年末調整を廃止

自民党総裁選で選挙戦の目玉にしようとするのか、これまで取り上げられてきた事案が掘り起こされることがあります。

今回ならば、健康保健証のマイナカードとの一体化や年末調整の廃止などでしょうか? どちらも以前から一筋縄ではいかない賛否両論があるいわく付きの案件です。

古いテーマならいちいち説明しなくても事の重大さは共有されていますから、これを何とかしますと言い切ればそれに対する期待感で優位に立てるということなのでしょう。本当にその問題を解決することが目的でなく票稼に過ぎません。

年末調整は、通常の給与所得から控除されるべきものを年末に領収書を集めて会社に任せれば、12月の所得税の額を調整することによって控除を済ませることができる、従業員にとっては楽であるものの当たり前のように思っている人がほとんどでしょう。

80年代にパソコンが普及し始めた頃、アメリカでは確定申告を全員がするからパソコンが欠かせないが、日本は年末調整があるのでパソコンの必要生が低いなどと言われたことがありました。

日本では銀行の金利に最初から20%の税金が取られてしまっていて、その後確定申告をしても返ってきません。年末調整をなくすのならば、利子に対する総合課税と分離課税に関しても手を入れなければならないでしょう。銀行・証券システムの大きな変更を伴います。

その後、インターネットとスマホが普及して日本でも確定申告はスマホで簡単におこなえるようになりましたが、その前に保険料控除や住宅融資控除など、そもそも時代に合わなくなった控除制度も多くなったように思います。

年末調整も、本来政府や自治体が計算するべきところを企業の総務にやらせているのですから、それ自体があるべき姿であったか怪しいところです。

取って付けた思いつきで過去の問題を話題に持ち上げるだけではなく、政府や自治体の業務体系に基づいた改革をお願いしたいものです。

平均年収1割増だと!

まあ他人のことですからどうでも良いのですが、伊藤忠商事が社員の年収を平均1割増額するというニュースです。

同業他社の基準と同じレベルに引き上げて、名実ともにトップグループ入を目指すというところでしょうか?

総合商社は、長年学生の人気業種として君臨していますが、最近台頭してきたコンサルタント業界と優秀な人材の取り合いになっているということで、年収を学生に魅力的なものにする意図があるのでしょう。(それだけではないでしょうが。)

しかし、年収を平均で1割も一気に増額できるとは製造業などでは簡単にできることではなく、コンサルタントや商社が如何にボロ儲けをしているのかとか勘ぐらずにはおられません。

商社が設けすぎているから日本の製造業が落ち込んでいるというのは、普通に考えれば確かなことで、世界に打って出る企業力がなかった昭和の初期なら商社の力が強大であることは必要だったでしょうが、今になっても商社が強力でなければ立ちいかない日本の産業構造というのはどうなんでしょうか?

コンサルタントにしても同様で、プロとしての社長や経営者がいるにも関わらず、大金を払ってコンサルタントを雇うとは、社長のポケットマネーで払うならいざ知らず、会社の経費で払うのだったら社長の給料はいらんだろうと思っているのは私だけでしょうか?

古今東西、無駄な仕事には大金が転がり込んできて、一番底辺でしかし一番欠かせない仕事にはお金が回ってきません。

それをうまく回すのが経済や政治だと思うのですが、、、