大阪万博2025が終了して

開幕前から揉め事が多かった大阪万博でしたが、終わってみたら十分な入場者と運営費が黒字になったことで、万博の成功を祝う言葉もたくさん飛び交うようになりました。

関西限定で盛り上がっていたという話もありますが、インバウンドの影響もあって宿泊を伴う国内力に対するハードルが上がっていますから、日帰り旅行限定になってしまうのは仕方がないことかもしれません。

ニュースでインタビューされている人の中には、20回以上訪れたという人も多く感じますが、最初からそのつもりで通期パスや季節パスを購入していれば、自ずと訪問回数は増えるでしょうから、総入場者数も少し差っ引いて考えないといけないかもしれません。

開催費用や開催テーマ、大屋根の建設コストや3億円トイレなど、最初のうちは無駄な税金の使い方の避難が集中していましたが、実際に利用してみるとそれぞれの価値を認識するようになって、不満が徐々に収まってきたようです。

半年の会期が終われば解体撤去される前提で作られたパビリオンなどは多いのですが、2割ぐらいは解体移転後再利用されるそうですから、それなりにサステイナブルを考慮しているのではないかと思います。

ただ、再利用というといかにも低コストで資源を大切にしているように感じますが、大屋根に関しては残すことがサステイナブルかどうか怪しいところです。

1970年の大阪万博でも、閉幕当初は保存前提の鉄鋼館に加えて、日本館と大屋根も残すはずでしたが、いざ保存して行くとメインテナンス費用が巨額で、数年の後に日本感と大屋根は撤去されることになりました。

今回の大屋根も、期間中のように大勢の人が上って歩き回るのなら存続の意味はあるのでしょうが、閑散とした記念公園にたまに散歩に来る人が利用するだけでは、維持できるでしょうか?

場所が不便なだけに、記念公園にしても余程高い入場料を取らなければ、大屋根のメインテナンスコストを賄う事は到底できないでしょう。

奇をてらったバカでかい木造建築が、ここにきて仇になってしまう可能性が高いです。

今回の大阪万博が、最後の最後に行政の長年の重荷になってしまわないように、入場料が黒字だったと浮かれていないで、今後の維持コストについても真剣に考えていただきたいものです。