建設費が無駄だと避難された大阪万博の木製ループ。
シンボルとしての意味や日除けになるといった目的が発表されて、なおさら無駄さが目立っていましたが、それを受けて今度は万博後も保存すると言い出しました。
保存するからと言って全体の建設費が安くなるわけでもなく、後から敷地を使用すると見られるカジノがお金を払ってくれるわけでもありません。
ただ無駄と言う意見を抑えるためだけの、思いつきのアイディア(アイディアはたいてい思いつきですが)にすぎませんが、1970年の大阪万博でも同じ事がありました。
1970年の万博では、開催前は太陽の塔と大屋根、日本館と鉄鋼館が保存の対象になっていて、たしかに今でも太陽の塔と鉄鋼館は姿を確認することができますが、大屋根と日本館はメインテナンス費用が掛かり過ぎて、開催後10年ぐらいで撤去されました。
大屋根については、一部切り取ったものが今でも旧お祭り広場の片隅で展示されていますが、日本館は跡形もありません。
つまり保存したいということと、保存することができるというのは別だということです。
とりあえず現在の建設時にでる反対意見を抑え込むために、開催後の保存すると言っておけば良いというのなら、少なくとも開催後のメインテナンス費用を毎年予算として計上できることを説明しなければなりません。
特に世界最大の木造建築を目指していますから、そのメインテナンス費用たるや並大抵のがくではないはずです。
国立競技場の木造の屋根でさえその耐久性に疑問がありますが、外周2Kmにも及ぶ木製ループが、開催後10年以上のその場に留まるとは思えません。
SDGsを標榜する2025年大阪万博は、相応しい継続性を証明する必要があると思います。