お賽銭と賄賂

この辺りの話ってあまり真剣に語ることが少ないのですね。そこであえて一説。

「苦しい時の神頼み」と申しますが、初詣も含めて成就するかしないかの願い事を、謙虚に神様にお願いすることで幸運に導いていただこうとするのが、日本人の心であります。

もちろん箸にも棒にもかからないような高望みをしても神様はお見通しですから、望みを叶えていただくことはできません。

それなりに努力をして、どっちに転んでもおかしくないぐらい微妙なところで、神様にちょっと背中を押す程度に力添えをして頂く事ができるということなのでしょう。

神様のご加護は大変ありがたいものでありますから、それなりのお礼をしなければなりません。ですから、新年お初詣の際にはお賽銭を、そして願いが運良く叶った折にはお礼参りをしなければならないのはご承知のとおりです。

さて、現実の世界を見渡しますと、コネや賄賂といった犯罪が引きも切らずに蔓延っております。

特にニュースになるのは大物の大金を積んだ案件ばかりですから、世間の批判も強うございますが、日常的には学校や医者の先生へのお歳暮やお中元、会社や政治家の袖の下や賄賂がまかり通っております。

で、お賽銭と賄賂は性格としてはほぼ同じものと思われ、叶うか叶わないか瀬戸際の願いを叶えるための最後の願掛けであるわけです。ここが重要なのですがどちらもお金が絡みます。

片や願いを叶えることが神がかり的な神様と、願いを叶えることが権力越しの権力者とどちらが悪者なのか?

権力によって叶えさせてあげられる権力者は、もらったお金に見合う対価を与えることができますが、神様は実は知らぬ存ぜん、お賽銭に見合う働きが科学的に証明されたことはありません。

望みを叶うために賄賂を渡す者とお賽銭を渡す者は、やっていることはほぼ同じでしょう。

しかし、受け取った者は、望みを叶える権力を持ったものが罰せられ、知らぬ存ぜんの神様は罰せられない。

お金を受け取って何もしない(と思われる)神様が善で、賄賂に見合った権力を振るった権力者が悪。

じっくり考えると、私たちのやっていることは理解しがたい。

これからのEV専用車

トヨタが、躍進凄まじいテスラの車両を分析して、電気自動車(EV)はやはり既存の車の作り変えではなく、専用の車体を一から作り直さなければ太刀打ちできないと判断したそうです。

テスラも最初の頃は、金持ちの道楽に過ぎないスポーツカーのイメージがあって、量産車を開発するメーカーには見えなかったのですが、テスラ3ぐらいから価格に見合うだけの圧倒的なパフォーマンスを示し、車としての性能も実用に即したものになってきて、世間のテスラを見る目も変わってきたように思います。

おそらく、その頃からベンツやその他の自動車会社から引き抜いたエンジニアが設計に加わったのでしょう。車の基本性能を高めるための設計を忠実に行なった結果、これまでのどのエンジン車やハイブリッド車では叶わない性能を持つ高性能車になったようです。

どうしてもこれまでの自動車メーカーがEVを作る場合、社内の常識や既存の設計や部品の流用によってコストを下げようとします。

しかし、そんな中途半端なコスト削減より、一からやり直したほうがもっと大きな削減が可能で、過去のしがらみがなく性能を追求することができると判断したのでしょう。

ハイブリッドは、トヨタが特許を開示したこともあってか、海外メーカーでも盛んに採用されてきましたが、一方でEVに特化したモデルの開発も進んでおり、これから普及機を迎えるEVで覇権を取るにはこれから数年が勝負どころとなりそうです。

テスラは、性能を重視した設計でスポーツカーのような車を揃えていて、それなりの価格でも性能が良ければ買いたいという購買層に絞った販売戦略のようです。

しかし、世界中の人がすべて高性能車を欲しいわけではなく、安全性、低価格、高寿命など車に期待する性能は様々です。

過去にも日本車は、低燃費や耐久性で世界をリードしてきましたから、日本のメーカーが培ってきたこれらの設計技術は、EVになっても十分に活かすことができるでしょう。

また、最近の車は各種電子機器によって、駆動系がコントロールされて、エンターテインメントも含めてかつて日本が得意だった分野の技術が、これまで以上に詰め込まれています。

今こそ、日本の自動車メーカーや電機メーカー、精密機械メーカーなど世界一流の技術を持ち寄って、テスラを超える、あるいはテスラと並ぶ別の価値観を持ったEVを創出してもらいたいものです。

理系学部を増やす意味

文科省が、大学の文系学部を理系に再編するための支援基金を準備して、支援する大学(基金に群がる大学)を募集しているとのニュースです。

どうも海外に比べて日本の大学出身者に、理系卒の割合が少ないのを是正するのが目的らしいです。

アメリカやドイツなどが40%を超える割合で理系出身者がいるのに比べて、日本は35%しかいないとか。

それはそうですよね、日本の大学を見渡せば伝統ある大学でも理系の学部は2~3割程度ですし、新設の大学ではもっと文系学部が多いです。

そもそも理系の学部には金がかかりますが、文系は教室と適当な先生を探してくれば済んでしまいます。博士の教授も少ないですし、手っ取り早く大学を増やした結果文系中心の大学ばかりになって当然です。

そこで誰もが予想するのは、経営学部→経営工学部、文学部→人文科学部、商学部→経営工学部のように取って付けたような名前が増えて、中身はまったく文系色。

その結果、日本の理系出身者(もどき)が40%を超えて、海外に引けを取らない理系大国になりましたと胸を張るつもりでしょう。

人文科学はほとんど芸術(アート)ですから、本来の文系と言ってもいいでしょうが、経済や経営は数学なくては語れません。その入試に数学が課せられない時点で、単なる営業マン養成学校に成り下がるのです。

ゆとり教育が盛んに叫ばれていた頃、地方の国立大学には小学校で習う掛け算の九九がまともにできない文系学生が多いと、ニュースになった事がありました。

サイエンス無くして日本の未来はなし!

形だけの理系学部の乱発を招くだけの施策やバラマキは止めて、初等教育から手を付けるべきではないでしょうか?

ロードバイクはウェアで決まり!

これがサイエンスカテゴリーかどうかは疑わしいですが、今日はロードバイク(自転車)のお話。

新型コロナ禍で、満員の通勤電車を避けて自転車で職場に行く人が都市部で増えたそうですが、これは世界的な傾向で自転車業界も好景気に沸いたようです。

ところが、新型コロナも収束の兆しが見え始めて生活が元に戻り始め、サイクリングで通勤することに疲れた人や危険を感じる人達が、サイクリングをやめる傾向が出ているそうです。

その結果、マスクがダブついたときと同じように、自転車の過剰生産による値崩れが起き始めているそうです。

近年品薄でロードバイクが買えなかった人には朗報ですが、あまり市場が混乱しない程度に収まることを願います。

ところで、趣味のサイクリングで自転車に乗る時に、やはり誰もが楽に速く走りたいと思うものです。

そこで最新のテクノロジーを駆使して軽量化したバイクを見ては、その値段にため息をつく訳ですが、速く走るには高級バイクよりもウェアが重要というお話。

YouTubeでGCNというチャネルがあり、時々いろいろなロードバイクに関するテストを行っているのですが、どうもウェアの選択やタイヤの選択が、ロードバイクの違いよりも速度に大きく影響するという結果が出たそうです。

ロードバイクは高いものは100万円近いものもあり、凝りだしたらキリがない世界ですが、ウェアは高いと行っても数万円出せば最高級のものが買えますし、タイヤは1本1万円も出せばツール・ド・フランス級のものが買えます。

なんとなく高いバイクに乗れば速く走れるような錯覚がありますが、物理的にはウェアによる風の抵抗や道路とタイヤの抵抗の方が影響が大きいそうです。

これ以外にも、クリップレスペダルがそれほどフラットペダルに比べて速くならないとか、細いタイヤより太いタイヤの方が走行抵抗が低いなど、自転車の装備に関しては常識をくつがえすテスト結果が出ることが多いです。

日本語版GCNもありますから、サイクリングへのモチベーションを維持することができるのではないでしょうか?

春節の爆買い復活

新型コロナが収束しつつあるのか、ひどくなる一方なのか、よく分からなくなってきております。

そこへきて中国の春節の時期がきて、中国人がこぞって日本の医薬品を爆買いするとの予測が飛び交っています。

中国で新型コロナが本当に収まっているのならそんなに薬は必要ないでしょうから、薬を買う元気があるうちに次に備えて買い出しに来ているということでしょうか。

折もあろうにジェネリック薬の供給不足から、日本国内だけでも一般の風邪薬や解熱剤が品薄状態が続いていますから、これに加えて爆買いをされたらスッカラカンになってしまうでしょう。

供給がマスクほど簡単に増やせないでしょうから、まだまだ数年に及んで薬品の品薄状態が続きそうです。

まあ観光業界では落ち込んだ需要が少しでも戻ることの方がありがたいのでしょうが、中国からの爆買い集団は、それほど観光収入にはつながらないというニュースもあります。

都市部の薬局やツーリスト用の安いホテル以外にはあまり大きなお金を落とさないらしいですが、これからも継続的に観光を外貨獲得の手段として活用するためには、もっと他の国々からの観光客に向けた高級ホテルの建設や観光施設の整備など、様々な対策を講じる必要がありそうです。

ところで、今年はスギ花粉の飛散が多いという話ですが、今は新型コロナ関連の薬が品薄ですがそのうち日本のアレルギー薬が一掃されるような事態にならないでしょうか?

意外と薬品の流通体制が脆弱だった事が分かりましたから、危機管理の一環として安心できる医薬品の供給体制を整えていただきたいものです。