Google AI検索のインパクト

最近インターネットで検索をすると、結果をまとめた文章が最初に表示されて、それを見るだけで期待した情報が網羅されていて事が済んでしまうことが多くなりました。

これまでなら、その後リストされた各サイトの中からそれらしいサイトを選び出し、順番にアクセスしていく必要がありましたから手間が省けます。

検索するのは必要な情報を知りたいからですから、用が済めばそれ以上サイトをめぐる理由はありません。

インターネットの利用がさらに便利になるので喜んでいいところですが、どうもサイトを運営している人からすればたまったものではないらしいです。

テレビ、新聞などの既存メディアを打ち負かしつつあるインターネットですが、お金儲けの仕組みはこれまでの媒体と同じ広告収入が主なわけです。ですからまずサイトのヒット数を稼いでその勢いで広告もクリックしてもらわなければお金になりません。

そこをAIが要約した文章を提供してサイトを訪問する人がいなくなれば、AIによる情報のタダ取りを指を加えて眺めているだけになってしまいます。

これはビジネスモデルの崩壊です。

だいたい傾向として、インターネットのサイトはただでさえ内容の薄い情報を、冗長に書いて量を膨らまそうとしますから、AIが要約したものが好まれるのも致し方がないところです。

またサイトの見栄えやSEOに工夫することが流行った時期もありましたが、そんなものにも価値がまったくなくなります。

AIに読み取られないようにパスワードで武装した会員制のサイトとか、会員だけに有料で情報を配信するようなサイト設計が必要になってしまうのでしょうか?

同じ広告が主体と言っても、新聞や雑誌は購入するというハードルがありますから、インターネットに公開している情報よりはAIに侵食されにくいかもしれませrん。

AIによって変わる世界がまた一つ増えてしまいました。

ネット販売のダークパターン

NIKKEI.COMに「通販7割でダークパターン 定期購入欄に印、購入に会員登録必須」という記事が掲載されています。

インターネットを介した販売で、意図しないのに定期購入になっていたり、購入には会員登録が必要だたりという不本位な契約に結びつく仕組みが、通販サイトの7割で確認されたと言うことです。

契約者を騙そうとしているなら詐欺に近い行為になりますが、小さい文字でも条件が記載されていれば見なかった方が悪いという開き直りができます。

このような商法はインターネットに限らず、印刷された保険や銀行預金の案内でも、小さい文字で但し書きが添えられたものがたくさんあります。

おそらく今回7割にダークパターンがあったということですが、残りの3割はそもそも基本契約がダークであったり、ダークパターンの必要性や余地がないような商品だったのかもしれません。

これは何も今に始まったことではなくて、昔は市場の八百屋で「これはおまけだよ!」と言って誰にでもおまけをしていたり、「100円でいいよ!」と言ってももともと100円以下のものであったりすることはあったように思います。

それは商売の常套であって、それでお互いが気持ちよく買い物ができればそれで良いことなのでしょう。

ただ、インターネットでは相手が目の前にいないので、疑問があっても容易に尋ねることもできないですし、考え直して解約することも容易にできないところに問題があります。

解約ができない、会員から脱退できないというのは、かつての携帯電話会社や保険会社などではよくありましたが、これも実店舗では買うまで店員がつきまとうのと同じと言えば似たようなものかと。

要するに、商売というのは騙すギリギリの契約に持ち込もうとするのが常だと諦めて、小さい文字でも拡大してすべて読んで、納得した上でポッチッとするように心がけましょうということですね。(はい、心がけます。)

検索と生成AI

何十年も前から人口頭脳という言葉はありましたが、SFかどこかで研究しているのだろうと言う程度の理解でしたが、数年前から現実の世界に取り入れられるようになって、いわゆるコンピューター業界が揺らぎ始めました。

大学生がレポート制作に使うと、その破綻ない文章処理能力と自然な文体に、教員は生成AIが作ったかどうか判断できなくなりました。

これが詐欺に使われると、これまでは日本語の稚拙な文章ですぐに偽物と判断できたのですが、文章だけでは本物と見分けがつかなくなって厄介な問題になっています。

最初のうちはまだまだ回答にばらつきがあったり、間違ったことを主張してきたり、その完成度に疑問を持ってまだまだ実用化には程遠いなどという意見もありましたが、1週間経てば別の新しいモデルが供用されるぐらい急速に進歩してきており、人間が行ってきたかなりの能力を追い越すのは時間の問題というより、すでにかなりの部分で抜かされております。

とは言っても、生成AIのモデルはインターネット上に存在する情報をかき集めているわけですから、確かにその中には誤った情報もたくさんあって、それ故に生成AIが間違うことも当然と言えば当然なわけです。

でここから本題になるのですが、基本的にインターネット上に構築されたウェブサイトは、おそらく検索サイトから誘導されてブラウザーで人間が直接見るわけですが、生成AIは検索とサイト閲覧の工程をすっ飛ばして結果だけを人々に回答することになります。

これはこれからの動向に依るところですが、検索より生成AIによるインターネットの情報収集が大勢を占めるようになってくると、ウェブサイトの作り方も変わらざるを得なくなります。

以前なら検索サイトの上位に表示される秘訣(SEO)などが流行りましたが、生成AIの受けが良いサイトの作り方というのが必要になってくるでしょう。

そこで問題になるのは、広告をどうやって差し込むかということです。

そこにもはや広告を入れる余地がなければ、生成AIの使用料という形で徴収することが考えられますが、その場合はサイトの制作者はどうやって広告料を手に入れるのでしょう?

生成AIがインターネットビジネスの根底から変えてしまうかもしれません。

スクレイピングで著作権違反

11月25日のニュースに、保育士向けの転職紹介サイトが、他社のサイトからスクレイピングによって大量のコメント欄の投稿を盗んでいたという記事がありました。

ご丁寧にクラウド上の業務日誌に詳細が記載されていたといいますから、犯罪と分かっていてやっているのは自明でしょう。

コメントならそもそも著作権で保護されないだろうとか、コピーライトマークがないサイトからしか取っていないとか、裁判になれば弁護士が入れ知恵しますから顛末は分かりませんが、日本人の法律を守る姿勢が怪しいのは確かです。

スクレイピングにとどまらず、インターネット上で情報があふれる昨今では、容易に文章や画像などをコピーすることができますから、技術的なハードルは下がるというよりないに等しいです。

そこでリテラシーとはマナーとかきれいごとで済まそうとしても、もとよりそれらのきれいな仕事のやり方は零細企業では推奨されておらず、効率を高めるためにはよそから盗んでくるのは褒められることはあっても怒られることはない。

自社で時間とお金をかけて一生懸命コメントを集めたところで、どうせ似たような内容しか集まりませんから、盗んだ方が簡単と思うのは当然かもしれません。コメントには価値がないと思っています。

ディジタルコピーに関しては、SDやDVDが普及しだした頃に議論の山がありましたが、小細工のような技術で逃げただけで、著作権についての議論はないままですから、リテラシー云々を今更問うても何も返ってこないでしょう。

今回のニュースは氷山の一角、やりたい放題のインターネットの世界が野放し状態です。

勝手に国際SMSを送信するとは!

世の中が便利になればなるほど、理由のわからない現象が増えるわけです。

今日スマホの通信料金請求書がメールで届いたので見てみたら、いつもより少しお高い。

特に電話やSMSを使った覚えがないのに、怪しみながら明細を見ると「SMS(海外)」という見慣れない項目が増えています。

もとより海外にSMSを送信するほどアクティブに交流することもなく、海外にSMSを送信するマルウェアなどの報告もよく目にしますから、完全に疑ったモードに突入です。

請求書にはSMSの相手先の電話番号は残っていないし、SMS記録は毎回削除しているので形跡は全く残っていません。

そこで、海外SMSの請求について検索をしていると、いくつかそれらしいサイトやアプリを使っていると、スマホが勝手に海外のSMSにめがけて送信することがあるらしいと言う情報がちらほらありました。

iPhoneが電話番号の確認を行うために、英国の電話番号にSMSをを送信することがあるらしいということと、その他ではFacetimeやiMessageなど、どれもiPhoneに起因することしかありませんでした。

ところが、しばらく検索しているとLivePocketというイベントの入場券などを購入するサイトで、スマホの承認のために海外SMSを自動送信しているという情報に行き当たりました。

「これだ!」

3月に開催されたイベントの入場券を購入するために、少し危険だなと思いながらもサインインしたのですが、その際スマホの検証のために海外SMSに送信しているということが分かりました。

私のスマホは海外SMSに1回50円もかかるので、それが分かっていればそのサイトでは購入しなかったでしょう。

LivePocketを利用する際は要注意です。

まあ悪意があるマルウェア等に引っかかった訳ではなかったので良かったものの、悪意はないにしても海外へのSMS送信が必須のシステムはいかがなものでしょうか?

最近は何でもスマホに載せようとして、安易にシステムを組んでいるサイトやアプリがたくさんあります。

アップルやグーグルのアプリ登録制度に頼るだけでなく、適正なレベルを維持するための環境整備、法整備をする必要があるのではないかと思いました。