建築費の高騰を受けて、開催前から期待より不安が先行する大阪万博です。
さらにパビリオン建設に現状以上の資金が必要になり、国民の税負担が増える可能性を示唆しているそうです。
そこで槍玉にあがったのが、当初から会場の予想図で一番目立っていたリングと呼ばれる世界最大を目指す木造建築物です。
これの建設だけで350億円かかるそうですが、決して万博になければならない訳でもないのに高いようです。
1970年の万博では、大屋根を突き破るように太陽の塔が建っているのがシンボルでした。
同じように会場に何らかのシンボル的な建物が欲しいのでしょうが、展示物としての価値はほとんどなく、最大の木造建築と行っても半年の命ですぐに壊されるのですから、最古の木造建築と言われる法隆寺と同じように語ってはいけません。
大体、リング状のシンボルなら愛知の「愛・地球博」で登場済みで、あえて真似をする必要もありません。
おそらく、何もない埋立地に万博らしいイメージを醸し出そうと、どこかのデザイナーがささっと目立つものを描いたら、後から350億円の値札が付いていたことに気づいたということでしょう。
個人の家の設計でも同じですが、予算をオーバーしたら無駄な設備や意匠を削るしかないわけで、リングなどはとっとと取っ払って、少しでも予算を切り詰めるべきでしょう。
1970年の万博では最初は大屋根を残そうとしていましたが、メインテナンスの費用が巨額になったために日本館とともに撤去されました。
今回のリングは最初から木造ですし、半年後に取り壊されるのが決まっているようですから、350億円+解体費の価値があるとは思えません。
何かに付けて不満が渦巻く2025年万博ですが、そろそろ期待が膨らむようなニュースがないと誰も行きたくなくなってしまいます。
せっかく開催するなら、夢と希望に満ちた博覧会にしたいものです。