日本は祝日が多い

今日から盆休みが開けた人が多いのか、少し空いていた朝の電車が以前のように混み合うようになりました。

長い間日本人は欧米人と比較して、夏休みのバカンスが短いと言われて来ましたが、日本には日本の流儀がありますから、お盆休みは故郷に帰るという風情ある風習はそのまま残せばよいと思います。

一方海外の避暑地やビーチに出かける人も多いので、それはそれでバカンスらしくてよいでしょう。人の目を気にせずにやっとそれぞれの楽しみ方を選べるようにやっとなったということでしょうか?

さて、80年代に日本の輸出が絶好調なとき、米国は大変不況でした。失業率はもとより、企業の業績も特に自動車産業の落ち込みはひどく、街には閉鎖されたホテルチェーンの建物が点在していました。

米国の街を走る車はボロボロで、車体に穴が空いて車体を通して道路が見えている車も珍しくありませんでした。

当時、日本人は不当に働きすぎだと欧米諸国から不満が募っており、日本人を「エコノミックアニマル」と呼んでいたのは記憶に新しいところです。

エコノミックは仕方がないとしても、アニマル呼ばわりされてよく日本人は怒らなかったものです。

その働きすぎとレッテルを貼られた代償に、米国からの圧力で日本の祝日がどんどん増やされて、そのおかげかどうか分かりませんが、日本人の生産性はどんどん低下して、現在の経済の不調の一因になっていると言えましょう。

企業によっては祝日を返上して出勤したり、そもそも有給休暇の取得率が低かったりして、実際の日本人の休日数は相変わらず少ないかもしれません。

最近の経済力の低下は、単に働き方の問題なのか、昔より裕福になってあくせく働く必要が何くなったのか分かりませんが、少子化や女性の社会進出と合わせて考えていく必要があるでしょう。

コロナ禍が落ち着いた途端に、在宅勤務が低調になっているそうですから、働き方を少しでも変えるというのは容易いことではなさそうです。

お盆休みが終わって、人は残暑に耐えながらまた職場に向かうのでした。

日本の社会とデジタル化

まあなんと言ったって日本は「わび・さび」の世界ですから、デジタル化とは相性が悪いです。

これは仕方がありません。そういう文化ですから。

マイナンバーカードの失敗は、その日本に何の前準備もせずにデジタル化しようとしたところにあります。

考えてみれば、カシオがデジタル時計で一世を風靡した頃、つまり山口百恵さんが「デジタルゥはカシオ!」というテレビCMを大量に流していた70年代から80年代にかけて、日本人のほとんどは「デジタルって何?」という感じでしたから、それからかれこれ日本人がデジタルを理解するのに40年ぐらいかかったことになります。

いや、日本人がデジタル時計に慣れただけで、デジタルを理解したとは言えないかもしれません。(おそらく言えないでしょう。)

そもそもデジタルの対向にあるのがアナログですが、アナログを理解しているかというとそうでもありません。デジタルと比較してなんとなくアナログだなあという程度の区別はできても、アナログそのものを明確に説明できる人は、理工系専門の人でもそれほどいないでしょう。

ですから、まず日本が世界各国からデジタル化が遅れているというのが、本当にそうなのかを検証するところから始めるべきだったように思います。

デジタルを理解しない政府要人が、訪問する各国で吹聴されるデジタル化の状況を見て、「こりゃ日本は遅れておるわい!」と感じたとしても、本当にその国々で行われているのは真のデジタル化か、単に見せ方の違いだけなのかを討論する必要があったのではないでしょうか?

その上で、政府や地方自治体の業務を効率化する目標を立て、それに向けて現状どこに問題があって、デジタル化をすることによってどの程度作業が効率的になるかを分析しなければならないでしょう。

それなりの規模の専門家を集めて、1~2年検討しなければまともなものはできないと思います。

今だに80年代のQC活動のようなPDCAが取り上げられることがありますが、まず計画(Plan)がなければ始まりません。

一体どういう筋書きで、どういう成果を上げればマイナカードは成功なのか?

ひょっとして政府は、成功か失敗か判断する基準さえ持たないまま突き進んでいませんか?