顕著で、たかが数年株を保有するような株主にへつらうために、長年ともに歩む従業員の給与を低く抑え、その結果従業員は転職を繰り返し、企業の業績は頭打ちになってしまうのです。

要するに日本では、USのような投資を短期で繰り返して成長していくという方法論は向いておらず、長く丁寧に仲間と一緒に育てていくという方法論が向いているのでしょう。

逆にUSの人を見ていると、「長く丁寧に」がいかにも相応しくないわけで、一発逆転を狙う方が性分にあっているわけです。

90年代は株主優先、経営者優遇を打ち出して、良い株主と良い経営者を集めると企業は成長すると考えましたが、それは日本には相応しくなかった愚策だったと反省して、日本的な企業経営、経営者も従業員もともに成長でいるような産業構造にしていかなければなりません。

AI閣僚にAI俳優

またAIの話になります。

AI閣僚やAI俳優と聞くとなんだか味気がないと感じる人も多いでしょう。なんせまだ実績がありませんから、その良さを判断する材料がありません。

1年か2年ぐらいの試行期間は必要だと思いますが、AIが代わりになったときのメリットとデメリットが列挙されるようになると、その評判がまた新たな評判を読んで、人気俳優が一流の仲間入するときと同じ様に、世間のAIに対する定評が近いうちに形作られるかもしれません。

政治家にしても芸能人にしても人間には良いところと悪いところがありますから、これまでも散々人間の汚いところや自分勝手なところを露呈して失脚してきた有名人は、枚挙にいとまがありません。

自動運転でもそうですが、AIは人間の平均値を狙っても評価されず、最高のレベルの人間と同等であることが目標となります。

多少人間の仕事の代わりができるようになったとしても、常にあるレベル以上の人間を上回らなければなりませんから、技術的に難しいことであるのは確かでしょう。

しかし、一旦優秀な人間のレベルに達してしまえば、優秀以下の人間には用がなくなってしまいます。これは恐ろしいことです。

特定の技能だけがAIに置き換わるだけなら良いですが、仕事で使う人間の能力にはそれほどバリエーションがあるわけではありません。

AIに置き換えられる職業をリストアップするより、AIがでは絶対に置き換えられない職業を選ぶ方が簡単かもしれません。

人々がまだAIの全部の可能性に気づいていないうちに、AIでに絶対できないスキルを獲得しておく必要があるかもしれません。

AIの文章力

最近、時間に余裕があるときは、仕事でメールを出すときにAIで添削してから送信するようにしています。

大した量でもないメールでも、数か所の誤字や表現の曖昧さを指摘されます。私がそれだけ普段、いい加減な文章を書いているということなのでしょう。(反省!)

一旦書いてしまうと思い込みがあるのでしょう、読み返してみても欠陥に気づくことはほとんどありません。AIでに指摘されてから読み返すと、確かにおっしゃるとおりですと、修正することが多々あります。

昔、青春文庫で過去の名作を読んでいたとき、太宰治とか芥川竜之介の文章の見事さに感心したことがありました。

どこから見ても欠点のない日本語で、さらにその中に文章の旨味と言いましょうか、独特の言い回しやニュアンスが光っていて、作家はすごい才能がないとなれないと惚れ惚れしながら読みふけったことがあります。

新聞や雑誌の原稿の校正などにもAIは最適なのでしょう。また簡潔にまとめたり、少し冗長にしたり、はたまた方言を使ったり、AIでは変幻自在に日本語を駆使して文章を破綻なく変換してくれます。

ただ、ある文章を入力して、「もっと面白くして」とか「ジョークを付け加えて」などというリクエストをしても、おもしろくない文章が返ってくることが多いです。

指示の仕方に問題があるのかもしれませんが、論理的に破綻がない文章を作るより、面白い文章を作るほうが難しいのかもしれません。

確かに面白さというのは普遍的ではなく、受け取る人や環境、また時代によって大きく変化します。またブラックジョーク的なものは、過去では許されても今はハラスメントになってしまうことも多いかもしれません。

そう考えると、AIが一から文章作品を創造するためには、もう一歩の進化が必要なのでしょう。

しかし、あまりAIが創造的になってしまうと、人間が面白いと感じる面白さを飛び越えてAIにしか分からないジョークを作り出して、人間の文化を超越した別の世界を築く可能性があるかもしれません。(あ~恐ろしい!)

AI社長の可能性

どこかの国で賄賂が蔓延っているのを、AIを閣僚として採用して是正しようとする試みが報道されましたが、それと同時に進行しているのが企業の社長業としてのAIをの採用があります。

政治家も社長も権力を駆使して統治する点においては、ほとんど同じ業種と言えましょう。AI閣僚が成り立つのなら、AI閣僚が社長も十分機能しそうですので、これらの試みが今後ののように進展していくかが見ものです。

これまでは従業員の仕事を奪おうとしてAIの採用を進めてきましたが、社長の仕事まで奪われるとは予想をしていなかったのかもしれません。

しかし、社長や閣僚は権威を無駄にあるいは私的に使用する誘惑に駆られますから、冷静なAIが一番適している分野だったのかもしれません。

AIにもいろいろな問題が指摘されていて、たまに勘違いをする程度なら些細なことで済ませられますが、社長や閣僚の判断ともなると深刻な問題を引き起こすこともあるでしょう。

自動運転でも話題になっていますが、AIが操縦する自動車と人間が操縦する自動車のどちらが確率的に安全な運転ができるのかという比較なら、いつかの時点でAIが平均的な人間に勝るような気がしますが、

しかし、人間の能力にはばらつきがありますから、なかなか素直にAIに対して敗北を認める経営者や政治家は出てこないだろうと思います。

最近は将棋の中継でAIによる形勢判断が表示されますが、その数値が正しいかどうかが人間には簡単に判断できないことが多いです。プロの棋士でも読み切れない手を読んでいるとしたら、政治や経営判断でも人間以上の結果を残すことが可能でしょう。

しかし、物事はやってみないと分からないことが多いですから、AIとが出した判断が正しかったかどうかは明確には判りません。AIと権力者の間で覇権争いが起こるかもしれません。

人類はAIの良いとこどりをして、うまく共生することができるでしょうか