そもそも中国の巨大市場に目がくらんで、80年代にドイツの自動車産業がこぞって中国に資本を注入して工場を建てまくったのが間違いだったのです。
資本主義経済が停滞し始めた頃、新しい市場を狙って世界一の人口を誇った中国を市場として開拓しようとして、中国民には文明の利器である自動車を売りつけ、欧州や米国には中国の安い労働力で生産したドイツブランドの車を売りまくるという算段でした。
しかし30年も経たないうちに母屋を乗っ取られます。
自動車は技術の塊で、そう簡単には技術が追いつかれないと高をくくっていたところが、技術移転を強引に進められ、またモジュラー化できるEVによってドイツが得意だった複雑なエンジン技術が色褪せるようになってきました。
事もあろうに同時期に、ドイツが主導したディーゼルエンジンによる温暖化ガスの削減がインチキだったことが明白になり、起死回生とばかり地球温暖化対策としてEVを全面に押し出したところが、却って中国の戦略にハマってしまいました。
ことごとくドイツは中国にうまく利用されています。そもそもドイツと中国は国家として似ているところがあるのかもしれません。
「寝た獅子は起こすな!」
かのナポレオンが行ったとか言わなかったとか。
ドイツは獅子の背中にまたがろうとしたところが、知らない間に獅子に追いかけられてしまっています。
ドイツ人はもっと中国人のことを研究してから、付き合うようにしてもらいたいものです。