貯蓄が駄目なら投資も駄目!

老後2000万円問題に発する貯蓄から投資への誘導ですが、最初から怪しかったわけです。

そもそも経済が膨張しているから(つまりインフレ)貯蓄に利息がつき、銀行は資金を融資してさらにたかい融資金利を稼ぐわけです。

ところがデフレになって利息が下がってくると、貯蓄では利息が付かないので投資をしろとiDeCoやNISAと勧めてくるわけです。

ですが金利が下がるのは投資しても儲けがなくなっているからですから、素人が銀行に変わって投資をしたところでうまくいくわけがありません。要するに体の良いギャンブルです。

確かに売買益に対して所得税がかからない点は優遇されていますが、それは過去に投資液に対して高すぎる所得税をかけていたから得に見えるだけで、基本的に儲かる状況に世の中が変わったわけではないのです。

トランプショックで数日で急落した株相場ですが、NISAの勧誘に断りきれなくなって振り回されている素人投資家には、半年ごとの試練に耐え続けなければならないのは、金利を待っていればよいだけの貯蓄に比べるとストレスの掛かる作業に違いありません。

投資を娯楽と捉えて楽しめる人は良いのですが、本気で老後資金を残すためにやるにはリスクが高すぎると言えましょう。

入ってくるお金を2倍に増やすのは大変難しいです。だって誰もがたくさん入ってきて欲しいので奪い合いになりますから。

しかし、使う金を20%削減するのはどうでしょうか?

投資のリスクを負って収入を25%増やすギャンブルをするより、生活費を20%削減する方が安全で確実です。

プロの投資家は、失敗しても給与が減るだけで生活はできますが、素人は投資に失敗すると生活ができなくなります。

決してリスクを軽視しないように心がけたいものです。

経済の化けの皮

いろいろなバブルの弾け方がありますが、今回のような弾け方は誰も予想すらしていなかったのではないでしょうか?

まあ予想ができるようならそもそもバブルにはならない訳ですが、これほど激しく株価が暴落するとは、まさかここまでという感想を持つ方が多いのではないでしょうか?

さすがにUS国内でもトランプ大統領の奇策にデモが頻発しているようですが、USの復権をもたらす救世主なのか単なるデストロイヤーなのか、判断が難しくなってきました。

この状況を見てよく分かるのは、経済などというのは物的に存在しないものに値を付けて、いかにもお金を出して欲しがるように見せかける幻のようなものだということです。

もちろん物的に存在するものでも、新しいうちは価値があっても古く使い古されればすべてゴミにしかなりませんから価値が消えていくのは同じですが、そう1日や2日で幻のように消えていくのは経済の宿命と考えるべきでしょう。

体制や法律が変化すれば、それに伴い物事の価値が大きく変わることはよくありますが、関税の操作一発で世界中がひっくり返る様は、それほど複雑なことをしなくても世の中を変えることができるということかもしれません。

もう経済評論家も支離滅裂、ちゃんと解説できている論説はありません。

初めて目にする経済の例題を、誰が最初に解き明かすのかが見ものです。