新聞や雑誌などに、定年近くになって早期退職する方が得とか損とか、定年退職後の再就職や転職などの記事が溢れていますが、経験上そのような記事通りになることは稀ではないかと思います。
全く参考にならないとは言いませんが、あまりあてにはならない。なぜなら憶測だけで経験者でない人が書いているから。
本人がそれまで働いてきた経験や業種にもよりますが、人手が足らない業種なら定年後でも経験を活かす職を見つけることができるかもしれませんし、人が余っている業種なら同業では職はないに等しいでしょう。
私の場合は後者。半導体のエンジニアは日本中の企業が一斉に首を切っていましたから、再就職したいような企業はどこも火の車。
最近になってくりすぎた人材を補充する動きがありますが、それも適当な経験があって比較的若い人材が採用されることはあっても、定年を経験したような人をなかなか採用はしないようです。
もう一つ、採用してくれる職があったとしても、給与が希望する額の2割3割り引きならば御の字で、半分や4分の1なんてのはザラです。
仕事があることに感謝するのが精一杯で、生活レベルが維持できないとかローンが払えないなんてことを言っている余裕はありません。
職業の流動化や転職市場の云々が叫ばれていますが、もちろんそういう労働市場はあるにはあっても、定年とペアで考えるところにはないと思います。
でも年金をもらいながらやっと生活できる程度の給与で雇われると、今度は若者の職を奪うことになりかねない。
シニアはあまりパフォーマンスを上げずに適当に働く喜びを感じるぐらいが、今の時代に相応しいのでしょうか?