よく年金の説明に使われる「公的年金は3階建て」という文句がありますが、いかにも日本の年金制度は手厚く、何重にも保証が積み重なっているので安心だと思わせようとしています。
保険の勧誘によく似ていて、いろいろな事態を想定して保証するのはいいのですが、けっして起こり得ないような事態に対しても保証があるから安心だという、詐欺まがいの宣伝文句もたくさんあります。
自営業や従業員数の少ない従業員なら平屋でペラペラの、最低限の生活も保証できない国民年金しかなく、会社員でも2階の厚生年金が増えるものの、それでも安心とは言えません。
そして3階建てといえば、それは年金と同じ定年後にしか受け取ることができない個人的な貯金に過ぎません。確定居室年金は企業が本来払うべき給与の一部ですから、これを公的年金の一部に組み入れてしまうのは虫が良すぎます。どこにも公的年金と呼べる要素がない!
しかも国民年金は支払額が少ないために、厚生年金の積立金を狙って年金額を維持しようとしています。これを国民年金の破綻と言わずになんと言いましょう!
年金制度の改革の必要性が叫ばれて何十年も経ち、今だに同じところで議論(と呼べるかどうか分かりませんが)している様を見て、100年は大丈夫だと言われた年金制度が、100年後も同じ問題を抱え続けていることを予想するのは私だけでしょうか?