少ない年金対策で繰り下げ受給しろってか?

よく新聞などに「年金が少なくて生活費が足りないのだけど、何か対策はない?」という質問に対して、ファイナンスプランナーが「年金を切り下げ受給すれば年金額が増額されるので、生活費が楽になりますよ」とまことしやかに解説する記事を見かけます。

現在は通常の支給は65歳からですが、もし65歳以降に受け取りを開始する場合、年金額が受給を送らせた期間に応じて増額されて、しかもその増額は一生続くを言うものです。

年金額が増額されれば生活が楽になるとしても、そもそも生活費に苦労する人が年金受給を遅らせる程余裕があるのでしょうか?

もし定年までしっかりと働けていたとしても未だに60歳定年の企業も多く、65歳からの年金支給でさえも5年間の貯蓄を切り崩さなければなりません。運良く65歳まで働けたとしても、65再以降に繰り下げた期間は貯蓄を頼らなければなりません。

生活費が苦しい人に受給を繰り下げて年金の増額を促すというのは、「パンがないならケーキでも」と同じです。

年金に関しては未だに怪しい理屈がまかり通っていて、老後資金2000万円問題から何ら解決に向かっていないばかりか、年金が不足するなら退職金を貯蓄に回せと、これまた怪しい金融商品を勧誘する始末です。

このまま行けば老人生活保護者で溢れかえるのではないでしょうか?

フィナンシャルプランナーの皆さんにはちゃんと頭を使って考えた、少しまともな解決策を提案してもらいたいものです。