Suicaの発行停止の理由

関西に住んでいると全く知らなかったのですが、新規の無記名Suicaカードの発行ができない状況が続いているそうです。

はっきりとした再開の時期はアナウンスされていませんが、来年の春頃には再開できるだろうということです。

内蔵するICチップの入手が半導体不足の影響で困難になっていることが理由 だそうですが、汎用品であるチップが枯渇するというのは珍しい状況ではないでしょうか?

関西で同じJR系ではICOCAがありますが、現在は通常通り新規購入ができるみたいですから、特に人口の多い関東地区で早く品不足が表面化したのでしょう。

半導体不足は全産業に関わる問題で、あらゆる分野で品不足が起こりうるでしょうが、今回の Suica に関しては、汎用品でそれなりの在庫もあったと思われ、思わぬ需要の拡大で急激に在庫がなくなった可能性もあると思います。

ここ最近回数券が制度として廃止される鉄道会社が増えてきて、その代わりとしてICカード 利用によるポイント制度を導入するケースが増えてきました。

これまで磁気式回数券を使っていた人たちが、急にICカードに乗り換えているために、予想外の需要が出てしまったのではないかと予想しています。

ところで、Suicaの新規顧客獲得が滞ってる間に、クレジットカードのタッチ機能による乗車システムに客が流れてしまう可能性があり、今後のキャッシュレス決済の勢力に影響するかもしれません。

ICの入荷状況の先読みを間違えたために、せっかくシェアを築いてきたキャッシュレス方式が他の方式に侵食される可能性もあります。

ICの世界的な供給不足は、ビジネスを失う企業が出てくると同時に、ビジネスチャンスと攻勢をかける企業もいて、確かにICは「産業の米」とはよく言ったものです。

新型コロナだと思ったらインフルエンザだった!

新型コロナ対策も、やっと慣れてきたせいか電車の中でマスクをする人が少なくなってきました。

まだ通勤時間帯ではマスクをする人の方が多いように思いますが、休日の電車ではその率はかなり低くなっているようです。

そのような中で先週末に送別会と同窓会という、新型コロナ全盛期なら一番危険な行為を連続してやったものですから、見事に翌日から高熱で寝込むことになってしまいました。

大勢の中でマスクを外して会話することは久しぶりで、人数の割に狭い会場で、換気もそれほど積極的にやっているようではありませんでしたから、そりゃ新型コロナにかかっても仕方はないというものです。

ところが、新型コロナの抗原検査キットを購入してテストをしてみたところ、新型コロナは陰性! 「ありゃ?」

日本はまだ公衆の新型コロナ羅漢による免疫取得率が50%ほどで、諸外国に比べて低いと言われていたので、そろそろ一度かかっておかなければならない時期だと思っていたのですが、免疫がそれほど欲しくないインフルエンザにかかろうとは思いませんでした。

しかし、これでこれまではマスクのおかけで助かっていたのだということを実感いたしました。

とりあえず1週間休んで、来週からまた新型コロナの恐怖に怯えながら生きていくしかありません。

飽きられる観光資源

中国からの団体旅行が解禁されて、インバウンドが最盛期と同じぐらい増えることが一部の業界では期待されていますが、一方でオーバーツーリズムによる生活への影響が心配されています。

オーバーツーリズムは、観光客で儲かる人とただ単に迷惑を被る人が別だから問題になるわけで、儲かっていれば多少の不自由は我慢できるでしょうし、何のメリットもない人はただ生活が不便になるだけでおもしろいことは何もありません。

だいぶ昔のことになりますが、海外から京都に来ていた御婦人に、京都には寺と神社以外に見るものはないのかと聞かれたことがありました。

どこに行っても同じような寺と神社ばかりで、まともな博物館や美術館、動物園などがないことを憂いていました。

そもそも京都の神社仏閣は、観光客のために作られたわけではありませんから、その配置や観光としての利便性が考えられていません。

ディズニーランドのように、初めから人の流れや所要時間、待ち行列の施し方など、設計して作り込まれたものとは違いますから、海外から来て観光するのには、興味を持って効率よく回ることを工夫しなければ、疲れるばかりで退屈な旅行になる可能性があります。

ところで、最近は東京や京都などの都会ではなく、地方都市や自然の風景を楽しもうとする海外旅行客が増えているそうです。

それだけ日本の観光資源が豊富であると捉えることもできますが、逆に都会の観光資源はすでに飽きられている可能性もあります。

旅行が異文化や未経験なことに触れるのが目的だとしたら、日本の都会の景色はそれほど世界の他の都市と変わるものでもなく、日本の伝統が息づく地方の方が異文化を感じやすいのかもしれません。

京都の寺や神社も、海外にもっと深く理解してもらえるよう文化や伝統を深く印象づけるような志向を凝らさなければ、海外旅行の興味の対象として選ばれなくなる可能性があるでしょう。

インバウンドで経済が潤うのを喜ぶだけでなく、日本の観光資源を磨き続ける努力が必要なのかもしれません。

解決するより誤魔化す時代

最近日本にはどうにも解決しがたい問題が山積しています。

とりあえず筋がある問題の場合は、あれやこれや試行錯誤をしているうちに本質的な解決につながる道が見えてくるわけですが、筋が悪い問題の場合、どうにもこうにもいつまで経っても解決らしい道が見えないまま右往左往することになります。

例えばマイナンバーカードやNHKの受信料問題のように、何度も何度も新聞を賑わしている割には一向に解決しない状態が続きます。

これらは本当に解決策を示そうとしているのではなくて、世間の反応を伺いながら解決策を繕っているに過ぎないことが多々あります。

おそらく、正当な解決方法が取れない理由は一部の既得権益者がいて、そもそもその問題自体がその既得権益者が原因だったりする訳です。

ですから、世間一般が考えるような解決方法は、社会から見れば妥当なものに見えても、彼らからすれば既得権益が侵食されるために受け入れ難いということなのでしょう。

正当な解決方法には、その既得権益者を滅ぼすことが前提になってしまうので、議論をそちらの方向に流れないように、あらゆる手段を使って存続の道を探るわけです。

ですから、本来なら短期間で解決できるものを、色々な手段を使って権益の存続のための誤魔化しのテクニックを駆使し、結果として国民は問題の本質を見失いがちになり、結論が見えないまま既得権益が保存されてしまうのです。

当然そのために失われる利便性は莫大なものとなり、時代遅れの既得権益を保存するための損失は多大なものになります。

そのようなことばかりしているから、日本の生産性が低いまま世界から取り残されてしまったと言えるでしょう。

世界に追いつく切り札になるべきマイナカードが、かえって社会のお荷物になりつつあるのは皮肉なことです。

日本の社会を良くしたいのなら、既得権益者をいったん解散して、新しい制度から過去のしがらみをなくすことが必要だと思います。

在宅勤務は定着しなかった?

マイナビニュースに、コロナ禍で定着したかのように見えたテレワークが、最近の調査では22.2%まで減少してしまい、コロナ禍以前のレベルに近づいて来たというニュースが掲載されています。

様々な勤務形態の3万人以上のコロナ禍前後のテレワーク率を比較したそうです。

外出の制限からテレワークが始まった2020年3月は13.2%のテレワーク率で、2020年4月以降25%を下回らなかったが、2023年7月は22.2%に下がったということです。

下がったと言っても22.2%とコロナ禍以前に比べると高いですが、今後徐々に下がっていくことが予想されます。

従業員規模で分けた統計も出ていましたが、大企業が40%前後の実施率であっても、小規模の企業の場合は再考でも15%程度とかなりの隔たりがあります。

またテレワークの実施とは何を指しているかというのも曖昧で、どこまでこのアンケートの結果が正しいのか分かりませんが、電車に乗っている感覚からするとそれなりに正しい雰囲気はあります。

全業務時間の5分の1がテレワークで行われていると解釈すると、かなり利用されていると考えられます。

業務の寄って在宅勤務で問題がなかったり、かえって効率が上がるものもあるでしょうが、共同作業が多い場合やコミュニケーションや討論が主体の業務なら、テレワークが向いていないことがはっきりしたのかもしれません。

企業の中には慌てて本社の規模を半分にしたところや、従業員でも郊外にマンションを購入したりした人もいて、社会が大きく変わる期待もありましたが、それほど極端な社会変化は起こらなかったということでしょうか?

本当は。テレワークが拡大した機会に社内手続きの簡略化や印鑑の廃止などを行えば、コロナ禍によって経費削減や業務の効率化が同時に行えたのでしょう。

そのような「災い転じて福となす」ことを実践できた企業はどれぐらいあるでしょうか?