糸を引くマフィン

東京ビッグサイトで開催されていたイベントで、販売されていたマフィンが原因の食中毒が発生したというニュース。

栗やチョコチップが入ったマフィンが腐敗していて、中には糸を引いたり味が変わっていたものもあったらしいです。

製造したお菓子メーカーによると、イベントで販売する量を一人で製造するために5日間かけて作っていたそうです。

無添加や少量の砂糖を使っていることを特徴にしていたそうですから、もともと保存性が良くないものを5日間放置していたと考えられそうです。

このような素人的な製造者が作る自然素材の食品が、いかにも自然の素材を使って健康的であるような印象を与えていますが、安全性に関しては注意が必要です。

何事にも素人には分からない技術や決まりがあり、最低限押さえて置かなければならない衛生基準というものがあります。

もちろん全ての食品提供者が衛生面において完璧であるわけがありませんが、素人が頑張って経営している店には注意が必要です。

よく個人や家族経営のパン屋を訪れることがありますが、たとえおいしいパンであっても、同じ製品でもばらつきがあって雑であったり、店内を見回して衛生面に問題がありそうなところは避けるようにしています。

食品を扱う店で問題になるのは、お金を扱った手で食品を直接触ったり、いまだに手に唾を付けてお札を数える店員がいたりすることです。

デパートや一流の店ではそのようなことはありませんが、個人経営だといまだにそのような店があったりします。

今回のニュースの店のインターネットサイトを見てみると、いかにも衛生的に怪しい感じがします。

怪しい食品を見分ける能力は、今も昔も生き抜く上で必須なようです。

自由経済と人手不足

競争によってより進化したよりよいサービスが提供できるようになり、その結果サービスを提供する側の生活も向上する。

みたいなことがまかり通ったのは、自由に競争することが経済をうまく回せていたころの話で、サービスの数が増えて提供する人が相対的に少なくなってしまうと、競争どころか提供すらできなくなってしまいます。

最近のタクシーや宅配業界、これらに限らずあらゆる業界で人材不足、労働力不足が叫ばれて何年にもなります。

人口が減少傾向であってもサービスの数が増えていった結果、オーバーヘッド部分が多くなっているのではないかと思います。

そこで、ヤマト運輸と郵便局が集配センターを共同で運用するなどの方策が登場して、結果としてサービス数の減少という事態になりつつあります。

要するに、同じような内容の少しだけ違うサービスが乱立した結果、ユーザーも選択に苦慮してしまい、サービス提供者も無駄な労力とそれに伴う経費が増えてきたということでしょう。

ITや機械化によって省力化が図られているとしても、その進化では追いつかないぐらい複雑化した社会になっているような気がします。

これからは自由に経済活動を行うにしても、何らかの存在価値を見いだせないものは、社会を複雑にするだけで進化を止めてしまうこともあり得るでしょう。

子育てで自由放任が何でも良いわけではないように、自由経済にももう少しルールが必要なのかもしれません。