サンキューハザードに代わるもの

車を運転していて道を譲ってもらったりしたときに、サンキューハザードと銘打ってハザードランプを短く点滅させるという、マナーと言って良いのかどうか分からない、いわゆる風習のようなものがあります。

私見ですが、40年ぐらい前から名古屋あたりのドライバーが始めたように記憶しております。まあ何かしら感謝の思いを伝えたいので、普段余り使わない機能を代用したのだと思います。

しかし、最近一部の識者から、ハザードランプは危険を回りに知らしめるためだけに使うべきだという指摘があります。

確かに本当に危険が迫っていてとっさに対処しなければならないときに、感謝のしるしか危険のしるしかを判断している余裕はありません。

以前は似たようなときに、一瞬パッシイングライトを使うとかクラクションを短く鳴らすといった技もありましたが、どちらも威嚇する意味にも取られるので次第にサンキューハザードに取って代わられたようです。

そこで、最近は「Thank Youランプ」なるものが開発されたらしく、ドライバーの操作によって車の後ろ側にメッセージが点滅するものが流行りだしているそうです。

何か昔のタクシーの追加ストップランプのようであまり格好が良いとは思えませんが、ハザードランプを使う危険性がないのはよい点だと思います。

ところで、自動車のクラクションは車対車用を想定した音量になっているのでしょうが、最近の電車では本来の警笛に加えて、駅の通過時や発射時に注意喚起するためにソフトな音源が採用されていることがあります。

このようなソフトな音源を使った警笛装置を自動車やオートバイに採用すれば、これまでなら大音量のクラクションを躊躇われた場合でも使いやすくなりますし、サンキューハザードの代わりにもなるかも知れません。

英国では、新型コロナ禍に伴って自転車通勤が増えた結果、自転車が人を抜かすときに危険な場合に、”I’m passing~”と鳴るアラームが販売されているそうです。

自転車でさえも、ベルを人に対して鳴らすことは道交法違反ですし、今更「そこどけそこどけ、お馬が通る!」ではないでしょう。

“Thank you” というよりは”Excuse me”アラームといったところでしょうか?

もし合成音声でできるのなら、”Exccuse me~!”でも良いですが、「ごめんあそばせ~」や「ちょっと通しておくれやす!」みたいなものも楽しかろうと思うのですが、すぐに「道路がうるさくてたまらん!」と言われそうですね。

日本のカレーが伝統料理で世界一

TasteAtlasが主催する“Best Traditional Dishes in the World”で、日本のカレーが堂々の1位になったとのこと。

カレーが日本の伝統料理になっていることに、伝統を形成するのに数百年は必要と思っている日本人には違和感があります。

ましてやカレーはインドだろう!

TasteAtlasのサイトを見てみると、1位になったのは確かに日本のカレーですが、最高のレストランとして札幌のスープカレーの店が紹介されていて、しかし掲載されている写真はどう見てもカツカレーです。

1位以外にも日本のカレーライスがランクインしていますので、日本のカレーが伝統料理で1位になったというより、記者が札幌の特定のレストランが提供するスープカレーを食べたら、世界一美味しいと思ったという程度に考えるのが妥当かもしれません。

ランキングの真剣さ度合いは、B級グルメコンテスト並みというところでしょうか。

その他には、大阪道頓堀の一蘭とんこつラーメンや大阪の法善寺横丁のカツ丼、松屋の牛丼もランクインしていますから、実際に海外に行って食堂を物色する時に参考にするには良い情報かもしれません。

法善寺横丁のカツ丼はかなりディープな感じがしますが、旅行で日本を訪れる人にとっては、観光名所で手軽に味わえる日本情緒ある食事と言えるかも知れません。

鼎泰豐(ディンタイフォン)の小籠包で上海の支店が紹介されていたり、エビフライで京都の「かつくら」が紹介されていたりするのも、料理そのもののオリジナルがどこにあるかというよりも、「旅行で訪れるならここで食べられるよ」といった感じでしょうか。

TasteAtlasは、英国ベースの旅行情報を提供している企業のようです。あまり美味しい料理がないと言われる英国が、せめて旅行では美味しいものを食べたいという執念を感じてしまいます。

だいたい美味しい料理が少ない国では他国の料理が普及するようですから、ロンドンにおいしい中華料理屋が多かったり、ブリュッセルの路地裏においしいイタリアンレストランがあったりするのかも知れません。

TasteAtlasのサイトには、このランキング以外にも料理のジャンルごとや世界の地域ごとのランキングも掲載されていて、何も日本のカレーだけが絶賛されている訳ではなく、イタリアのピザも堂々1位にランクインしています。

TasteAtlasの名前通り、海外旅行に行った時に近くに紹介されたレストランがあれば、試してみるとよいのではないでしょうか。

日本人が得意なサイズ

昔から「末は博士か大臣か」と申しまして、小さい頃には「何と聡明な子だ!」と思われていても、大きくなるに従い輝きを失い、「大人になったらただの人」になってしまうことはよくあることです。

同級生で小学校のときはあんなに賢かったのに、中学・高校と進むに連れて目立たなくなり、そのうち消息さえ分からないなんてこともざらにありまあす。もちろん小さいときから目立たないこともありますから、少しでも目立っていた時期があっただけ幸せかも知れません。

三菱重工が旅客機の開発を断念すると言うニュース。数年前に試験飛行を始めた頃は、戦後初めての本格的な飛行機の成功を確信していたものでした。

産業の空洞化が叫ばれていましたから、工業分野の裾野が広い航空機に対する期待も大きかったのです。

経済環境の変化やアメリカでの認可取得のトラブルなど、技術的な問題以外で足を引っ張った要因も多かったですが、必要な技術のサイズ感が日本には大きすぎたのかも知れません。

さっきの同級生の話に戻りますが、例えば小学校の勉強は得意だったけれども中学から急に難しく感じたとか、中学は簡単だったけれど高校で落ちこぼれたという人も多いかと思います。

人それぞれで得意な複雑さというのがあって、他の人よりパフォーマンスがよい範囲みたいなものがあるように感じます。

日本が技術立国だと思っていたのも、テレビやビデオ、半導体や自動車など、部品点数が飛行機より数桁低いものです。

飛行機の部品点数を設計・管理するためには、半導体や自動車の技術とは違う発想や仕組みが必要なのでしょう。

特にデジタル化によって電気製品の部品数は格段に少なくなっているので、日本が得意とする部品数より製品規模が小さくなってしまい、その程度のサイズを得意とする国々に覇権を取られています。

一方、自動車もEV化で部品点数が劇的に減少しており、これまでは自動車をシステムと捉えて全体最適化設計をしていたところが、モーター、バッテリー、サスペンション、ボディ等、それぞれの部品を最適化してしまえば、以前に比べてそれほどインテグレーションには技術はいらず、それらを組み合わせるだけで最高の車を作ることができるようになりつつあります。

日本人は品質に厳格だったから、高品質な製品が世界を席巻したのは30年前までの話。

すなわち、ここでも日本の得意とするサイズ感より小さくなっていて、今後もこの分野で世界の競争相手と伍して行くためには、これまで良しとされてきた品質管理方法や品質基準を数段緩和する方向に修正が必要になるのではないかと思います。

日本人の衛生観念

長らく日本人はきれい好きだと言われていました。

「街にはゴミ一つ落ちていない。駅も商店も公共のトイレも清潔である。銀座の通りは世界で一番きれいだ。」

まあ引き合いに出される海外の街並みは、ニューヨーク市の53番街みたいな薄暗いゴミが舞うようなところばかりですから、比較する対象が間違っていることもありましたが、概ね日本人はきれい好きという事で、内外ともに共通認識だったような気がします。

日本人のきれい好きと言えば思い出すのが、ビールやコーラなどのアルミ缶のプルトップからステイオンに変わったときです。

それまでは日本のアルミ缶には、引っ張って取れるプルトップ式が使われており、小さいものですからそこら辺に投げ捨てる人が多く、公園の砂場や海水浴場で足を切る人が多かったのです。

そこで、海外ですでに普及していた、缶を開けた後もめり込んだ形で残るステイオン式に変更されたのですが、その際に、缶に外部にあった缶の一部が飲み物に接する缶の内部にめり込むのは、日本人の衛生観念からして普及しないという意見が多かったのです。

しかし、(文字通り)蓋を開けてみると、特に大きな問題にもならず、ステイオンがそのまま受け入れられたのです。

今から思えば、缶の一部がめり込むより、平気で缶の外部にベチャッと唇を付けて飲んでいたのですから、日本人の衛生観念は不思議です。

ところで、今話題になっている回転寿司を始めとする衛生マナーの問題ですが、若い人の中には、本格的な寿司屋で人の手で握った寿司は気持ちが悪くて食べられないという考えがあるそうです。

ですから、そのような人たちにとっては、回転寿司は高級寿司店より衛生的だったわけですが、今回の騒動でそれも疑わしくなっています。

そういえば、昔から高校の授業の雑談で「寿司屋のおやじがトイレでちゃんと手を洗っているか怪しいぞ!」という話がありました。

これは個人的な見解ですが、モールやデパートのトイレで男性のうち3分に1ぐらいは、手を洗わずにそのまま出ていきます。(ものの大小は問わず)

寿司屋のおやじ(おやじがやっている寿司屋が今もあるか疑問ですが)が、必ず残りの3分の2に入っていればいいですが、、、

よく中国人はレストランに入ると、まず箸やナイフやフォークを紙ナプキンでゴシゴシ拭っています。アメリカに長く住んでいた中国系の人も、熱心に拭いていました。

これから日本人も回転寿司に入ったら、湯呑や醤油をアルコールティッシューで拭きまくるようになるのでしょうか?

アルコール週140gの呪縛

少し前に「アルコール管理アプリ」という投稿で、飲酒量を管理するアプリをスマートフォンにインストールして、毎日の飲酒量を管理(出来ればに話だが)しようという話を書きました。

しばらくは続けていたのですが、いちいち記録することが面倒になり、中途半端なデータが残ったアプリもアンインストールしてしまいました。

結局アプリにデータを記録することだけで安心してしまい、飲酒量を管理するまでには至りませんでした。家計簿に毎日支払いした金額を書き込むだけで、家計を管理していると錯覚するのと同じでしょうか。

さて飲酒量はイギリスのある研究によって、週当たり140gのエチルアルコール量を超えると健康に影響を及ぼし始めると言うことから、1日当り20g以内に抑えると安心だと言われております。

もっともアルコールは1滴でも健康に悪影響が出るという説もありますから、人によって限度の設定は違うかも知れません。

いずれにしても、アルコール摂取量を測るにはエチルアルコールの体積ではなく質量が重要なのですが、ここで疑問が生じます。

例えば、500ml缶のビールがアルコール度数が5%の場合、500ml x 0.05 = 25ml となり、アルコールの比重が0.8(アプリでは0.79で計算していましたが、)ということで、25ml x 0.8g/ml = 20g となります。

つまり、毎日飲むのなら500mlで5%のビールを、週7日飲めば限度を超えないということで、安心してロング缶を毎日飲んでおられる方も多いかと思います。

ただ、小学校の理科で習ったとおり、水とアルコールは混合すると体積が減ります。しかし、いくら(何%)減るかというデータは見かけたことがありません。

「混ぜて体積が減るのなら、もう少し飲んでも構わんか!」と常に多い目になっている方もいるかも知れません。(それは私!)

おそらく、容積というのは液体の温度や撹拌状況によって変わるのでしょうが、大概のアルコールの計算は、全体の容量にアルコール度数をかけたものに、比重の0.8をかけて求めているようです。

正確なアルコール量を計算したいという要望があったのかどうか分かりませんが、最近になってアルコール飲料の度数表示を、容量に対する度数ではなく、アルコール重量で表示する動きがあるようです。

つまり「この缶には何グラムのエチルアルコールが入っています」という表示に変わりつつあるということです。

これなら容量から計算する必要がありませんから、20g以内かどうかをすぐに判断できます。(ただし判断できるうちは、、、)

まあ、結局アルコール度数には誤差が付き物らしいですから、あまり計算方法にこだわってもアルコール量が正確に求まる訳ではありません。

ましてや週140gを超えたら急に病に伏すということでもありませんから、健康に気をつけながら、迷惑にならない程度に楽しく飲酒することが大切だということでしょう。

ところで、サッポロのチューハイにフォーナイン(99.99)と称したものが出たとき、「アルコール度数99.99%だと!」と色めきだったあなた!(これも私です。)

これはアルコール度数ではなくアルコールの純度だということですが、つまりアルコール飲料中のアルコールにはエチルアルコール以外のもの、例えばメチルアルコールなどが含まれているらしく、それらがいわゆる悪酔いの原因になっているとか。

よく醸造酒のワインやビールが悪酔いすると言われますが、アルコール純度が原因だったのかも知れません。

また、エチルアルコールの純度は、95%ぐらいになると特殊な(毒性の強い)薬品の力を借りないとそれ以上純度を上げられないと言われています。

99.99%の純度がどうやって達成できたか? まだまだ疑問が尽きません。