はみ出し禁止

電動キックボードが認可されて、16歳以上に無免許で許可しながら自賠責保険が必須としたことは、今となっては保険会社への忖度があったのではないかと疑われそうですが、とりあえず大きな事故のニュースがないということは、それほど無茶な運転をする人が今のところいないのか、まだあまり普及していないだけなのか?

自転車に比べて小さい前輪径によって、道路の段差で転倒する危険性が指摘されていましたが、そのときに各戸に道路の段差を解消するための配置したスロープが邪魔になるという問題がありました。

特に夜間など道路上に危険な突起があると認識しないまま道路脇を走行して、段差で転倒して走行中の車と接触すると大事故につながりかねません。

そもそも個人所有の建造物を公共の道路に設置することは以前から不法行為であり、住宅などは一切の部分も道路上に(空間も含めて)はみ出すことは許されてはいません。

外構を工事する業者は、一切のはみ出しをしない施工をするのが常ですが、法遵守にいい加減な業者が施工した外構には、分かって道路上の空間を専有しているケースが散見されます。

更に道路上に、例え使用上の必然性があったとしても、個人所有の建造物を置くことは許されません。

20年ほど前、道路にはみ出て設置された自動販売機が、一斉に道路占拠違反で規制されたことがありました。1年ほどで国内の自動販売機から道路占拠はなくなり、日本の実行力も大したものだと思ったことがありました。

今回も電動キックボードが発端ではありますが、道路占拠物件の一掃を目指すべきではないでしょうか?

インバウントと称して海外から訪日する観光客は、簡易な移動手段として電動キックボードを利用することが増えるかもしれません。

その時に、世界の常識から外れた道路の私用が原因の事故が起こると、また世界から非難されるでしょう。

日本国内にはまだまだ世界の常識から外れた習慣や法規が溢れています

インバウンドで国内消費が伸びることばかり喜んでいないで、この機会に日本の古いないがしろにしてきた習慣を近代化してもらいたいものです。

組織の自浄作用

日本大学のアメリカンフットボール部の問題で、大学に自浄作用が働くのか疑問を呈する記事が相次いでいます。

これまでにもいくつかの問題点を指摘されながら、表向き代表者の交代が繰り返されただけで、本質は何ら変わっていないとの疑念が漂っているのでしょう。

同様にビッグモーターのトップが問題発覚後交代しましたが、社内改革と称して真っ先に取り組んだLINEの使用停止も、ブラック企業の証拠隠滅が目的だとの指摘されました。

過去にも企業や政治組織や宗教法人など、大学以外の組織的犯罪が発生した後、浄化するにはかなりの長い時間と労力を要することがほとんどです。付け焼き刃の対策ではなく、元を絶たなければ意味がありません。

それだけ時間と費用もかかるのなら、最初から正しておけば無駄なことをしなくても済んだと考えがちですが、それはどうでしょうか?

そもそも人間は楽な方に安易に流されますから、それを組織が束縛することである一定の基準の品格や順法意識を保っているのではないでしょうか?

もちろん個人でも品性を保っている人も多いですし、組織でも崩れきっているところもたくさんあるでしょう。

しかし、基本的に組織になればそれなりの社会性を保とうとする修正力が働きますから、事件になる前に摘み取られる事が多いと思われます。

ですからよく「性善説」、「性悪説」と例えられますが、個人レベルでは性悪説が成り立ち、組織では性善説が成り立つというのが自然なような気がします。

個人を尊重する欧米諸国が性悪説を社会の基本と捉え、個人より組織を重んじる日本が性善説に根ざしているというのも頷けます。

組織によって個人を律し、世の中のために正しいと思われることを経営理念やスローガンとして唱え実行することが、組織としての統制となり力となって行くのでしょう。

不祥事を起こした大学や企業が急に理念を唱えだしても、「馬の耳に念仏」にしかならないでしょう。

しかし、時間がかかったとしても倫理や道徳の概念が失われつつある日本社会で、お手本となるべく立ち直った姿を見たいものです。