秋田の熊はかわいそうか?

秋田で被害をもたらした熊を駆除したことで、熊が可哀想と非難の電話が役所に殺到しているらしいです。

野生の動物が人の里に出てきて農作物に被害が出ているだけならまだしも、多くの人が襲われている現状では殺処分も致し方がないことのように思えますが、それでも動物愛護的な考えで殺さずに済ます方法を選ぶべきだと考える人がいるのでしょう。

より良い解決方法があるのなら検討するべきでしょうから、アイディアを出し合うことは良いかもしれませんが、現状では殺処分以外の良策は見当たらないということでしょう。

どうも日本では熊はクマゴロウやプーさんのイメージで考える人が多いようで、愛玩動物のような感覚を引きずっている人が多いようです。

北米のグリズリーならいかにも凶暴なイメージがありますが、それも映画でそのように取り上げられていたからで、どうも日本人にはオオカミは怖いイメージが合っても、熊はぬいぐるみのように思ってしまうのでしょうか?

実際に被害にあった人でなければ、熊の恐怖を語れないのかもしれませんが、猿なら山に追い返すことができても、熊はそう簡単には行かないようです。

それより怖いのは、熊は一度味をしめると繰り返す習性がありますから、ゴミを漁って食べ物があることを覚えればゴミ漁りを繰り返し、人間と戦って勝てることと人肉が食用に耐えることを覚えれば、繰り返し人間を襲うようになります。

つまり熊に餌を与えたり熊の行動範囲に食べ物を放置する事が、如何に危険なことであるかを気づいていない人が多いのではないかと思います。

つまり、猿やイノシシと、熊は対策がまったく違うことを、もっと国民に徹底して理解させることがまっさきに必要なことだと思います。

以前北海道の観光道路で車に寄ってくる熊が報道されていましたが、おそらく車から餌をやった人がいたのでしょう。このような無知な行動によって熊の活動範囲がどんどん人の生活圏に近づいて来たのでしょう。

日本各地で熊の被害が出ていますから、少なくとも都道府県単位で熊に対する知識を広め、正しい熊への対処方法を示し、長期的な熊対策を策定するべきでしょう。

いつまでも熊と戦ったニュースが出ることは異常です。できるだけ早く熊の被害が収束することを願います。

調剤薬局の功罪

ドラッグストアが調剤事業を取り込んで調剤薬局の業務を侵食しているというニュースが、東洋経済オンラインに掲載されています。

利益率が3割と高いために、薬剤師さえ配置できればおいしい商売のようです。

確かにUSでは調剤薬局のようなものは見たことがなく、医者に行って薬はどこで買うかと尋ねれば、どこのスーパーマーケットでもドラッグストアでも扱っていると言われます。

一方、日本は小規模なクリニックや医院の近くに、必ず調剤薬局がほぼ併設に近い状態で建っていることが多いです。

おそらく、日本の医療が大量に薬剤を処方する習慣があることと、調剤薬局の利益率が高いことが相まって、近くに数件のクリニックがあれば薬剤師を常駐させても十分に元が取れるほど設けが多いのでしょう。

確かに家族で調剤薬局を経営している人の家には、3~4台のベンツを始め外車が並んでいることは珍しくありません。

もう50年近く前になりますが、高騰する処方薬の対策として医薬分業が打ち出され、医者が薬を売って儲けることができなくなりましたが、その結果医療機関の系列で調剤薬局が併設されるようになり、薬の大量処方は改善されなかったばかりか、無駄な処方箋料や処方技術料が加わりかえって医療費が高くなったのです。

調剤薬局が相変わらずおいしい商売であり続けるのは、業界の裏事情がありそうですが、最近のジェネリック薬の供給不足も含めて何らかの改善が望まれるところです。

今後は高額な処方薬が保険対象になることもあり、処方薬業務が「さらに金のなる木」に見えて異業種からの参入もこれまで以上に増えるでしょう。

健康保険事業の継続のためにも、タイムリーで正しい施策を打ち出してもらいたいものです。