「姫路城~大阪城100Kmウォーク」の問題

姫路城から大阪城までの100Kmを歩く競技が、10月26日と10月27日にかけて開催されます。

エキスパートクラスを称する最難関は24時間の時間制限があり、平均時速4.2Kmで歩ききらなければなりません。

徒歩で4.2Kmというと簡単なように思いますが、グロスとなると歩行時はその1.5倍らいの速度を出さなければならないでしょう。

チャレンジクラスは制限時間が26時間となり、こちらの方が楽かと思えばそれほど楽になるとは思えません。そもそも24時間とか26時間連続して屋外で活動をすること自体が困難です。

ましてや途中で睡眠を取るともなれば、あっという間に2~3時間が過ぎてしまい、歩行速度を上げなければ時間内のゴールは難しくなります。

もちろんクローズドされたコースでなく、交通制限もできないオープンコースですから、交通ルールの遵守は絶対に守らなければなりませんが、100Kmコースの定員が1500人という規模ですから、安全にどこまで配慮できるが疑わしいところです。

このような競技と日常の要素が合わさったイベントには危険が伴います。一般のコースを通ることから、安全は個人責任でと主催者は逃げるのが常です。

参加者は競技に参加しているつもりで多少の無理は許されると考えがちですが、主催者は日常の交通法規遵守を守ることを前提にしています。

神戸ではこれと似たようなイベントとして六甲山縦走というのがあり、毎年2回行われていていますが特に目立った事故は近年お目にかかったことがありません。

それなりの経験者が、マナーを守っていれば安全が確保されるということでしょう。

また、長時間かけて長距離を走るブルベという自転車の認定競技がありますが、こちらも最短で200Kmを13.5時間で走破するという点で似ています。

一般の道路を通常の交通法規を守って走行するのが前提なので今回のイベントと似ていますが、安全には十分すぎるぐらい配慮しています。

それに比べると今回のイベントは、「途中でリタイヤする方はどうぞご自由に」というスタンスが強く感じられます。

参加資格もありませんし、歩くだけなら誰でも参加可という気楽なイベントのように見せていますが、24時間ぶっ続けで歩くことがどれほど過酷かをもっと周知するべきでしょう。

また、この手のイベントで気になるのは、かかった経費に比べて参加費が以上に高いということです。しかも運営にボランティアを募集しています。

なんか経費がかかる運営のちから仕事はボランティアにやらせておいて、参加費だけ主催者側がたんまり儲けようとしている魂胆が見え透いています。

どうして旅行会社がこのようなスポーツインベントの主催者になる必要があるのでしょうか?別に旅行の手配をするわけでもないのですから、小遣い稼ぎと思われてもしかたありません。

このような金儲けのネタを提供するのではなく、人々の健康や生活を豊かにするために長く続けられるイベントを育てていただきたいものです。

公的年金は3階建て?

よく年金の説明に使われる「公的年金は3階建て」という文句がありますが、いかにも日本の年金制度は手厚く、何重にも保証が積み重なっているので安心だと思わせようとしています。

保険の勧誘によく似ていて、いろいろな事態を想定して保証するのはいいのですが、けっして起こり得ないような事態に対しても保証があるから安心だという、詐欺まがいの宣伝文句もたくさんあります。

自営業や従業員数の少ない従業員なら平屋でペラペラの、最低限の生活も保証できない国民年金しかなく、会社員でも2階の厚生年金が増えるものの、それでも安心とは言えません。

そして3階建てといえば、それは年金と同じ定年後にしか受け取ることができない個人的な貯金に過ぎません。確定居室年金は企業が本来払うべき給与の一部ですから、これを公的年金の一部に組み入れてしまうのは虫が良すぎます。どこにも公的年金と呼べる要素がない!

しかも国民年金は支払額が少ないために、厚生年金の積立金を狙って年金額を維持しようとしています。これを国民年金の破綻と言わずになんと言いましょう!

年金制度の改革の必要性が叫ばれて何十年も経ち、今だに同じところで議論(と呼べるかどうか分かりませんが)している様を見て、100年は大丈夫だと言われた年金制度が、100年後も同じ問題を抱え続けていることを予想するのは私だけでしょうか?