人材が足りないのは人が足りないのではない!

最近は、特にIT関連の人材や半導体関連技術者の人材不足が問題になっています。

半導体の技術者は2000年になった頃はたくさんいたはずですが、企業や政府が技術を理解せずないがしろにしたおかげで、すっかり技術者の数は減ってしまい、それと同時に継承されるべき技術も中国に吸い取られたか、あるいは消滅してしまいました。

またAIや深層学習などの分野が注目されている割にはその分野の専門家も足りておらず、一部の人材に企業が群がって実力以上の賃金をかけた争奪戦になっています。

一方、仕事がなくてしかたなく労働集約的な仕事に着き、昔の日雇い労働に近い低賃金で苦しむ人達も多いわけです。

つまり人材が足りないといっても、特定のスキルを持った人が圧倒的に足りないということが起こっているのですが、これを少子化と結びつけて人口減少問題にすり替えて議論している事が多々あります。

業務にふさわしい人材がいないのは教育が悪いからで、社会が必要とする教育ができていないのは小学校から大学に至る教育制度の問題であって、少子化を解決して人口を維持すれば解決する問題ではありません。

人口減少については、海外からの移民による解決を目指そうとする人たちもいますが、果たして期待された人材としての移民が期待できるでしょうか?

IT人材に関しては、1980年代には既に将来不足することが唱えられていて、それから40年以上経っているわけですが、その間ソフトウェアの教育終了者が増えてきた兆しはありません。

80年代から全国で大学が新設や拡張が行われてきましたが、どう見ても社会が求める人材を養成してきたのではなく、単に大学に集まるお金に亡者どもが群がっているに過ぎません。

どうして40年前に気づいている社会の要請に、教育機関が応えられないのでしょうか?

そろそろ日本もアメリカ合衆国の真似をして、ギャンブルのようなマネーゲームに興じることは止めて、社会の変革を見据えた進歩を遂げてもらいたいものです。