Huaweiが14nmまで対応可能なEDAツールを開発

ファーウェイが自分で発表した内容ですからどこまで本当なのか不明ですが、とにかくUSの対中EDA輸出制限をかいくぐって、EDAツールを自社開発したとのこと。

半導体は設計システム(Electronic Design Automation)がなければ始まりませんから、USが輸出を制限してしまえば中国の半導体設計は滞ってしまうという目論見だったようですが、制限した時期が遅かったと見えて、すでに中国自前のEDAが出来上がっていたというのですから驚きです。

まあ、世界中に駐在員か留学生か分からないスパイが無数にいるのでしょうから、軍事機密に比べてそれほど厳重に管理されていないEDAのソースコードを手に入れることぐらい簡単なのでしょう。

CadenceやSynopsysと言っても、元はと言えば殆どがベンチャー企業が開発したソフトウェアをM&Aで取り込んでいっただけですから、元のアイディアをもったエンジニアを雇えば同等のものを作るのはそれほど手のこんだことをしなくてもできるでしょう。

また、フリーソフトでもレイアウトや自動配置配線、またレイアウト検証や論理合成までできるものがダウンロードできますから、公開されている情報を集めるだけでもそれなりのシステムは構築できてしまうような気がします。

最近になってさらに重要度が増した半導体技術ですが、世界中のスマートホンの多くが中国で作られている訳ですから、中国の電子産業を抑えるのはそう簡単ではないでしょう。

高速鉄道の技術をドイツや日本から購入したものから習得し、中国独自技術と言って逆に世界に売っていくほどの厚かましさがありますから、半導体で同じことをするのは目に見えています。

日本もよく分かっていませんが、ドイツやUSも中国の恐ろしさを知らない。

「寝た獅子は起こすな!」(もう手遅れ、、、)

AIの開発を半年間中止

AI技術がこれ以上急速に発展すると世界を危険に陥れるということで、米国の有名著名人が開発の中止を要望する署名を始めたそうです。

ついにSFの世界が現実にやってきたようです。まあ、これまでもSF映画の世界は、UFOや仮想現実で実現されてきましたから、AI技術が初めてということではありませんが。

しかし、AI技術によって人類が文明を制御できなくなると言われると、人類の知らない間に勝手に文明が進化してしまい、その人類の知らない文明が人類を滅ぼす可能性があるとは、まさに異星人が地球に攻めてきているのと同じ脅威だと言えます。

最低でも6ヶ月間の開発中止を呼びかけるそうですが、核開発でも開発を止めさせるのが困難ですから、さらにAIの開発を中止しているかを見極めることが可能なのでしょうか?

他のところが中断している間に、それ急げとばかりかえって開発速度が上昇するような国も1つや2つではなさそうですし、中止していることを完全に査察できなければ、AI技術が悪の巣窟の手に落ちる可能性もあるでしょう。

核の脅威もさることながら、AIによって世界中の核弾頭や原子力発電所を掌握することができれば核を自分で所有する必要もなくなりますから、AIによって世界を一気に管理下に置こうとする国家が現れることは容易に想像できます。

半年間の開発中止で収まらずに、開発の永久凍結ということになるかもしれません。

AIが明るい未来ではなく、核爆弾と同じ脅威をもたらすものだとしたら、核の平和利用と同じように、AIも平和利用を訴えて行くことになるのでしょうか?

歴史上、核を超える厄介なものができてしまったのかもしれません。

キヤノンが「レンズ交換式デジタルカメラで20年連続シェアナンバー1」ってか?

最近この手の情報には疑いかかって見る癖がついてきました。日本国内のあらゆる産業で、そんなに威勢のよい話はなくほとんどが眉唾ものが多いです。

確かにニコンの調子が悪いままですし、かつてのミノルタはソニーに成り下がり(ソニーが悪いというわけではなく、カメラ業界が電機業界に飲み込まれたことが問題という意味)、かつてのペンタックスは今はどこに行ったのかも分からない有様です。

ですからかつて日本のメーカーが世界を席巻したレンズ交換式カメラで、かろうじてキヤノンが製品を出し続けているということは、過去の栄光を守っているという点では立派と言うしかありません。

シェアナンバー1をあまりにも強調するあまり、売上がどうなっているのか誰しも気になりますが、「業界動向リサーチ」サイト(https://gyokai-search.com/3-camera.html#jump2-1)によりますと、スマートホンに押されてデジタルカメラの出荷額は、2011年からの11年間で93%減少したということです。

ですからデジタルカメラ市場自体が消えかかっていると言えましょう。

もう完全に趣味の世界の製品になってしまっていて、かつてのオーディオ製品のように一部の高級オーディオマニアの嗜好品になっているのと同じ運命にあるようです。

オーディオとカメラは、もともと趣味として似ているというよりほぼ同じジャンルですから、どちらも安価なデジタル製品が大量に出回ることによって、駆逐されることになったのでしょう。

幸いキヤノンには他の製品群がありますから企業としては存続できていますが、かつてのオーディオメーカーが海外ファンドの傘下でかろうじて生き延びていたり、あるいはすでに消滅していることから思えばまだましなのかも知れません。

かつて日本が世界に誇った精密産業の中で、時計は今でも世界に伍していますが、これは中国製が絡んでいないことが大きいと思います。

最も時計の市場規模もスマートホンで縮小しているでしょうが、時計自体がもともと趣味性の高い高級品が市場を牽引していましたから、レンズ交換式カメラと同じように趣味性が高い分野しか残らないのかも知れません。

日本人の深掘りで繊細な性格から生み出される製品は、趣味性の高い製品にこそ生かされると思います。

伝統芸術品に日本の技が残されているように、カメラ、オーディオ、時計などの高級品では、これからも日本の製造技術を生かして良い製品が作られ続けるのかも知れません。

イタリアの工房から生み出されるバイオリンや革製品と似ているかも知れません。

日本にも中小企業が多いことですから、これからは大量生産を目指すよりも、少量高品質な製品で価値を見出すような製品を目指す、「ナンバーワンよりオンリーワン」が日本の産業が目指す方向なのかも知れません。

ムーアの法則に思う

半導体業界で長年の間何度となく聞かされた「ムーアの法則」。

必ず業界にはいかにも真理のごとくムーアの法則を崇める人がいたりしましたが、今から思えば別に法則でもなんでもなくて、ただの経済的な経験値だったのかもしれません。

すなわち、半導体の世代が交代するためには、テクノロジーが進歩して生産設備や素材などが進化しなければならず、同時に作られた半導体を利用する製品についても新しい製品群や機能が開発されていなければなりません。

ただそのサイクルが1年とか2年ごとに訪れただけで、別に半導体の集積化に自然法則があったわけではないのにもかかわらず、不思議と法則のごとく振る舞ったという意味では将来予測としては秀逸だったと言えるでしょう。

もはやインテルが半導体業界を牽引する訳でもなく、微細技術もこれまで通りに進化することはないでしょうが、それでもなお米国や日本で新しく半導体の製造工場を新設する計画が目白押しであることは、半導体の永続的な供給の重要性がより増しているということでしょう。

ここしばらくはシリコンなどの無機半導体が主流であり続けるでしょうが、有機半導体や生物セルなどが最先端技術として取って代わる日もそう遠くはないかもしれません。

半導体産業の世代に渡って君臨した法則は、その終焉とともに全く新しい技術に引き継がれて行くのかもしれません。

ChatGPTで医師国家試験合格するか?

北海道大学医学部の学生さんが、過去の医師国家試験問題400問をChatGPTの解かしたら、合格レベルには到達しなかったものの、55%の正解率だったとのこと。

医師国家試験に合格するのと医者になるのとは違いがあるでしょうが、少なくとも医師が持つ知識や情報といった部分については、ChatGPTで間に合うことが多いということでしょう。

AIで置き換わる職業は、単純な事務処理や銀行の窓口業務のような定型的な処理だと思われていましたが、最も権威がある職業の1つである医師の少なくとも知識分野に限っては、AIが取って代わる可能性があるというのはある意味恐ろしいことです。

もっとも膨大な情報や知識を必要とする医師という職業だからこそ、膨大な情報を集約したAIにまっ先に取って代わられたとしても不思議ではありません。

頭脳を使う職業はたくさんありますが、髄脳を使うと言っても過去の経験に基づくものがほとんどですから、インターネットに蓄積された情報にはかなわないのでしょう。

かといって、デザインや作曲といった創造を伴う職業でも、実は過去の経験に基づいてそれをアレンジしたりひねくったりすることによって新しく見えるだけかもしれませんから、クリエイティブと思われていた職業こそがAIの標的になる可能性もあります。

そう考えていくと、AIによって取って代わられない職業を探すほうがむつかしく思えてきます。

AIをメインテナンスする職業か、AIにが出した結果を評価したり検討する職業以外、ほぼ駆逐されるかもしれません。

まあ、実際は様々な職業が派生的に必要になったり、人の手による作品がもてはやされたりするのかもしれません。

以外と人類は変化に対して平気です。