汎用jpドメインの危険性

ドコモ口座や厚生省のコロナ対策サイトのドメインが、オークションに出品されて高値で取引されているというニュース。

サービスの提供期限が切れて企業や政府機関で使わなくなった独自ドメインが、一般人が入れるオークションで取引されてしまうと、残っていたドメインへのリンクを使ってフィッシングサイトへ誘導されてしまう危険性があるので、汎用jpドメインの運用を規制すべきだという意見があるようです。

汎用jpドメインが開始された当初は、企業の製品キャンペーンサイトや新製品の紹介サイトとしてのドメイン取得が推奨されていましたから、このような事態も当然のように起こるでしょう。

一時的なキャンペーンに適したドメイン名をその都度使い分けるために、頻繁にドメイン取得を繰り返しますから、使い終わったドメインがどんどん増えてしまいます。

不正に使用されないようにするには、取得したドメインを使用後も数年に渡って保持し続けることが望まれますが、そのために費用もかかりますしドメインを使い捨てることができなくなってしまいます。

また政府機関が使用したドメインの場合は、特にセキュリティ上の問題が発生する可能性がありますから、そもそも汎用jpドメインの使用には向いていないのかもしれません。

政府関係のサイトは、汎用jpドメインではなく、全て政府機関であることが証明できる属性型ドメインを使用すべきでしょう。

ドメインはインターネット上の住所のようなものですから、あまり頻繁に入れ替わるのは好ましくありません。企業の主要な汎用jpドメインのサブドメインを使う方が、ドメインの使い捨てを防ぐ意味でも確かな運用方法だと言えるでしょう。

あるいは1つのキャンペーン専用サイトを更新しながら運用することを考える必要がありそうです。

よくフィッシング詐欺に注意する心構えとして、ドメインが正規のものか確かめるというのがありますが、ついこの間まで正規のドメインだったとしてもすぐに手放されたとしたら確認のしようがありません。

ドメインの使われ方によって最低契約年数を決めるなど、何らかの対策が必要だと思います。

WordPressの100年プラン

WordPressから100年間維持できるブログシステムが発表されました。

WordPress本体とドメイン、サーバー一式が100年間保証されて554万円らしいです。

費用は1年あたりで5万円と少しですから現実的に見えますが、逆に将来がよく見えないので、将来に渡って現実的かどうかは誰にも分かりません。

思い起こせば「100年プリント」と称して、写真の印画紙の耐色性を改善したものが開発されましたが、今や印画紙を100年間保存するという行為にあまり価値がなくなっています。

人生100年はなかなか超えられないので、100年間保証するところに意味があるのでしょうが、普通に考えて100年後にまだWordPressでサイトを作っているのかという疑問が湧きます。

実際どうなっていくかではなく、現在は100年間続くだろうと考えているという安心感がありがたい人もいるのかもしれません。

心配なのは、このような普遍的な存在を謳うようになると、その後あっさり消え去ってしまう製品が過去にいくつもあったことです。

世界中のインターネットサイトを提供しているCMSとして、WordPressが長らくシェアトップに君臨してきましたから、そろそろ新勢力が台頭してきてもよい頃です。

コンテンツを管理するだけでなく、コンテンツの生成を自動的にAIで行い、管理しながら自ら成長もしていくようなシステムができても良さそうですが、そうなってくると全く人手が必要なくなってしまうかもしれません。

つまり、これまでとは全く異なったインターネットの提供が始まるのかもしれません。

WordPressの100年版は、そのようなインターネットの嵐の変革前、無風状態の今だけの安らぎのニュースのような気がします。