中国の科学技術の進歩度合い

一体中国の技術はどこまで進歩しているのでしょうか?

中国製のルーターなどの通信機器にスパイ機能が埋め込まれていたとされて、半導体の設計に欠かせない設計ツールや露光機などの中国への輸出が制限されて、中国の新規半導体開発や半導体製造の息の根を止めたはずでした。

しかし、ファーウェイの新製品には7nmの製造技術で作られたと見られるLSIが使われていて、自国での設計も製造も、またファウンダリーへの発注もできないはずなのに、どうやって最新の半導体を手に入れることができたのかに注目が集まっています。

どこかの国や企業と裏取引をしている可能性が半分、中国内で設計・製造する技術を構築している可能性が半分でしょうか?

いやっ、7nmの製造技術は今の日本でも憧れの技術ですから、それを国内で実現できるとすればたまげた物です。

しかしながら、簡単に習得が無理だと思われていた日本の新幹線やドイツのICEの技術を、あっという間に真似て大量に製造して国中に高速鉄道網を張り巡らしただけでなく、こともあろうか全く中国独自の技術だと称して他の国々に売りまくっているのが中国ですから、半導体の技術も日本やUSが思っている以上の速さで追いついていても不思議ではありません。

2000年代初頭に、日本の半導体会社が大量に首を切った技術者が、中国の半導体産業立ち上げに協力したことは間違いありませんが、予想していたより半導体の技術は容易に継承できるものなのかもしれません。

半導体の技術といっても、実際の基幹技術はそれほど多いわけではなく、優秀な技術者が数人いれば十分必要なノウハウは伝えられるように思います。

試行錯誤して数十年かかった半導体技術も、熟練エンジニアが手ほどきすれば数年でものにできるのかもしれません。

今、国を上げて新しい半導体工場建設に巨額の投資をしていますが、中国が7nmの設計技術と製造技術を現時点で持っているとしたら、全く無駄な投資になるでしょう。

今更ながら、日本の企業の先見の明のなさが惜しまれます。

知的職業がAIに取って代わられる理由

ChatGPTに始まるオープンAIが、将来的に多くの職業を取って代わるようになるという危機感が席巻しましたが、一過性のブームが過ぎてちょっと時間をかけて考える余裕が出てきたようです。

最初は、将来的に弁護士や経営者、政治家のような知的労働だけが残り、ルーチンワークと言われる単純で事務的な職業ははとんどAIに取って代わられると言われました。

ところが最近は形勢が変わってきていて、弁護士や経営者のような知的(と言われる)職業の方がAIでに変わられる可能性が高いと言われるようになってきました。

考えてみればそれは当然な訳で、AIがインテリジェンスであるならばこれまでインテリがやってきた仕事が置き換わるはずで、単純な事務作業や力仕事はAIでは代用になりません。

そもそも単純な事務作業は、せいぜいパソコンのエクセルでほとんど事足りるはずですから、もう30年以上かけて大量の事務員はパソコンに置き換わってしまいました。

また力仕事はもっと前から機械化が進められましたから、今残っている力仕事は機械化できなかった人間にしかできない仕事です。

本来、自動化や機械化はコストを削減するのが主な目的ですから、機械化することができない特殊な作業や、コスト的に機械化する方が高くつく力仕事より、給料が高い弁護士や経営者、政治家を削減すると一番コスト効果が高いはずです。

つまりは人間の頭脳をAIで自動化するということですから、弁護士のような駆け引きがある感と経験と度胸的な仕事の前に、確実にやれば良いとされる司法書士、行政書士、公認会計士あたりがAIに置き換わるのが早いように思います。

大体、自動化というものは茹でガエルのように、当の本人が気づかないうちに茹で上がっていることが多いですから、弁護士の仕事をしていると思っているうちに、AIの指示に従っているだけになっているなんてこともあるでしょう。

「AIによる知的業務の自動化」

知的業務と行っても、単に経験的に過去の事例を踏襲していただけということもあるでしょうから、どこまで知的か分かりませんが、AIによって今後10年ぐらいで職業地図が大きく変わるかもしれません。