日本製スマートフォンが消えていく

らくらくホンはそのうちにお世話になるだろうと思っていたのですが、製造会社のFCNTが破綻したということで老後のスマートフォンが心配です。

技術が進歩して、画面表示を見たり文字入力をしなくてもよいスーパースマホの登場を期待したいところです。

FCNTは富士通から分社されたらしいですが、富士通arrowsはスマートフォンが普及しだした頃はメジャーブランドで、特に際立った機能はなかったものの標準的な機能は十分な、安心のNTTファミリー製という安心感がありました。

今から思えば、安心感があっても際立った特徴がなかった時点で、競争が激しいスマートフォン業界では継続できない運命だったのでしょうか?

30年前なら、カメラや時計などの精密機器にも通ずるスマートフォンなどは、日本メーカーが最も得意とする分野だと信じていました。

日本のメーカーが得意としたいわゆるコンシューマー製品は、ローエンドと言われていてハイエンド製品に比べて性能は抑えて、その代わり価格と品質を際立たせた製品が多く、それらの開発製造には日本メーカーがが優れていました。

しかし、その後最先端の技術がコンシューマー製品に採用され始めると、いち早くそれらの技術を製品化したアップルや、それに続く中国メーカーが大量に製品を供給し始めます。

それまでの携帯電話の時代でもガラパゴスと言われた日本製品は、世界標準仕様で勝負することに慣れておらず、国内メーカーの間で背比べする習性から抜け出せませんでした。

また製造技術の海外流出が加速して、国内の製造拠点もなくなり、同時に開発も弱体化してしまいました。

せめて技術はなくなってもビジネス面で勝機があれば良いのですが、そもそも日本はビジネスを作って活かすことが苦手ですから、スマートフォンの撤退が相次ぐのは当然かも知れません。

あとはソニーとシャープだけが国内のスマートフォンメーカーとして残っていますが、スマートフォンの次の勝負をしたいところです。

今、電車に乗ると8割の人は、乗った途端にポケットからスマートフォンを取り出して、旗から見ているとそれこそ真剣に操作して何やら熱心に見ています。

ここ暫くの間は、人々はスマートフォンに満足しているでしょうが、AIを搭載したもっとスマートなデバイスが1~2年のうちには登場するでしょう。(スーパースマートフォンとでも言っておきましょう。)

その時に一気に世界を巻き返す準備を密かにしている企業が、日本に1つや2つあれば良いのですが、、、

日本車メーカーはお気楽?

東洋経済オンラインに「日本車メーカーはなぜこんなに”お気楽”なのか」という記事が掲載されています。

世界中で石油由来燃料の使用が規制されEVがもてはやされているのに、日本の自動車メーカーだけがEVに消極的な態度を続けるために、過去の米国ビッグスリーと同じ運命をたどるのではないかと警告しています。

最近YouTube系のCARWOWという、少しふざけた感じの自動車紹介チャンネルをよく見るのですが、確かにEVのドラッグレース対決で日本車が登場することはほとんどありません。

先進性では米国のテスラがEVの筆頭で、その後をドイツ車や中国車が追いかけているという状況で、英国ジャガーや北欧ボルボも対抗車種を出しています。

テスラには兄弟会社のようなルシードという会社があり、エアーという車種は新しいクラウンかと見間違うぐらい似ています。

もちろんトヨタもハイブリッドを始めとして、EVやFCVなど、技術は実質的にEVと呼べるものが網羅されていますが、トータルとしてEVに消極的という印象を与えてしまうようです。

このあたりは前トヨタ社長が説く、長期的にカーボンフリーを目指すには単純なEVだけでなく、いろいろな方法でアプローチしなければならないという考え方が影響しているようです。

しかし、このようなことは日本の政治家が世界に問えば良いことであって、いくらトヨタが世界で一番自動車を生産しているからと行って、世界のエネルギー政策にまで口を出してしまうと、EVの技術がない言い訳にしか聞こえないのです。

かくして、古い米国のビッグスリーと日本のメーカーが同列に論じられてしまうのです。

トヨタにとって不幸だたのは、日本国内に競合他社が全くおらず、特に競合となるべき日産とホンダが全く振るわず、それ以下のメーカーはトヨタの技術を借りてきてハイブリッド化するのがせいぜいだということです。

確かに日本のメーカーはお気楽なのでしょう。

驚いたことに、数十年前は共産主義国でぼろい車しか作れなかったシュコダが、今やフォルクスワーゲンと提携して近代的な乗用車が作れるようになっていると言うことです。

日本は半導体、家電、コンピューターが落ちぶれたと言われて、最後に自動車産業だけが残っているので守らなければならないなどという論調がありますが、本当に残っているのはトヨタ1社だけで、残りの自動車メーカーは家電と同じくほとんど休業しているように見えます。

これからは国内の先細りの需要とアジアの小国へ、1世代も2世代も前の安い車を売り続けることになるのでしょうか?

政府が半導体に税金を投入するという話ですが、このままでは自動車産業もジリ貧です。

80年代のシュコダを作っていた旧ユーゴスラビアのように、日本は旧社会主義国のようにうらぶれていくのでしょうか?