鉄腕アトムが好きになれない理由

私が子どもの頃、TVアニメが流行りだした頃でした。(と言うか、テレビが一般家庭に普及した頃で、アニメという言葉はまだなく「テレビマンガ」と言っていました。)

鉄腕アトムは今に至っても健在で、ロボットを超えて将来のアンドロイドの登場を示唆する、科学技術の進む道を象徴した対象として、日本人の感覚の中に入り込んでいます。

最近、アトムのアニメで効果音を担当されていた方が亡くなったというニュースがありました。特にアトムの歩行音が有名だったそうですが、確かに単なる機械音でなく人間味がある効果音が、アトムの特徴の一つであったような気がします。

ただ、昭和30年代の頃を思い出すと、私はアトムより鉄人28号の方が好きでした。

アトムは人間味が濃すぎて、ロボットというより人間を超越した存在に仕立て上げられている感じがしました。何となくアトムに人間が下に見られているというか、アトムの言うことやることが正義だと押し付けられているところが、子どもながらに嫌でした。

JR新長田駅前の鉄人28号

その点、リモコンを取られたらすぐに悪者に利用されてしまう、「ガォー」としか叫ばない鉄人28号の方がよりロボットらしく感じられ、「人の役に立つ機械」という感じが好きでした。

当時グリコのおまけが人気でしたが、鉄人28号はおまけに入っていることがありましたが、アトムはなかったような気がします。(著作権使用料が高かったのか?)

大体、アトムのテーマソングの中の、「ジェットの限り~」とか「科学の子」という舌足らずなフレーズに違和感がありました。(「ジェット燃料の続く限り」とか「科学が生んだ子」だろうと。)

そんなこんなで、あれから50年以上が経っても未だに鉄腕アトムには違和感を感じて、JR新長田駅前の鉄人28号のモニュメントには定期的にお参りするのでした。(これはお参りと言うのか?)