マックナゲット1億円の賠償金

米国の陪審員裁判で、マクドナルドのドライブスルーで購入したマックナゲットが熱すぎて子どもが脚に火傷をして、その賠償金が1億円になったというニュースがありました。賠償額の高さに驚きます。

日本的には親が熱さぐらい確かめるだろうと思うのですが、何事も大人として扱われることが多いアメリカの子どもの場合、親がそこまで手出しをしないのがルールなのかもしれません。

問題になったのがドライブスルーだったことも、熱さに気付かず子どもが直接手を触れた可能性も高いでしょう。

それにしても、アメリカの陪審員裁判は極端に消費者側に立った判決が多く、いくら日本で裁判官が企業側に立った判決が多く不満があるにしても、1億円はないだろうと思ってしまいます。

こうしてアメリカは消費者保護の国という印象が与えられるのですが、企業はそのつけを何処かで穴埋めしますから、結局それほどダメージはないのかもしれません。

今、日本で注目されているビッグモーターの事件がアメリカの陪審員裁判に掛けられたとしたら、どのような判決になるのでしょうか?

アメリカでは、よく懸賞賞金が10億円だったなんて話が飛び出していて、何事も金額が大きいようです。

金額が大きいニュースだから、日本にまで伝わってくるのかもしれませんが、日本での裁判で賠償金額で驚くことはあまりないような気がします。

以前から弁護士の数が多く、賠償金が高くなれば弁護士への報酬も高くなるため、裁判自体がマネーゲーム的なところがあり、日本とはかなり環境が異なっているのでしょう。

しかし、日本でもこのような判決が増えてくると、一般人も訴えられたときのために賠償金保険に入らなければならないようになるのでしょうか?

入る金があれば出る金もあり。

だから経済が回るのだとおっしゃる人もいるでしょうが、無駄に出る金は避けたいものです。

マンション価格の高騰とダブルローン

ここ15年ほどで新築マンション価格が4600万円から6300万円に上っていて、さらに一部のタワーマンションなどでは天井知らずの高額物件が分譲されていて、一体誰が買うのかと疑問を投げかけるニュースがInfoseek Newsに掲載されています。

数十億円にも及ぶ高額物件については、どうせ中国の金持ちが買っているのだろうと予測できますが、6300万円のマンションの購入層の方が気になります。

40年ぐらい前の庶民が購入するマンションは、せいぜい2000万円から3000万円ぐらいで、銀行ローンを1500万円ぐらい借りて、残りは頭金として現金を用意するというのが普通でした。

普通というのは、その程度の資金計画でないと、その後のローン返済が滞る可能性が高くなるためで、頭金を貯めるまでは賃貸で我慢するというのが当時の住宅購入事情でした。

ところが、昭和の後期ぐらいから、マンション購入時に親が無税で贈与することを推奨するようになり、同時に頭金に現金を用意することが廃れていき、全て親からの贈与とローンだけで購入するケースが増えていきました。

そのうちに親が段々と子世帯のマンション購入を援助する余力がなくなって来る頃には、女性の社会進出が本格化して、結婚するときも男女同じぐらいの稼ぎがある世帯が増えていきます。

そうなると、今度はローンを2人分借りることができるようになり、ローンの限度額も知らぬ間に3000万円程度に増額されていて、合計6000万円がローンだけで賄えるようになってしまいます。

それに少しばかりの手付金程度で買える金額が、マンションの相場になってしまっているのです。

そこにはマンションの商品価値や、土地の不動産価値の計算はないく、ただ単に購入層が出せる金額の最高額が6000万円超だということが、新築マンション価格決定の要因になっています。

建築コストや社会インフラコストを積み上げた意味のある金額ではなく、単にマンションデベロッパーが想定した購入者が用意できる最大の金額に設定されているように思えるのです。

ですから、購入者がその後転職して給与が下がったり、リストラされたり離婚したり、ローンの支払が少しでも厳しくなった途端に破綻します。

マンションを売ろうとしても、最初のマンション価格が資産の価値から計算されたものではありませんから、中古住宅市場での評価は期待より大幅に下回ることが多く、ローンがあっても負債、売っても負債、どっちに転んでも残るのは借金だけです。

それはそうでしょう、ローンで借りて買ったとしても、ローン金額以下の価値しかないものだったら、買った瞬間に借金しか残らないのは当然です。

人口が減っているのに、都市部ではどんどん新築マンションが供給されています。

本当にその金額に見合う価値があるかどうか、見極める力がなければなりません。

増税には理由が必要ではなかろうか?

勤続30年で受け取れる退職金が2500万円の場合、今後最大45万円受取額が減少するらしいです。

20年以上継続して勤続する人に対する税の優遇措置が廃止されるために、退職金にかかる所得税が増額されるということのようです。

政府は老後の生活費は自分で貯めておけと言っている割には、老後資金の要となる退職金に増税するとは、言っていることとやっていることが違います。(よくあることですが、)

ニュースで増税の話を聞くことは年に何十回とありますが、「税をこんなに有効に使いました!」とか、「ちょっと工夫をして税金の支出をこれだけ減らしました!」というニュースは一度も聞いたことがありません。

世の中は、多少過剰に支出をすることがあってもどこかで節約して、平準化したらあまり変化がないようにするものです。

例えば、夏休みに遠方に旅行に行ったとしたら、その贅沢を穴埋めするために平日の食事は質素に抑えるということは、どこの家庭でも心がけていることと思います。

ところが日本の政府といったら、頻繁に税金を引き上げることばかりに専念して、一向に税金の使い方に知恵を絞ることをしません。

この際、税金の増減はポイント制にして、税金の支出を削減した分だけしか増税できないようにするのはどうでしょうか?

税金は国内通貨だけで計算が間に合いますから、複雑な為替の計算で誤魔化すことはできないでしょう。

単純に同じ予算で国を運営すれば良いだけですから、普通なら簡単なはずです。バランス感覚の問題です。

増税を頻繁に繰り返す様は、農民から年貢を搾り取っていた時代と何ら変わりません。

もう少し明朗な会計を国民に公開して、公明正大に税金の使途を説明してから、それでも足りないから増税が必要なのだと訴える必要があるのではないでしょうか?

サンフランシスコの自動タクシー解禁と日本のデジタル化

サンフランシスコの無人自動タクシー解禁のニュースを見て思うのは、日本が世界に遅れているのはデジタル化だけではないということです。

アメリカでレンタカーなどを運転した経験がある人なら分かると思いますが、アメリカで運転するのは日本で運転するのに比べて数倍楽です。

もちろんニューヨークやボストンあたりの大都会になると、日本の地方都市と同じぐらい運転技術が必要になります。

それでも日本の複雑な信号、細い路地、無茶な運転をするタクシーなどが、いかに運転を難しいものにしているかを思い知る経験をした人は多いのではないでしょうか?

今、日本の国を上げてデジタル化を推進していて、その筆頭としてマイナカードが脚光を浴びていますが、期待通りに進まず先行きに不安が持たれています。

その原因は、システム構築自体に問題があるのはもちろんですが、日本の戸籍制度、膨大な漢字の数、読み方の分からない名前、統一されていない健康保険制度、整理整頓されていない住居表示などなど。

これらのとてもデジタル化をするに相応しくない、カオス状態の混沌雑多な情報を、そう簡単に0と1のデジタル化ができる訳ありません。

マイナカードを導入する前に、漢字の整理、漢字の読み方のルール化、住居表示の全国統一、戸籍情報の整頓、健康保険情報の全国統一化をまず成し遂げてから、やっとマイナカードの話が始まるのです。

「砂上の楼閣」

デジタル化を行う前に、まず元のデータを正確なものに整える必要があります。

同じことが自動車の自動運転にも言えます。

非合理的な交通法規、未熟な運転者、消えかかった中央線や崩れた交通標識、自転車やキックボードが同じ道路上に溢れ、たまには無法者が我がもの顔に信号無視をする。

信号が青なのに、横断歩道の歩行者のために止まらなければならないなんて、何のための信号なのでしょうか?

人げが道を歩くのさえ危険が溢れ不自由なのに、自動運転なんてできるわけがありません。

日本は経済の話だけに限って失われた30年と言っていますが、失われたのは経済だけでなく、あらゆる分野で近代化が遅れていた事に気付かなければなりません。

おそらく、アメリカでの自動運転を見た政治家は、日本でも自動運転を認可さえすれば同様なものはすぐ実現できると考えるでしょうが、自動運転化の前に立ち遅れた道路事情や交通法規を世界レベルまで引き上げる必要があります。

どうも日本の政治家は、疎いからか技術(テクノロジー)があれば何でも解決できると考えますが、まず技術を活かすには社会インフラが一定のレベルにあることが重要です。

マイナカードと同じように、日本で運転の自動化を強引に推進して「動かないコンピューター」の如く、「動かない自動運転自動車」で道路が埋め尽くされないことを願います。

はみ出し禁止

電動キックボードが認可されて、16歳以上に無免許で許可しながら自賠責保険が必須としたことは、今となっては保険会社への忖度があったのではないかと疑われそうですが、とりあえず大きな事故のニュースがないということは、それほど無茶な運転をする人が今のところいないのか、まだあまり普及していないだけなのか?

自転車に比べて小さい前輪径によって、道路の段差で転倒する危険性が指摘されていましたが、そのときに各戸に道路の段差を解消するための配置したスロープが邪魔になるという問題がありました。

特に夜間など道路上に危険な突起があると認識しないまま道路脇を走行して、段差で転倒して走行中の車と接触すると大事故につながりかねません。

そもそも個人所有の建造物を公共の道路に設置することは以前から不法行為であり、住宅などは一切の部分も道路上に(空間も含めて)はみ出すことは許されてはいません。

外構を工事する業者は、一切のはみ出しをしない施工をするのが常ですが、法遵守にいい加減な業者が施工した外構には、分かって道路上の空間を専有しているケースが散見されます。

更に道路上に、例え使用上の必然性があったとしても、個人所有の建造物を置くことは許されません。

20年ほど前、道路にはみ出て設置された自動販売機が、一斉に道路占拠違反で規制されたことがありました。1年ほどで国内の自動販売機から道路占拠はなくなり、日本の実行力も大したものだと思ったことがありました。

今回も電動キックボードが発端ではありますが、道路占拠物件の一掃を目指すべきではないでしょうか?

インバウントと称して海外から訪日する観光客は、簡易な移動手段として電動キックボードを利用することが増えるかもしれません。

その時に、世界の常識から外れた道路の私用が原因の事故が起こると、また世界から非難されるでしょう。

日本国内にはまだまだ世界の常識から外れた習慣や法規が溢れています

インバウンドで国内消費が伸びることばかり喜んでいないで、この機会に日本の古いないがしろにしてきた習慣を近代化してもらいたいものです。