兵庫県知事に品格はないのか?

兵庫県の斉藤知事に非難が集まっています。

初めのうちは事態がよく分からないこともあって情勢は五分五分でしたが、最近になって次々と明らかにされる事実に、世間でも8割方「黒」判定をしている方も多いのではないでしょうか?

あらゆるハラスメントは、程度の差によって黒か白か判定される事が多いので、最初はグレーに見えていても、だんだん限りなく黒に近くなってしまうことがあります。

グレーから白になることはあまりないかもしれません。

曰く「火のないところに煙は立たない」

ハラスメントは法律で細かく規定されているわけではありませんから、規定があってもいい加減な法解釈がまかり通る曖昧国家の日本ですから、法律もないハラスメントが正しく裁かれる理由がありません。

ですから法律によって犯罪と判定される前に、マナーや常識による大人の判断が重要になります。

最近、どこからがセクハラになるかという判断の基準に、「自分の子供や親に対してできないことを他人にしたら、それはセクハラだ」と言われることがあります。

身内に対してもひどいことをする事件があとを絶ちませんが、そのような生まれつきの犯罪者でなく普通の人なら、身内にされたら嫌なことというのはある種妥当な判断基準なのかもしれません。

今回の知事に関しては、地元の特産品を国の役人からせがまれて「セコい」と思うのなら、知事がやったことは「セコい」ことになります。

得てして他人に厳しい人は自分にはゆるいことが多いので、如何に客観的に状況を判断できるかある程度の知性は必要でしょうが、最低限の知性があれば適切に判断できるはずでしょう。

何も知事だけでなく、社内の上司と部下、医者と患者、役所と住民など、上下関係によって醸し出される不条理な環境はいくらでもあります。

いっそのこと、未来の社会では一切の上下環境を廃止して、上の立場を利用することを禁止してはどうでしょう?(って社会主義者が最初にほざく戯言か?)

本当に日本が30年で落ちぶれたのか?

よくニュースで、「最近の30年間で日本の世界での存在感が急速に失われてしまった。日本を何とかしなければならない」という警鐘を促す記事を見かけます。

そこで指摘されるのは、30年前の世界企業の時価総額ランキングで、過去に日本企業はランキング上位の半数以上を占めていたのに、今やトヨタ自動車以外の企業は一層されてしまい、替わりにUSのIT連携企業が軒並み上位に進出しているというのです。

確かにこの30年で大きく金儲けのスキームが変化して、以前のように銀行や石油会社、電気製造業などが儲かる企業の代表ではなくなってしまいました。

ですが、それらの企業が何もサボっていたわけではなく、今でも過去最高益を計上している企業もたくさんあります。

ただ、今の株式市場で人気があるIT企業を創出できなかったのは問題ですが、それも今はUSだけが突出しているだけで、他の国々でもその分野で企業を創出してきた訳ではありません。

日本が落ちぶれたというより、今はUSのIT企業が飛び抜けてうまく取りまわった時代だというべきでしょう。

日本でもIT関連では出遅れ感がありますが、最近の日本のベンチャー企業はそれなりに新しい分野を切り開きつつありますから、その後の企業運営を大胆に進めることによって大きく飛躍することは可能でしょう。

製造業が隆盛を極めた頃、日本人は手先が器用だから良い製品を作ることができるという理由がまことしやかに唱えられていました。

今や日本人が手先が器用だという人はいないと思いますが、勢いに乗って唱えられると、根拠がなくても信じてしまうものです。

今、US発のIT関連では業界が隆盛を極めていたとしても、別にアメリカ合衆国が想像力豊かな人材が豊富だからそうなったのではなく、ただ単に「時代の流れでそうなっただけ」というのが正しいような気がします。

昔の栄光にすがったり、過去の30年間を悲観するのはやめて、これからの30年を見据えた新しい日本を目指したいものです。