唐突ですが、自分で自分のことを悪人と思っている人って、どのぐらいいるでしょうか?
おそらくみんな「自分は良い人だ」と、「模範的で善良な国民だ」と思っているのではないでしょうか?
ところが、街を歩くとタバコの吸い殻が落ちていたり、犬のフンが落ちていたりして、「何とマナーの悪い人が多いんだ!」と怒りがこみ上げるわけです。
電車に乗ったら、濡れた傘を人に押し付けて来る人、リュックのストラップやポニーテールをムチのように振り回して人の顔をひっぱたく人、靴で人の足を踏んでも無言の人、平気で電車内で通話している人。
悪人で溢れかえっています。では、この人達は自分を悪人だと認識しているでしょうか?
タバコの吸い殻を道にポイ捨てするときに、昨日は2本吸ったけど今日は1本で我慢したので朝から良いことをしたと思っていたり、電車に乗っているときに不可抗力で電話がかかってきたけれど、要件だけ手短に話したので周りの人を気遣う優しい良い人だと思っていたり、、、
だからみんな自分を善人だと思ってしまうのですね!
「武士の情け」ってやつですか? 「少しばかりは許してやろう」みたいな。
人の財布を盗って、お札を全部取らずに1枚だけ残して「武士の情けじゃ」と言いながら財布を捨てていく盗人が、自分は心の優しい善人だと思っている?
「五十歩百歩」、「目くそ鼻くそを笑う」。
本当は目くそも鼻くそも汚いものではなくて美しいということか?