東北大学は裏切らないで欲しい!

世間では、ビッグモーターやジャニーズの過去の行為が明らかになるに従って、呆れるばかりの醜態を晒しています。

一部の企業で、しかもあまり程度が良いという噂が昔からなかった企業がやることですから、やっぱり悪さをやっていたのだなと、ある意味納得するところもあるわけです。

しかし、国際卓越研究大学に国内で唯一選定された東北大学で、いくつか綻びが報告されるようになってきました。

「一定の条件を満たしたときに認定する」という条件付きで選定されたこともあり、不備を指摘する告発などが増える可能性があるのかもしれません。

東京大学や京都大学を抑えての選定ということで一躍注目されましたが、10年雇用後の雇い止めが報告されたり、大学改革の看板である「テニュアトラック制度」がハリボテであったりと、足を引っ張るようなニュースが続いています。

何事にも競争相手がある事ゆえ、多少の大風呂敷はしかたがないのかもしれませんが、いかにもインチキが常習化している中古車販売業や芸能事務所とは違い、最高学府でアカデミックな国立大学でインチキ臭い話を聞くと、「東北大学、お前もか!」と言いたくなります。

条件付きで国際卓越研究大学に選定されたために、悪いニュースをぶちまけて引きずり落とそうと他の大学関係者が企んでいるとしたら、それはそれで恐ろしい話です。

昔は格式と品があって決して民を裏切らない組織や老舗企業があったように思いますが、法曹界、政治家、企業で目を背けたくなるような悪事が続いています。

競争が激しくなってくるとただルールを守っていては勝てないので、ギリギリのグレーゾーンでの勝負にならざるを得ないのでしょう。

しかし、社会が進歩するには、不安や恐怖を取り除いて、誰もが安心して暮らせるようにならなければならないと思います。

学術の分野で不安を感じる行為があると、学術の成果の信憑性にも疑問が生じます。

せめて学術の世界だけは、嘘や騙しから隔離されていてもらいたいものです。

多様化と選択

「世界は多様化する」と唱えられたとおり、今の世の中は様々なものが入り乱れて提供されています。

例えば、昔の通信手段と言えば電話と郵便があって、その次は電報と急に敷居が高くなります。

ところが今や電話一つとっても固定電話やスマートホン、LINEにIP電話にミーティングツールなど。もとは電話とインターネットだとしても、そこにつながるための手段が数え切れないほどあります。

またそれぞれの敷居はそこそこ高くて、いったんある方法で電話をすることに落ち着いたら、なかなか他の方法に移ることができません。特に電話は相手がありますから、相手と同期を取って手段を変更するのはさらに面倒になります。

以前なら古い方法がコスト面や使い勝手の点で淘汰されていき、自然とデファクトスタンダードというものが残って行くのですが、最近は手段が多すぎて優劣を決める要因がたくさんあり過ぎて、相互の比較さえ困難になってしまいました。

これは電話に限らず、テレビの視聴方法だったり。通販の購入経路だったり、宿泊予約方法だったり、切符の予約システムだったり、それぞれに多くのバリエーションがあってどれが良いのかいちいち迷っている時間がありません。

その結果、同じような機能を持ったサービスが溢れかえって、もはや優劣さえもつけられない状態になっていて、その結果本来淘汰される経済的に優位性がないものも、ダラダラと継続してしまうという事態になっています。

自由経済は比較によってより優れたものが選別されていくことが必要ですが、ここまであらゆる分野で多様化が進んでしまうと、人々の選別する気概がなくなって方法の優劣などどうでも良くなっているのではないでしょうか?

多くの選択肢があることは幸せに結びつかないという説もありますから、何らかの規制をかけて、選択の幅は残しつつもう少し社会をシンプルにしていくことが必要です。

このままでは世界中がゴミ屋敷になってしまうかもしれません。