まあ別に関係がない会社の本社がどこに移転しようが構わないのですが、東京の繁華街にあった本社が工場の隣に移転するというのが、よくあるブームが去った企業によくあることなので、これも日本の経済が停滞していることの一つの現われなのかなと思ってしまいます。
もちろん在宅勤務の普及も影響はあるのでしょうが、栄華を誇った企業が東京のビジネス街にこぞって本社ビルを建設していたことが昨日のことにように思えます。
実質的に本社機能と言えばコストがかかるだけで、会社の機能としては無駄なもの。売上や利益には貢献しません。
そこをいかにコストを抑えるかが経営の基本のはずですが、どうしても本社を華美にしてしまうのが世の常です。単なる見栄です。
本社が立派でないと信用されないなどというのは言い訳で、機能的に必要以上の本社の箱は無駄なコスト以外の何物でもなく、信用は建屋に付いてくるものではありません。建屋が信用につながるのは抵当権を付けるときだけです。
工場や研究施設は業務を行うために必要ですから、機能を優先して立派に見える装飾は必要ありません。本社は機能がないからこそ華美になりやすいのでしょう。
海外の企業は、それほど本社の建物が立派であるわけではありません。
流石にアップルやグーグルぐらいになってくると、大学のキャンパスと見紛うぐらい広いことはありますが、建物が大きく立派なのは日本と中国の企業ぐらいではないでしょうか?
さらに言えば、日本の地方自治体の庁舎の県庁や市役所は立派すぎます。
何も建物で立派感を出さなくても、人口や物産でその地方自治体がどのような立ち位置であるかなどは判断できますから、もっとコストを抑えた庁舎で賄うべきです。
兵庫県が県庁舎の耐震性がないということで、建て替えを検討しているということですが、ぜひ新進気鋭の県知事の権限で、新時代に向けた機能重視で華美にせず、県民の支持を得るリーズナブルな庁舎を提案していただきたいものです。